選ばれしランボルギーニオーナーのみが参加できるツーリングプログラム、「Lamborghini ESPERIENZA GIRO」。透き通る海と豊かな自然に囲まれた沖縄を舞台に、2024年4月24日〜26日にかけて総走行距離約300kmを走りぬけたイベントの模様をリポートしよう。
ドライブもディナーも最上級のホスピタリティ
ランボルギーニオーナーのみが参加できるエクスクルーシブなツーリングプログラム、ESPERIENZA GIRO。「GIRO」はイタリア語で周遊を意味し、マイ・ランボルギーニとともに特別な「ESPERIENZA(体験)」を仲間たちと共有する旅である。イタリア、アメリカ、中国、インドなどで開催され、日本は今年で7回目。昨年は鈴鹿サーキットから京都/奈良の古都を巡る奥ゆかしい旅であったが、今年はテーマを一新。沖縄を舞台に、瀬底島や古宇利島などの島々をホッピングしながら駆けぬける、冒険心を掻き立てるエモーショナルなドライビングステージが用意された。
GIROに参加できるのは、ランボルギーニ正規ディーラーのロイヤルカスタマーで、その中でもブランドへの愛着やNEWモデルへの関心がひと際高い特別なオーナーの方々。スタート&ゴールの琉球ホテル&リゾートには、事前に船便で輸送された約20台のランボルギーニが並び、ウラカン・ステラートからLP400などの新旧スーパースポーツやウルスなど、多様なランボルギーニがスタンバイしていた。
今回、私は他のメディア関係者と共に、ランボルギーニジャパンが用意したウラカンSTO/テクニカ、ウルスS/ペルフォルマンテの4台をローテーションしながらツアーに同行して、GIROを体験することとなった。
スタート地点で数人のオーナーの方と談笑させていただいたが、ひと言で表現するならば、皆、紳士淑女なカーガイ(性別問わず)。スタート前の余興で一斉にエンジンを吹かす場面もあったが、アクセルペダルの踏み込み方や鎮まり方がまさにそれを物語っていた。
記念撮影の後、青い空と白い雲の下、GIROの旗を振るホテルスタッフに見送られながら3日間に渡り開催されるGIRO JAPAN2024の幕が開けられた。
私は初日、ウラカンSTOのステアリング握り最後尾を走ることとなったが、もちろん沖縄の公道にランボルギーニが走ることは類稀なこと。ましてや、列をなして走るとなれば、隣の車線を走るクルマだけでなく、信号待ちをする人々からの熱視線を浴びることとなる。しかし、その視線は決して奇異の目ではなく、学校帰りの小学生からJDM仕様の日本車に乗ったYナンバーの方まで、満面の笑顔で手を振ってきてくれる。猛牛隊列への心温まる歓迎は、旅の余韻として私を含めた多くの参加者の心に残ったはずだ。
約130kmを走り終えた後の初日のディナーは、琉球ホテル&リゾートにて沖縄のあぐー豚や島野菜などを使用した創作イタリアンが振る舞われた。余興として琉球舞踊やエイサー太鼓によるダイナミックでエモーショナルなパフォーマンスが披露されたが、これはランボルギーニのクルマ作りに対する情感を表現しているのではないか……と思い做して観ていたが、クライマックスでレヴエルトの日本デリバリー第一号車が登場したことから推察すると、決して的外れではないだろう。素晴らしい余興と演出は、ブランドへの陶酔をいっそう深めてくれた。
ランボルギーニの旅に終わりはない
2日目は本部(もとぶ)半島まで北上。瀬底島や古宇利島などの離島をアイランドホッピングするドライブステージが用意されたが、エメラルドグリーンの海に掛かる長橋や新緑に囲まれたドライブウェイは実に爽快で、このプログラムが旅のハイライト。この日は、ウラカン・テクニカとウルスSに乗り込んだが、幸運にもテクニカでは沖縄自動車道を走ることが叶った。自然吸気V10エンジンは昨今の電動ユニットでは味わえないパワーカーブを感じ取れ、言わずもがな咆哮は官能的。まもなく役目を終えるV10を満足行くまで味わうことができた。
ウルスも次世代PHEV仕様の「SE」が発表されたばかりだが、今回のSも高いグランドツーリング性は健在。ワインディング路でもあざやかな身のこなしで、ランボルギーニの万能選手であることを再確認させてくれた。
この日のディナーは、ザ・リッツ・カールトン沖縄内のレストラン「グスク」の料理長が腕を振るい、本イベントのために考案したオリジナルコース。そして、フィナーレにはGIRO JAPAN参加者のために花火が盛大に打ち上げられ、ツアー最後の夜は感動と歓声の中、締めくくられた。
最終日は天候により一部の行程が変更されたが、出発前に解散式を実施。同社のヘッド・オブ・ジャパンであるダビデ・スフレコラ氏は「私たちはこれからもランボルギーニの素晴らしさをより多くの皆様に体感いただき、走る歓び、そして楽しんでもらえる機会を提供し続けて参ります」と宣言。
ランボルギーニは夢と憧れの対象である。GIROとはそれをカタチにした旅であり、しかし夢を叶えられた人には、また別の夢が待っている。そう、ランボルギーニの旅に終わりはないのだ。