ユニークなカーボン・ファイバー製モノコック・シャシーはわずか1,520kg! 強化されたエクステリアデザインでさらに存在感のある外観に
マクラーレンは新モデル「McLaren GTS」を発表した。GTSはGTの後継モデルとして、マクラーレンのスーパーカー・ラインアップに加わる。超軽量のGTSは、マクラーレンならではの卓越したドライビング・ダイナミクスとドライビング・プレジャーを約束する一台となる。快適な乗り心地、洗練性、ラゲッジスペースを望むドライバーに満足してもらえるよう、日常的なドライブや長旅にも適した設計となっている。
「GTSは、マクラーレンならではのドライビング・ダイナミクスとパフォーマンスに加え、洗練性と実用性を高次元で融合させています。真のドライビング・エクスペリエンスをお愉しみになりたいときには、GTSがそれを叶えます。また週末の旅行など、リラックスした長距離ドライブを愉しみたいときにも、GTSが理想的なパートナーとなることでしょう。マクラーレンのレーシングDNAに忠実でありながらも、いつくもの能力を兼ね備えたモデル、それがMcLaren GTSなのです」と、マクラーレン・オートモーティブCEOのマイケル・ライターズ氏は話す。
【写真11枚】特徴的な”ハンマーヘッド”のフロント・バンパーのスタイリングも刷新
美しく機能的なデザインに加え、クラストップのパワーウェイトレシオや、それを支えるユニークなモノコック・シャシー中心の軽量なカーボン・ファイバー製ストラクチャー、卓越したドライビング・ダイナミクスといったマクラーレンの核となる魅力はそのままに、新しいGTSは一層力強いビジュアルとなり、エクステリアおよびインテリアの仕様に関しても選択肢がさらに増えた。
GTが誇るエクステリアのエレガントなラインは、エアロダイナミクス・パッケージやシルエットのベースとして引き継ぎつつも、GTSはさらに主張の強いデザインとなっている。特徴的な「ハンマーヘッド」のフロント・バンパーのスタイリングも刷新され、エア・インテークも新しいフォルムに変更に。インテークの幅が拡大したことで、ラジエーターに送り込む空気の量も増大している。
フロント・インテークのエア・ブレードは、オプションで光沢仕上げのグロス・ビジュアル・カーボン・ファイバーへ変更も可能。マクラーレンのレーシングDNAを表現した、より一層アグレッシブなルックスにすることもできる。リア・フェンダーにおいては、車両の肩にあたる部分のエア・スクープが新たに採用された。
こちらもグロス・ビジュアル・カーボン・ファイバーを選択可能。リデザインされたフロントエンド同様に、リア・フェンダーも強化され、より多くの気流が4.0リッターのツインターボV8エンジンに供給される。巨大なリア・ディフューザーとデュアル・エグゾーストもGTSの力強いビジュアルとフォルムに貢献。後者は、迫力のスーパーカー・サウンドを楽しめるオプション・パッケージ、「スポーツ・エグゾースト」システムの一部でもある。
標準仕様ではミラー・キャップ、ウィンドウ・サラウンドはグロスブラック仕上げで、落ち着いた外観となった。
新しいGTSでは、「ステルス・バッジ・パック」オプションを選択することで、新たなサイド・バッジを含むGTSバッジを黒で仕上げることもできる。ビジュアル・カーボン・ファイバーのオプションにはアンダーボディのカーボン・パックもあり、これにはフロント・スプリッター、サイドスカート、リア・バンパー下部、ディフューザーが含まれる。
またフロントのエア・インテーク・ブレード、リア・フェンダーのエア・インテーク、ミラー・キャップといったエクステリアのディテールにも、カーボン・ファイバー仕上げを選択できる。
GTSを支えるのは、カーボン・ファイバー製モノコック・シャシーの「モノセルII-T」で、ミッド・エンジンのマクラーレン・スーパーカーに求められる強度、超軽量構造、剛性を誇る。標準のコンポジット製ルーフは、再生カーボン・ファイバー製だ。
