ミシュランが栃木県にあるGKNドライブインジャパンのテストコースで「ミシュラン・サステナブル試乗会2024」を開催した。今回試乗した4種類のタイヤに共通するのは「低燃費性」「長寿命」「摩耗のしにくさ」だ。
カテゴリーを問わず燃費の低減を目指している
持続可能なタイヤ性能の高水準化と汎用性の向上を目指しているミシュランは、サステナブル試乗会を実施した。いまや販売台数の半数を超える電動車の普及にともない、低燃費性、使い始めの性能が長持ちする、摩耗のしにくさ、静粛性が重視されている。しかも、いわゆるエコタイヤだけではなくすべてのカテゴリーについてもだ。
まずは、テスラ・モデル3にパイロットスポーツ5を装着してハンドリング路を走る。路面はウェットだが、ドライと変わらないハイグリップスポーツタイヤらしさを実感。ステアリングを切り始めた瞬間から応答性の正確さが確かめられ、モデル3ならでは鋭い操縦性をタイヤが際立たせている。
ステアリングを切り込む過程ではトレッド剛性の高さが伝わってくるが、タイヤの構造としては路面と密着することを目指してきただけに突っ張った印象はない。その感覚を頼りにコーナリング速度を上げてみたが、グリップ限界を超えることはなかった。
そのため、パイロットスポーツ5はタイヤのラベリングにおいてウェットグリップ性能が4段階最高のAにランク。また、ドライグリップ性能の高さは別の機会に体感済みだが転がり抵抗性能は1サイズを除き5段階で中位のAにランク。ハイグリップスポーツタイヤとしては、かなり優れている。
続いて、日産エクストレイルにプライマシーSUV+を装着しウェットのハンドリング路を走る。印象的だったのは、舵の奥行きが深いこと。コーナー脱出時にアクセルを踏み始めた際に外側にラインを外しそうになっても、ステアリングを切り増せば対応可能。滑りやすい路面でステアリングに頼った走りができるので、安心感が高い。快適な乗り心地と優れた静粛性を実現する、プレミアムコンフォートタイヤにも位置付けられる。
eプライマシーは、ミシュラン史上最高の低燃費性能を誇るプレミアムコンフォートタイヤだ。ところが、エコタイヤのような頼りなさは感じない。むしろ、レクサスLBXに装着したところウェットのハンドリング路ではスポーティな操縦性が確かめられた。ステアリングに与える舵角に対して正確な応答性を示し、切れば切るほどグイグイ曲がるように思える。
メルセデス・ベンツAクラスにも装着し、ウェットの周回路を走行。素早いレーンチェンジを試したところ、狙った通りの走行ラインを少しも外すことなくトレース。直進状態に戻る際には、タイヤが自律的に挙動を収束させているような感覚さえ覚える。しかも、このタイヤは転がり抵抗性能で5段階最高のAAAにランクされる。
最後は、レクサスRXにパイロットスポーツ4SUVを装着して周回路を走行。突起通過でも衝撃をしなやかに吸収し、快適な乗り心地を実現。ウェットでも優れた安定性を得ていた。ちなみに、転がり抵抗性能は5段階で中位のAグレードだ。
MICHELIN PRIMACY SUV+
MICHELIN e•PRIMACY
MICHELIN PILOT SPORT 4 SUV
問い合わせ先=日本ミシュランタイヤ TEL0276-25-4411