対車両地雷に耐えられるのはコイツだけ
ウインターテストされるGクラスベースのLAPV(軽装甲車両)がスクープされた。GクラスのLAPVは2010年のユーロサトリ(軍用およびセキュリティ関連の見本市)でお披露目されて以来、次第に各国で採用が進んでいる。Gクラスは最近軍用車としてシェアを拡大中なのだ。LAPVとは軽機銃弾や埋設対車両地雷に耐える軽装甲を備える車両のこと。紛争地での国際機関や軍事コントラクターの必需品であり、近年需要が増している。一般に軍用車は排ガス対応が遅いペースなので、このニューモデルはおそらく先進国市場向けのクリーンスペックのエンジン開発テスト用か。
サスペンションはコイルリジッド式で標準のGクラスとはコントロールアームのレイアウトが異なる。またサスペンションユニットはコイルオーバー式ショックアブソーバを各輪に2基備える。これはAMG G63 6×6でも使われた手法で、バネ下も車重も重いLAPVに優れた操縦安定性を与える決め手だ。また地上高を稼げるポータルアクスルを採用しており、走破性は非常に高い。
キャビン下には爆風をそらす船底型ベリーパン(アンダーガード)が、エンジンルーム周りには低速あるいは停止時にも安定した冷却をするためにエアアウトレットが設けられている。なおこのクルマに装着されている37×12.5R18サイズ相当のウインタータイヤは珍しいが、ホイールは小型軍用車では標準的な8ラグのヘビー仕様で、中子式ランフラット&ビードロック機構を備える。マニア垂涎の新型車だが、当然個人向けには発売されないだろう。