【YANASE presents 】「この道、この旅。」~長野県・塩の道(千国街道) 編

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美しい国を、愛しいクルマでタイトル_2

FILE.04 長野県 塩の道(千国街道) 編

全国のヤナセから試乗車を借り、おすすめドライブコースを紹介する本企画。今回のテーマは「塩の道」。こう呼ばれる街道は全国に数あれど、「敵に塩を送る」の舞台となった、千国街道はもっとも有名なもののひとつ。新潟県糸魚川市から長野県松本市まで、北アルプスを望むおよそ110㎞。ヤナセ松本支店でお借りした、メルセデス・ベンツGLCでドライブする。

 

日本の原風景が時代を超えて

▲千国街道は新潟県糸魚川市から長野県松本市まで、海産物や塩を運んだ物流の道。現在では国道19号、国道147号、国道148号がその軌跡を辿っているが、多くはモータリゼーションとともに開発された新道やバイパスで、景色は楽しめるものの道沿いに観光スポットは少ない。史跡や味のある道祖神はひと筋、ふた筋入った旧道にあるから、ガイドブックやインターネットで調べつつそちらも楽しみたいもの。だが旧道は生活道路の場合も。マナーを守り、スピードは控えめで。

 

 戦国時代、信濃を治める武田信玄が南の今川/北条から「塩止め(=経済封鎖)」を受けた際、越後の上杉謙信が武士道に反すると憤慨、北から塩を送ったというエピソードがある。これが「敵に塩を送る」の語源だが、その舞台になったのが千国街道。かつて歩荷や荷牛が山海の幸を背負い、一歩一歩を踏みしめた道は、北アルプスを望みながら史跡探索を楽しみつつ、のんびり往きたいドライブコースだ。

 

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 白と黒のコントラストが美しい松本城に見送られながら出発し、国道19号を北上。すぐに国道147号との交差点が現れるのでそこを左折。梓川を越えればもう、20分ほどで安曇野だ。国道沿いには民家や商店が建ち並んでいるのだが、寄り道を決め込んでステアリングを切れば、すぐに期待通りの田園風景がフロントウインドー越しに広がる。四方を山に取り囲まれた、見渡す限りの美しい水田。安曇野には多くの美術館や博物館、そして蕎麦の名店がある。これらを目指せば、自然と懐かしい里山の風景に出会えるはずだ。

 

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▲名物といえばやっぱり信州蕎麦。秋の新蕎麦も楽しみ。

 

 さらに1時間ほど走ると、かつて荷の中継地として栄えた大町にたどり着く。ここで国道は147号から148号へと切り替わるのだが、道は左へ、右へ、そしてまた左へと不自然に曲がっている。ここでピンと来る方は鋭い。道路標識が「糸魚川」と示すルートはバイパスなのだ。そんな時はまっすぐに進むと思わぬ景色に出会えることが多い。案の定、そこにも間口の狭い、江戸時代の面影を強く残す町屋がたくさん並んでいた。

 

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▲佐野坂にある西国三十三番観音。杉林の中を行く古道は未舗装なので運転は慎重に。

 

 市街地を抜けると「仁科三湖」として知られる木崎湖、中綱湖、青木湖が立て続けに現れる。快適な新道は三湖の東側を走っており、そこでは塩の道きっての爽快なドライブを楽しめるが、古道は対照的に森深く薄暗い西側を通っている。その青木湖の北にある佐野坂峠は難所として知られており、そこではいまでも三十三体の観音像が、守り神として、道標として、旅人の往来をひっそりと見守っている。

 

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 白馬村では神々しいほどに美しい北アルプスを仰ぎ、小谷村では番所が置かれ、街道の名前の由来にもなった旧千国宿で往時に思いを馳せる。ここからは一気に山深くなり、国道はいくつもの長いトンネルの中を行くように。ようやく視界が開けたら、ついにそこが糸魚川だ。

 

