コラボレーションによる新時代のラグジュアリーを提案「アバター・ゼロワンツー」

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BEV市場は中国で加速する一方、EUでは波乱の予感も……。

2023年9月にドイツ・ミュンヘンで行なわれたIAAモビリティ2023で、ワールドプレミアを果たした「アバター12(ワンツー)」。この気鋭モデルに世界700台限定のスペシャルバージョン、「アバター012(ゼロワンツー)」の登場が8月21日にアナウンスされた。この限定モデルは、全長5m、全幅2mのラグジュアリー4ドアクーペであるアバター12と、ディオール・オムのクリエイティブディレクターであり、フェンディ・ウィメンズのアートディレクターでもある、ファッションデザイナーのキム・ジョーンズ氏との豪華なコラボレーションモデルとなる。

アバター012のリキッドシルバーのボディカラーは、キム・ジョーンズ氏の邸宅の純粋で大胆な建築を反映したもの。キム・ジョーンズ氏がクルマとコラボするのは今回が初めて。

今年の5月に発表された、アバター11をベースにジバンシィのクリエイティブ・ディレクターであるマシューMウィリアムズが2023内外装を手掛けた「アバター011」に続く0シリーズの第2弾であるアバター012は、アバンギャルドなアートとオートクチュールファッションの融合により、伝統的なカーデザインの境界を打ち破るものだという。
キム・ジョーンズ氏は「デザインは私の家からインスピレーションを得たもので、私自身のライフスタイルを反映しています。アバター012は個人の声明であり、自己意識に共鳴したクルマです」とコメントしている。

キム・ジョーンズ氏のセンスが散りばめられたインテリアは、アイボリーホワイトとブラウンでコーディネート。氏の生活空間とファッションアイテムが反映されている。

アバターが想定する競合モデルは、テスラ・モデルSやメルセデス・ベンツEQE、BMWi5など。これらと勝負するには、同等に高品質であることと、ブランドイメージに独自性を感じさせることが重要。0シリーズはその一環と言え、現段階ではアバターのビジネスは中国市場が中心となり、ブランドアンバサダーには元女子テニスプレイヤーの李娜(リー・ナ)などを起用。しかし今後は市場が拡大するに従って人選も変化してくるだろう。

キム・ジョーンズ氏(左)とアバターのデザイントップ、ナダル・ファグヒーザデー氏(右)。アバター012は、ハイファッションとラグジュアリーカーを知り尽くした2人の共作。

また昨今は、EU諸国へのBEV展開には大きな障壁も発生している。欧州委員会は中国製BEVに対して追加関税率を示した特別関税措置の最終案を関係者へと開示。これによれば、中国でBEVを生産するEUメーカーも影響を受けることとなり、EU内でも波乱を予感させる事態となっている。またBEV市場の急激な縮小でORAやWEYをEU内で販売している長城汽車は、ミュンヘンに設置していた拠点を閉鎖することとなってしまった。
アバターがEU市場で存在感を示す日がやってくるのか、今後の展開に注視していきたい。

フォト=Avatr Technology ル・ボラン2024年11月号から転載

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