免許が停止されるのは違反の点数の累積だけではないんです! 法律に定められている免停の条件とは?

クルマやバイクなどを運転する際に必要となる運転免許は、交通違反や交通事故などによって点数が累積すると、一時的に効力が失われたり、免許を取り消されたりします。この免許停止や取り消しは、点数の累積の他にも、一定の条件に該当すると対象になることをご存知でしょうか?今回は、「免許停止」の条件について解説します。

運転免許の停止とは?

運転免許の停止(いわゆる免停)とは、運転免許の効力が停止されることです。そのため、免許の効力が停止されているときにクルマやバイクなどを運転することはできません。

一般的に「免許停止」と聞くと、交通違反をして点数を累積させてしまったり、何らかの理由によって停止させられたりしているというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、運転免許が停止される理由は、事故や違反だけではありません。

では、点数の累積以外で免許が停止させられる場合とは、どのようなときなのでしょうか。

運転免許が停止される点数以外の条件とは?

免許の停止や取り消しについて、道路交通法では次のように定められています。

【道路交通法 第103条「免許の取消し、停止等」】
免許(仮免許を除く)を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなった時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、または6ヶ月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。ただし、第5号に該当する者が第102条の2の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ、することができない。

1.次に掲げる病気にかかっている者であることが判明したとき
イ.幻覚の症状を伴う精神病であって政令で定めるもの
ロ.発作により意識障害または運動障害をもたらす病気であって政令で定めるもの
ハ.イおよびロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
1-2.認知症であることが判明したとき
2.目が見えないこと、その他自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある身体の障害として政令で定めるものが生じている者であることが判明したとき
3.アルコール、麻薬、大麻、あへんまたは覚醒剤の中毒者であることが判明したとき
4.第6項の規定による命令に違反したとき
5.自動車等の運転に関し、この法律もしくはこの法律に基づく命令の規定またはこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(次項第1号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く)
6.重大違反唆(そそのか)し等をしたとき
7.道路外致死傷をしたとき(第103条第2項第5号に該当する場合を除く)
8.前各号に掲げるもののほか、免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき

つまり、運転に必要な「認知」「予測」「判断」「操作」に影響する事柄が発生したとき、体調の変化が起きたとき、交通の危険を生じさせたときなどは、公安委員会が免許停止処分することができるということです。

体調の変化や運転に不安があるときは公安委員会に相談しましょう

法律で定められている免許停止の条件に該当している場合は、速やかに運転を中止しましょう。もし、このまま運転を続けていいのかわからない場合や判断に悩んだ場合は、公安委員会に相談することをおすすめします。

都道府県警察では、自動車などの安全な運転に支障のある方が、担当の職員(看護師などの医療系専門職員をはじめとする専門知識の豊富な職員)に相談できる窓口を設けています。

また、電話でも相談できるように全国統一の専用相談ダイヤル「#8080」(安全運転相談ダイヤルに電話をすると発信場所を管轄する都道府県警察の安全運転相談窓口につながる)も開設しているため、自宅や出先から相談することも可能です。

今回、解説してきた運転免許停止条件に該当するかもしれないと思ったときは、交通事故を起こして取り返しがつかないことになる前に、公安委員会の窓口に出向いたり、電話で相談したりするとよいでしょう。

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