路地裏から砂漠まで! どこにでも行ける究極のGクラス「G550 4×4 2」に試乗/後編

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210km/hでアウトバーンもカッ飛べる!

 

 運転席によじ登り、ドライバーズシートに収まってみる。目の前に広がるのは見慣れたGクラスのインパネなのだが、いつもと違うのは明らかに視点が高すぎること。まるで中型トラックにでも乗っているかのようなのだが、これもテンションが上がるポイントのひとつ。大人になっても少年は高いところが大好きなのだ。

 

 最初は街中をおっかなびっくり走らせていたが、そのうちさほど気を遣わずに運転している自分に気がつく。図体の割にホイールベースが短いから意外に小回りがきくし、日本市場専用に誂えたという360度カメラシステムやコーナーセンサーが、狭い場所でのとりまわしを格段に楽にしているようだ。

 

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 だが……モンスターを侮ってはイケナイ。最近の肉食系SUVよろしくアクセル全開、ギューッとブレーキングしてコーナーに進入、ステアリングを切り込んで……なんて運転をしていたら3510万円が一瞬にしてスクラップだろう。車重およそ3トンにしては十分にパワフルで速いし、ドリルドディスクを持つブレーキも恐ろしいほどよく効くのだが、そもそもコイツはSUV(スポーツ ユーティリティ ヴィークル)なんて生やさしいもんじゃない。オフロードが生息地のクロスカントリー ヴィークルなのだ。

 

 だからフル加速しようものならまっすぐナナメに進んでいくし(笑)、コーナリング中に右足をちょっとでも動かそうものならそれだけで進路が右へ左へと乱される。乗り心地も巨大で重いタイヤのせいでどうしてもバタバタしがちだ。

 

 それでも試乗を終える頃には「よくぞここまで調教した!」という思いが込み上げてきた。だってこの4×4 2、いわば軍用車に4.0リッターV8ツインターボをブチ込み、アウトバーンを最高210km/hでかっ飛べるように仕立てたものなのだ(G63 AMG 6×6は160km/h)。こう考えればちゃんと現代レベルのコーナリングスピードで曲がってくれるのは奇跡に近いし、クロカン車だと思えば乗り心地も悪くない。このあたりは1輪につきショックアブソーバを2本奢り、そのうち1本を電子制御の減衰力可変式にしたことが功を奏しているのだろう。このメカではスポーツモードとコンフォートモードが切り替えられるのだが、コンフォートモードではサスペンションがよりストロークするようになるため、オフロードでの接地性までがアップ。結果として悪路走破性が高まる……という副産物までもたらしているのだ。

 

 今回は短時間の試乗だったので本来の性能が発揮できるようなステージには繰り出せなかったが、それでもアクセルを踏むたび、ステアリングを切るたび、降りてクルマを眺めるたび、とにかく終始ニンマリしっぱなしだったのは事実。些末なネガなど本当に笑い飛ばしてしまえるほど、強く惹きつけられてしまうのである。

 

 価格は3510万円。アジアでは日本だけで販売され、オーダー期間は2016年5月31日までと決められている。お金持ちのみなさん、迷っている時間はありませんよ!

 

スペックや価格など、より詳しい情報はこちら

http://www.mercedes-benz.co.jp

 

メルセデス・ベンツG550 4×4 2(フォー・バイ・フォー スクエアード)

 

東京標準現金価格 ¥35,100,000
全長/全幅/全高 4520/2100/2240㎜
ホイールベース 2850㎜
車両重量 2950㎏
エンジン型式/種類 M176/V8DOHC32V+ツインターボ
総排気量 3982
最高出力  421ps(310kW)/5250-5500rpm
最大トルク 610Nm/2000-4750rpm
トランスミッション 7速AT
燃費(JC08) -㎞/L
サスペンション形式 前:リジッド/コイル
後:リジッド/コイル
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク

後:ディスク
タイヤ 前:325/55R22 後:325/55R22

 

 

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