 でも、海岸にクルマを停め、潮の匂いを嗅いだらなんだかすごくホッとしたのは、やはり人間が海から陸に上がって進化をしてきた生物だからなのだろうか。

 

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▲糸魚川の能生(のう)海岸にて。先に浮かぶのは弁天岩。夏は海水浴客で賑わう。なお今回の試乗車はGLC250 4マチック・スポーツで、車両本体価格は6,680,000円。

 

塩の道(千国街道)~旅の風景

 

塩の道からは外れるものの、長野県は絶景ドライブコースが盛りだくさん。 こちらは松本の東、およそ1時間ほどのところにある「美ヶ原高原道路」。 ほかにも「ビーナスライン」「高ボッチスカイライン」などがある。

塩の道からは外れるものの、長野県は絶景ドライブコースが盛りだくさん。こちらは松本の東、およそ1時間ほどのところにある「美ヶ原高原道路」。ほかにも「ビーナスライン」「高ボッチスカイライン」などがある。

 

松本市内、城下町の面影を強く残す「中町通り」。オシャレな民芸店などが並ぶ。

松本市内、城下町の面影を強く残す「中町通り」。オシャレな民芸店などが並ぶ。

千国街道沿いには、かつて荷牛を繋いだ「牛つなぎ石」が現在でもいたるところに残っている。

安曇野名物といえば蕎麦を思い浮かべるが、最近は自然素材を使ったこだわりの自家製パンを出す店が増えてきている。

安曇野名物といえば蕎麦を思い浮かべるが、最近は自然素材を使ったこだわりの自家製パンを出す店が増えてきている。

佐野坂にて。千国街道は戦国時代の古道、江戸時代の旧道、昭和のバイパスなど、さまざまな表情をみせるから面白い。

佐野坂にて。千国街道は戦国時代の古道、江戸時代の旧道、昭和のバイパスなどが、時代を超えてさまざまな表情をみせてくるから面白い。

白馬村にある「大出の吊り橋」は、北アルプスを望む絶好の撮影ポイントだ。

白馬村にある「大出の吊り橋」は、北アルプスを望む絶好の撮影ポイントだ。

旧千国宿には現存する唯一の牛方宿が。付近には復元された番所跡もあり、往時の面影をよく残している。

旧千国宿には現存する唯一の牛方宿が。付近には復元された番所跡もあり、往時の面影をよく残している。

 

新潟県糸魚川市、根知の田園風景。里山の美しさに改めて気づく。

新潟県糸魚川市、根知の田園風景。里山の美しさに改めて気づく。

 

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“大地の境目”、フォッサマグナが

糸魚川では“大地の境目”、フォッサマグナが形作る絶景の数々が楽しめる。こちらは国内随一のヒスイの産地である小滝川ヒスイ峡。

いよいよゴール! 北陸道と合流する千国街道の終点には、遠慮がちに道路元標が佇んでいる。

ついにゴール! 糸魚川市内で北陸道と合流する千国街道の終点には、交差点の片隅にひっそりと道路元標が佇んでいる。

 

今回試乗車をお借りしたお店
ヤナセ松本支店
(メルセデス・ベンツ松本)

〒399-0002 長野県松本市芳野17-20
TEL:0263-24-3611

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趣味はなんと蕎麦の手打ち!
蕎麦を通じたコシの強いおつきあいを

 

 ヤナセ松本支店の名物スタッフ、メルセデス・ベンツ国際認定セールスの小林 薫さんは、先輩に教わったことがきっかけで蕎麦打ちに熱中。「製粉屋さんで蕎麦粉を買い、小麦2蕎麦8の割合でこねるんです。これが『二八蕎麦』。いずれは十割に挑戦したいですね」。家庭菜園で蕎麦を育てている方も多く、お客様に譲ってもらい、蕎麦を打ってお返しすることも。最近は趣味の話が周囲に知れ渡り、年末は蕎麦屋さん並みに忙しいとか……。

 

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