トップグレードのT8はプラグインハイブリッド
新型ボルボS90は従来までのS80の後継を担う、ボルボの新しいフラッグシップサルーンである。ひと足先に登場した新型XC90(日本未導入)と同様に、同社の新世代プラットフォームである「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)」を採用している。
ボディのスリーサイズは全長4963mm、全幅1890mm、全高1443mmで、ホイールベースは2941mm。堂々たるサイズは新旗艦サルーンに相応しい。洗練されたイメージを強く発散する内外装のデザインは、新型XC90と同様に新世代モデルらしさを感じさせる。
インテリアで目を引くのが、ダッシュボード中央に配置された大型のモニター。ナビゲーションやオーディオ、エアコンをはじめ、多彩な機能の操作ができる。詳細は今後の情報を待たなければならないが、写真からはインターネット接続機能を持たせるなど、最新世代のインフォテイメントに仕上がっているようだ。
ボルボといえば安全性能で高い評価を受けているブランドだが、新型S90にも先進の安全技術が投入されている。半自動運転技術である「パイロットアシスト」は、自車が車線内を走行するよう自動的に操作されるもの。ただしこの機能は高速道路上で130km/h以下という条件が付く。一方、すでにおなじみとなった「シティセーフティ」は、さらに進化を遂げている。これまではクルマ、歩行者、自転車に対応していたが、新型S90ではさらに馬や鹿といった大型動物を昼夜問わずに検出する機能が盛り込まれている。
欧州仕様のモデルラインナップは、トップグレードの「T8 AWD」をトップに、「T6 AWD」、「D5」、「D4」の計4タイプが設定される。順に見ていこう。
T8 AWDはプラグインハイブリッド(PHV)。320ps(235kW)/400Nmを発する2リッター直4のツインチャージャー(ターボ+スーパージャージャー)に、88ps/240Nmの電気モーターを組み合わせる。システム出力/トルクは410ps(300kW)/640Nmを計上する。トランスミッションは8速AT。0→100km/h加速データや最高速度は未発表だが、52.6km/Lの燃費(欧州複合モード)や44g/kmのCO2排出量はPHVに相応しく、高い燃費・環境性能を実現しているといっていい。電気モーターのみでの走行可能距離は45kmである。
ガソリン仕様のT6 AWDにはT8と同スペックのエンジンを積み、こちらも8速ATを組み合わせる。性能としては、0→100km/h加速は5.8秒をマークし、13.7km/Lの燃費、169g/kmのCO2排出量が発表された。
D5(AWD仕様)には235ps(173kW)/480Nm仕様の2リッター直4ターボディーゼルを搭載し、8速ATを組み合わせる。0→100km/h加速は7.3秒で、最高速は230km/h。一方の燃費は19.6km/Lで、CO2排出量は133g/km。
FF仕様となるD4も2リッター直4ターボディーゼルを積むが、最高出力は190ps(140kW)、最大トルクは400Nmと、スペックが控えめとなる。0→100km/h加速は8.2秒、最高速は230km/h。燃費は24.4km/LでCO2排出量は109g/kmである。