これを含め、GTSの構造部には多くの軽量化ソリューションが施され、パフォーマンスとダイナミクスの最適化に貢献。こうした選択は、軽量スーパーカーならではの刺激的なドライビング・エクスペリエンスを実現しつつ、乗り心地を損うことなく、不要なノイズ、ハーシュネス、振動を排除する上で役立っている。
GTSは、クラス最軽量のDIN重量わずか1,520kgで、パワーウェイトレシオはセグメントトップの418PS/tを誇る。4.0L M840TE型V8ツインターボ・エンジンの最高出力は、7,500rpmで635PSに引き上げられた。15PSの向上をもたらしたクランクシャフトのトルク増大は、よりアグレッシブな燃焼行程と点火タイミングの改良で可能となった。
GTSはローンチコントロール機能を標準で装備し、これを稼動させるとGTSは0-100km/h(0-62mph)加速わずか3.2秒、0-200km/h(0-124mph)加速8.9秒で達成。GTSの最高速度は326km/h(203mph)だ。
GTSには7速SSGトランスミッションを搭載し、始動時のデフォルトであるコンフォート・モードでは、滑らかでシームレスかつ素早い変速が可能で、リラックスしながら軽快な加速を実現。これ以外に、ドライバーがスーパーカー・エクスペリエンスを強化できるドライビング・モードとして、スポーツとトラックの2つがあり、アクティブ・ダイナミクス・パネルで選択できる。
スポーツ・モードはドラマチックな緊迫感を高め、瞬間的なイグニッションカット技術によって、一層速くアグレッシブな変速を実現。トラック・モードはこれをさらに一段階高め、ギアボックスのパフォーマンスを最大化しつつ、シフト間のトルク・ロスを最小限に抑える。どのドライビング・モードでも、ステアリング・ホイールに装着するシフトパドルを使って、マニュアルでのギアチェンジが可能だ。
電動油圧式ステアリングシステムのチューニングや、プロアクティブ・ダンピング・コントロール搭載のアダプティブ・ダンピングを標準装備するサスペンション、強力なカーボン・セラミック・ブレーキシステムは、すべてGTS固有のもの。
こうしたファクターによって、ミッドマウントV8エンジンの搭載位置や、本物のスーパーカー・ドライビング・エクスペリエンスを実現する軽量構造が最適化された。最優先はバランスとアジリティですが、快適性と乗り心地も損なわれることがない。
GTSのステアリングは、競合モデルには類のないレベルのフィードバックとフィールを実現。高速走行時に超精密かつ正確なだけでなく、低速走行時には自動でアシストレベルを引き上げるので、たとえば駐車場や縦列駐車といった低速での取り回しが容易になる。
GTSのブレーキディスクはフロントが390mm、リアが380mmで、すべてカーボン・セラミック製。ブレーキシステムには、6ピストンの軽量なアルミニウム製キャリパー(リアは4ピストン)を備え、驚異的なフィールとパフォーマンスを実現。100km/h(62mph)からわずか32mで停止する制動力を誇る。
GTSは、都心部の環境でも快適な走行が可能だ。前方の視界も良好で、また広々としたガラスのテールゲートや、ガラス張りのCピラー、大型のリア・クォーターウィンドウにより、後方視界もとても良好だ。アンダーボディのグランドクリアランスは、車両リフト機能によって110mmから130mmに拡大可能。GTSの車両リフトシステムはGTのシステムから強化され、わずか4秒でノーズを昇降でき、2倍以上のスピードアップを果たした。
リアのカーボン・ファイバー製アッパー・ストラクチャーをモノコック・シャシーに組み込む設計によって、パッセンジャー・セルの後方には、利便性の高い広々としたラゲッジスペースが生まれた。カーゴエリアの容量は420Lで、これにアクセスできる全面ガラス張りのテールゲートは、前方ヒンジの電動式で、ソフトクローズ機能を搭載。
ラゲッジスペースとして、ノーズにも150Lの収納スペースが設けられています。荷室容量は合計570Lとなるため、マクラーレンGTSは、現在販売されているモデルの中で最も実用的なスーパーカーといえる。
