圧倒的強さを誇ったあのマシーンの”ケガニ”仕様!プラッツ‐NuNu製プラモ「BMW M3」前編【モデルカーズ】

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2勝を挙げて年間ランキング2位を獲得

1986年に登場した初代BMW M3は、メルセデス・ベンツ190EからグループA・ディビジョン2の覇権を奪うために開発されたホモロゲーション・マシンである。

【画像42枚】キットを尊重しつつ実車に合わせて手を加えた細部と、その制作過程を見る!

二代目3シリーズ(E30)のコンパクトなボディを大胆にエアロアップし、M1の6気筒から2気筒を取り除いた2.3L DOHC 4気筒エンジンと、ゲトラク製5段MTで後輪を駆動するこのマシン、1987年のヨーロッパ選手権を圧倒的な強さで席巻し、190Eはおろかディビジョン1のフォード・シエラまで下して、総合チャンピオンの座についた。同年のインターTECに襲来したシュニッツァーM3の強烈な速さに衝撃を受けた全日本グループAクラス2は、翌1988年からM3のワンメイク状態と化したのである。

パステル・ブルーにイエローのロゴも鮮やかなカーナンバー29は、リクルートの技術系求人誌「B-ing」のスポンサードで、サザンオールスターズのパーカッショニスト、“ケガニ”こと野沢秀行氏が主宰する「ケガニレーシング」から、JTCCディビジョン2にエントリーし、日下部保雄と山内伸弥のコンビで1990年シーズンに2勝を挙げて、年間ランキング2位を獲得したマシンだ。エンジンが2.5リッターに拡大された1989年のM3スポーツ・エボリューションをベースにしており、ノーマルM3よりも拡大されたフロントエアダムやワイドなフロントフェンダー、フラップ付きリアウィングなどを装備している。

意外なカラーがボディ塗装にピッタリ!
作例に使用したキットは、特別にメーカーのご厚意で提供して頂いた未発売のサンプル品だ(注:このキットは2021年に発売された。作例は「モデルカーズ」誌298号に掲載されたもので、制作はキット発売直前の2020年)。プラ部品は、先にリリースされている同ブランドのオートテックM3と同一で、デカールのみ新規に起されている。

スポンサーロゴの配置や組み合わせはレースごとに異なるが、デカール図は付属していなかったので、最終戦インターTEC終了直後に「カーグラフィック」誌に掲載された試乗記事を参考に制作した。NuNuのM3は同車の決定版と言える内容で、プロポーションもディテールも非常によく出来ており、合わせ精度も高く作りやすい。

ただし、そのまま組むとタイヤがフェンダーアーチと干渉して過剰なキャンバー角がついてしまうので、ホイール裏を削って自然な角度に修正した。また、シュニッツァー製のオートテックM3に対してB-ingケガニM3はプロドライブ製で、キットのままだとロールケージやメーターパネル、エアジャッキなどの細部が異なるが、作例はそれらも実車に忠実に再現した。シートベルトと前後フードのキャッチピンには汎用のエッチングを使用して解像度を上げている。

特徴的なボディカラーは調合が難しそうな色だが、コトブキヤのフレームアームズ・ガール・カラーFG-13「スティレット装甲ブルー」がそのまま使える。塗料自体はガイアノーツ製なので、クリアーコートに使用したガイアカラーExクリアーとの相性も良好だ。デカールは非常に良質で発色は鮮やか、糊の強さも適度で貼り易く、クリアーコート耐性も充分。バブル期の国内ツーリングカーレースを語る上で欠かせない欠かせないマシン、1/24キットでぜひお楽しみいただきたい。

作例制作・文章=北澤志朗/フォト=服部佳洋 modelcars vol.298より再構成のうえ転載

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