美しい国を、愛しいクルマで
FILE.06 広島県 安芸灘とびしま海道 編
全国のヤナセから試乗車を借り、おすすめドライブコースを紹介する本企画。今回スポットをあてるのは「街道」ではなく「海道」。瀬戸内海に浮かぶ5つの島を、7つの橋で結ぶ「安芸灘とびしま海道」だ。太古の昔から海上交通が盛んだった瀬戸内海は、まさに「海道」そのもの。そんな当時の面影を強く残す島々を、クルマでひとっ飛びしてみよう。
キャッチフレーズではなく、そこはまさに「海道」だった
その昔、日本の大動脈は山陽道であり瀬戸内海だったという。都のある畿内と、大陸との窓口であり防衛の拠点だった九州の太宰府を結ぶ、重要な陸路と海路だったからだ。
さて、今回はそんな瀬戸内海をクルマで旅してみよう、という試みだ。ヤナセ広島支店からメルセデス・ベンツGクラスを拝借、広島呉道路、国道185号線を進み、およそ1時間ほど走ればとびしま海道の拠点、安芸灘大橋にたどり着く。
通行料金を払って橋を駆け上がると、いままさに飛行機に乗って滑走路から飛び立つ時のような、あんな気持ちになってくる。これから別世界に行くという、大きな期待と少しの不安。海と島だけの景色に向かってクルマを走らせているのだから、どこか不思議な感覚もある。
最初に上陸するのは下蒲刈島。ここの三之瀬には江戸時代「海駅」が設けられており、番所や本陣までが整えられていた。そして参勤交代をする西国大名はもちろん、大陸から瀬戸内海を通って大阪へ向かう、朝鮮通信使の一行もここに立ち寄った。一帯は当時の面影をよく残しつつ、現代的な洗練を加えて美しく整備されている。早速カメラを取り出して撮影したのが、最上段にあるメインカットだ。
続く上蒲刈島では白砂が美しい「県民の浜」を見学。そこから隣の豊島へは長いトンネルを抜けて行くのだが、目の前が明るくなった途端、自分とクルマがいきなり絶景の真ん中に! これはトンネルの先がすぐ橋になっているから。穏やかな時間が流れる中、うれしいサプライズである。
そして漁師町らしい豊浜町を安全運転で抜け、大崎下島へ。かつて風待ちや潮待ちの港として栄え、現在も江戸時代の町並みが大規模に残る御手洗に立ち寄る。この街には住居だけでなく、防波堤や灯籠、船宿、お茶屋といった施設がよい状態で保存されており、静かに中継貿易港の栄華を現代に伝えてくる。
橋だけで行ける最後の島が岡村島。ここではナガタニ展望台へ。モダンな白亜の見晴台から眺める大パノラマは圧巻そのもので、遙か四国やしまなみ海道の橋々までが見渡せる。多島美ここに極まれり、である。
瀬戸内海は朝鮮通信使だけでなく、遣隋使や遣唐使も通ったという。任務を終えた帰路、荒れる外洋から瀬戸内海にたどり着いた時には、きっとこの穏やかな海に癒されたことだろう。現代の荒波を少し忘れたくなったら、ぜひこの海道を訪れてみては。
安芸灘とびしま海道~旅の風景
今回試乗車をお借りしたお店
ヤナセ広島支店
(メルセデス・ベンツ広島祇園)
〒731-0113 広島県広島市安佐南区西原6-19-17
℡ 082-874-2314
ラグビー、陸上、バスケット……スタッフはアスリート揃い!
オープン50周年を迎えた同店には、学生時代スポーツに打ち込み、全国大会への出場経験があるスタッフが何人も! 写真左の阿座上優大(あざかみゆうだい)さんは、ラグビーの元全国選抜メンバー。右の新(あたらし)憲太郎さんは陸上。100 mで全国優勝した経験もあるそうだ。それぞれのポリシーは「とにかく動きは素早く!」「何でも粘り強く!」。まだ1年目と3年目というおふたりだが、きっとあなたのカーライフを力強く支えてくれるはずだ。
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BMW
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