従来の実用性に加えて、GTSのインテリアは、このモデルが誇るパフォーマンス・レベルと洗練されたラグジュアリーな空間を融合したデザインになっている。長距離ドライブでも快適にすごせるキャビンであると同時に、驚くべきダイナミック・パフォーマンスをドライバーが最大限に活用できるのだ。
洗練された上質なキャビンは、パフォーマンスとラグジュアリーを感じさせるよう、厳選された素材が組み合わされた。インテリアを彩るのは、精密な研磨加工やローレット加工を施したアルミニウム製のスイッチやコントロール。その中には、ステアリング・ホイールのシフトパドルや、グロスブラックのインフォテインメント・スクリーン・サラウンド、センター・コンソールのギア・セレクター、エア・ベント、ウィンドウ・スイッチなどがある。
オプションのビジュアル・カーボン・ファイバー・パックには、サテンカーボン仕上げのステアリング・ホイール・クラスプと拡大シフトパドル、インテリアのサラウンドに加え、マクラーレンのロゴ入りシル・フィニッシャーが含まれる。
GTSの標準仕様では、コンフォート・シートはナッパ・レザーで、ステアリング・ホイールはレザーで仕上げられている。新しいインテリア・スキームの「パフォーマンス」と「テックラックス」は、デザインと素材が一新された。パフォーマンス仕様は、スポーティー、シャープ、そしてテクニカルな印象です。シートは、ソフトグレイン・アニリンレザーとAlcantaraで、色はジェットブラックかバローロ、コントラストカラーのパイピングが施される。
パフォーマンス仕様には、パワー・アジャスト・ヒーテッド・メモリー・コンフォート・シートも含まれる。一方、新たなテックラックス仕様では、クラシカルなエレガンスが際立つ、マクラーレンらしいモダンなアレンジが加味された。インテリアにはソフトグレイン・アニリンレザーがあしらわれ、シートには洗練されたカラーのハイライトと、新たに採用されたユニークなダブルパイピング・パターンが施される。
10.25インチのデジタル・インストゥルメント・ディスプレーを装備し、鮮明でシャープなグラフィックによって、車速、ギア、エンジン回転数といったドライビングに不可欠な情報を明瞭に表示。また標準装備のナビゲーションシステムも統合され、ターン・バイ・ターン方式で方向を示す。中央には、7インチの縦型タッチスクリーン式インフォテインメント・システムも搭載。10コア・プロセッサーによってシャープに素早く反応し、スマートフォンスタイルのメニューや入力方法により、操作も簡単だ。
HEREのナビゲーションマップとリアルタイムの交通情報が表示される衛星ナビゲーション、Bluetooth通話、メディア・ストリーミングに加え、DAB規格のデジタルラジオを標準で装備。12スピーカーで構成されるBowers & Wilkinsの高級オーディオ・システムを搭載し、オプションでカーボン・ファイバー製サブバス・ウーファーとケブラー製ミッドレンジ・ドライブユニットも搭載可能だ。
エクステリアのカラーパレットも刷新され、「マンティス・グリーン」「タンザナイト・ブルー」「アイス・ホワイト」が新たに加わった。また、発表時のカラーである「ラヴァ・グレー」はGTS専用の新色。このメタリックカラーには、光をとらえてきらめく赤いラメが配合されており、ほかのグレーとは一線を画す特徴的な効果を生み出す。
新たな追加としては、10スポークの「ターバイン」軽量鍛造アロイホイールがあり、シルバー、グロスブラック、ダイヤモンドカット加工グロスブラック、オルムから選択可能。GTSの標準仕様は10スポークの鍛造アロイホイールで、シルバー、グロスブラック、グロスブラック・ダイヤモンドカットのほか、専用の「タングステン」も選択可能。
GTSには標準で3年間、走行距離無制限の車両保証に加え、3年間の塗装保証ろ10年間の錆び穴保証が付帯。またGTSはマクラーレン延長保証の対象モデルだ。これは12か月か24か月の単位で購入でき、保証期間を最高12年間まで延長できる。また、マクラーレン・サービス・プランにより、3年間の定期点検が含まれる。GTSが加わり、マクラーレンのライナップは2024年とその先もさらに進化を続けていく。