気づくのが遅れて急ブレーキをかけたり、前方の状況を把握するタイミングが遅くなって前方の障害物に突っ込んだり、無理にUターンしたり、急に止まったりするなど、さまざまなトラブル・事故やヒヤリハットが日々起きている交通社会。
このようなトラブル・事故やヒヤリハットが起きている理由の1つにスマートフォンの使用が挙げられることがあります。今回は、便利だからこそ気をつけたいスマートフォンのナビ機能に焦点を当て、どのような使い方をするのがよいのか考察します。
多くの人が使うようになったスマホナビ
Googleマップをはじめとするスマートフォンのナビゲーション機能は、最新の情報が自動的に反映されるだけでなく、クルマ・電車・徒歩とさまざまなルートでのナビゲーションに対応していることから、非常に便利なツールとして多くの人が利用しています。
また、このスマホのナビ機能をクルマで利用するために、クルマのディスプレイにナビ画面を映し出したり、ホルダーを使ってスマートフォン本体を固定したりしているのを目にすることも増えました。
多くの人が日常的に利用するようになったスマホナビは、便利である反面、使い方を間違えたりスマホナビの案内を過信したりすると、思わぬ事故やトラブルになることがあるため、使い方には注意しなければなりません。
スマホナビの落とし穴とは?
スマホのナビは、GPSを受信して位置情報をスマホの画面に表示させているため、通信が途切れる場所(トンネル内など)では位置情報が正しく表示されないことがあります。
また、通信が途切れたり位置情報をうまく受信できなかったりすると、現在地の反映や音声案内のタイミングが遅れたりすることもあります。
そのため、高速道路の出口を間違えたり、交差点を行き過ぎたりしたことがある方もいるのではないでしょうか。このような道間違えをすると、運転者は焦って動揺してしまい、正しい判断や冷静な判断ができなくなることがあります。
焦りや動揺など普段と違った心理状態になると、普段しないような行動をとってしまったり、操作ミスをしてしまったりすることがあるだけでなく、スマホのナビ通りに進まなければならないという強迫観念にかられてしまうこともあります。
まさに、これがスマホナビの落とし穴です。
ナビ通りに進まなければならないという焦りや動揺などによって、正しい判断や適切な運転操作ができなくなると、交通違反や交通事故を起こしてしまう可能性が高くなります。
また、スマホのナビを信用し、スマホナビがなければ目的地に辿り着けないと思ってしまい、何としてでもナビ通りに進まなければならないと思い込んでしまうと、スマホナビ依存の状態になり、危険な運転行動をしてしまう可能性が高くなります。
スマホナビに依存すると見落とす道路上のヒント
ここまで考察してきたように、スマホナビに依存すると、危険な運転行動や急な操作をしてしまうことがあります。
ただ、スマホナビを使うことが悪いということを伝えたいわけではありません。なぜなら、筆者もスマホナビを使い、さまざまな場所に行くためです。重要なのは、スマホナビだけを頼りにして運転することがよくないということです。
スマホナビに依存してしまうと、道路上にある標識や標示、目的地のヒントとなる看板などを見落としてしまいます。
せっかく道路上に方面を示す標識や目的地のヒントとなる看板があるのにもかかわらず、これらを見逃してナビ通りに進むことにとらわれることが危険ということなのです。
クルマを運転するときは、先の状況を把握し、前方の交通状況や流れなどから、起こりそうなことを予測しながら運転する必要があります。しかし、手元付近のスマホのナビ画面ばかり見ていると、前方の状況に気づくのが遅れ、急ブレーキになったり、ギリギリで回避したりすることが多くなります。
安全運転をするためにも、スマホナビに依存するのではなく、道路上の標識や標示にも目を向け、スマホナビの情報や音声案内を参考にしながら運転することが大切だといえるのではないでしょうか。