走行モードの変更でさまざまな表情をみせる
ハンドリングもほとんどスポーツカーのそれ。BMWが先鞭をつけた連続可変ギアレシオの「バリアブル・スポーツ・ステアリング」のおかげもあり、タイトなコーナーでも面白いようにクルマがグイグイと内側に入ってゆく。これはコーナリング中、内輪のブレーキをちょっとつまんで回転方向の動きを作り出したり、4輪の前後駆動力配分を最適に調整してくれるといった、ハイテクの数々が大きく貢献しているはずだ。そこにはもはや「背の高いSUVを操っている」という感覚はまるでない。どちらかといえば「アイポイントの高いスポーツカーに乗っている」という感じだ。ただしエンジンもステアリングも何もかもが操作に対して刹那に反応するので、個人的にはもう少し「0と1の間」というか、課程というかアナログ感を楽しみたい気もするが……。
乗り心地はノーマル系と違ってランフラットタイヤを採用していないこともあり、想像したよりも悪くないな、という印象。特に路面の段差やひび割れは上手く鞣しているようだ。これは減衰力可変式サスペンションの「ダイナミック・ダンピング・コントロール」を標準装備することも大きいはず。ただしサスペンション自体は引き締められているので、路面がうねっていたりするとクルマがそれを拾ってしまい、フロアが前後方向に同じように揺れてしまう傾向はある。もちろん不快なほどではなかったが。
実用性については、ルーフが低くなりガラスエリアが小さくなっただけ側方/後方視界はX3より悪化しているものの、取り回しのしやすさはX3とほぼ同じ。ラゲッジルーム容量もX3の550~1600リッターに対して500~1400リッターに減っているが、床面積は変わらないので、いつも荷室いっぱいにモノを積み込むのでなければあまり影響はないだろう。燃費は公称11.2km/Lだが、今回取材でアクセルを気の向くままに踏み込んだ結果、約200kmを走って7.0km/Lだった。このハイパフォーマンスを堪能してこの燃費なら上等だろう。
走行モード選択システム「ダイナミック・パフォーマンス・コントロール」は標準装備。「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ・プラス」「エコ・プロ(燃費重視)」の4モードが設定されているから、走りの振れ幅は大きい。サルーンに飽きた方も、カッコいいSUVに乗りたい方も、新種のスポーツカーが欲しい方も。X4 M40iは、多くの人にマッチする、いまいちばんエッジの効いた選択肢といえるかもしれない。
BMW X4 M40i
東京標準現金価格 ¥8,760,000
全長/全幅/全高 4680/1900/1625㎜
ホイールベース 2810㎜
車両重量 1920㎏
エンジン型式/種類 N55B30A/直6DOHC24V+ターボ
総排気量 2979㏄
最高出力 360ps(265kW)/5800rpm
最大トルク 465Nm(47.4㎏-m)/1350-5250rpm
トランスミッション 8速AT
燃費(JC08) 11.2㎞/L
サスペンション形式 前:ストラット/コイル
後:5リンク/コイル
ブレーキ ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前:245/40ZR20 後:275/35ZR20
問い合わせ先 BMWジャパン http://www.bmw.co.jp
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