ハッチバックとクロスオーバーの間を埋めるモデル
NINIは現在、ブランド初となるクロスオーバーEV『エースマン』を開発中だが、そのプロトタイプのスクープに成功、コンセプトと量産型の違いも見えてきた。
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エースマンは、『ハッチバック』新型とSUV『クロスオーバー』(海外名:カントリーマン)の間を埋めるコンパクトEVクロスオーバーで、2014年登場の『MINI COOPER 5 DOOR』以来10年振りの新モデル名の誕生となる。
米国を除く多くの国で発売される同モデルは、BMWと中国パートナーの長城汽車が開発したミニのスポットライト・プラットフォームを使用、これまでで最大のミニへと、大幅に成長した第3世代クロスオーバーの後に登場するため、ラインナップにさらにギャップが生まれることが予想される。
エースマンは、MINI初のピュアEVモデルであり、電気自動車としてのみ発売されるが、対照的に新しいクロスオーバーは、ICEまたは電動パワートレインの選択肢を提供、新しいミニクーパーハッチはEVだが、内燃機関モデルや5ドアも開発中だ。
ドイツのミュンヘン近郊で撮影されたプロトタイプは、フロントランプ、テールランプ、バンパーの周りにプラスチックの外装が削がれ、これまででもっともディテールが見えている。
2023年11月のプロトタイプと、量産仕様比較すると、丸みを帯びたフロントエンドを採用、ヘッドライトのアウトラインも、よりラウンドしている。また下部インテークは拡大され、内部パターンも変更されているほか上部は完全にクローズされている。
後部では、リフレクターの位置こそ同じだが、LEDテールライトは拡大され、スキッドプレートは削除されている。もちろんこれは試作車のため、最終デザインは確定ではないが、量産型では大きくデザインが刷新される可能性を示唆している。
市販型では、ミニクーパーハッチバックと同じバッテリーとシングルモーターの前輪駆動セットアップが搭載されることも期待されている。これは、40kWhバッテリーを搭載した基本モデルで 、最高出力184psを発揮、54kWhパックを搭載したより高性能のグレードでは最高出力224psを発揮することを意味している。
キャビ内では、円形OLEDインフォテインメントタッチスクリーン、ヘッドアップディスプレイ、そして現代的な素材とクラシックなMINIスタイルの特徴を融合させた独特のインテリアデザインも採用される。
エースマンは、新型EVクーパーハッチバックとともに2025年に中国で生産を開始し、同年に欧州に輸出される予定で、2026年までに英国にあるミニのオックスフォード工場で両方のモデルの生産が開始される。しかし、米国に輸入される中国製車に対する関税のせいで、ハッチが2026年モデル年まで米国に導入されないため、米国向けのエースマンも遅れると想定するのが自然であり、2027年モデルまで待つことになるだろう。