当時のトヨタ2000GTのミニカーは、海外ブランドの方が、国産品よりクオリティが高かった!【丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー・ワールド】

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トヨタ2000GTの装備と作りはテクノ製ブランドの集大成と言えるほどの名作

今回は、当時のデンマーク製 テクノ(KiRK)No.934 トヨタ2000GTのご紹介です。

実車は1965年に試作車が発表され、1967年に我が国を代表し、世界にも通用する本格的スポーツカーとして正式発売されました。当時小学3年生だった私にとっても、その美しく低く魅力的なスタイルは正しく憧れのスーパーカー的存在であり、近所に新車当時から所有していた目黒通り沿いのタイヤショップがあり、良く実車を見に行ったことを覚えています。また、1980年代でも毎朝目黒通りを初老の紳士がパイプをくわえながら通勤に使用している淡いブルーメタリックのトヨタ2000GTの姿をよく見掛けた記憶も鮮明に覚えています。

話をテクノ製のミニカーに戻しますが、同社の乗用車のミニカーとしては、品番上、最後から2番目に製造されたテクノ・ブランド末期の作品です。ちなみにラスト品番のモデルは、No.935 ポルシェ911Sでした。今回ご紹介するトヨタ2000GTは、前期型の2000GTをモチーフにし、同社の金型にて製造販売されたKiRKブランドのミニカーです。箱は一部を除き、殆どが、テクノ・ブランドのラスト仕様のウィンドータイプの共通ボックスで販売されました。

この頃のテクノ製末期のミニカーは極短期間の製造で終わり、KiRKブランドに移ってしまったため、とても少数の生産であったと思われ、私はNo.934、935の2台に限り未だにテクノのロゴがシャシーに刻まれたミニカーを見たことがありません。最後から3番目の品番で製造されたNo.933オールズモビル・トロネードのテクノ版は、奇跡的に入手が叶いましたが……。

ところで、1967年にトヨタ2000GTの実車が発売された頃の標準スケールのミニカーは、国産モデルでは、モデルペットNo.36、ダイヤペットNo.162が製造販売されましたが、当時の国産ミニカーの出来栄えは残念ながら、外国製ミニカーの作りのクオリティの方が勝り、イタリア製MEBETOYS(メベトーイ) No.A-29トヨタ2000GTと今回ご紹介するデンマーク製テクノ製が双璧と良くコレクター間ではとり上げられます。どちらかと言えばテクノ製よりも純正ではないものの、リアルなホイールとフェンダーミラーを装備したメベトーイの方が、人気があり、プレミアムも高く取引されているようです。

しかし、私は、プラスチック製パーツを多用したメベトーイ製に対し、殆どのパーツをダイキャスト製パーツで組み上げたテクノ製の方が気に入っています。左右ドア、ボンネット、リアゲート開閉、ステアリング操舵機構、リクライニング機構付きシート、ヘッドライト及びテールランプはダイヤカットガラス、ラジエターグリルまでもダイキャスト製! 半開きのサイドウィンドー等のアクションを備えています。ダイキャスト製の立体的なエンジンとオイルパン部分、テールまで繋がったエグゾーストマフラーまで装着された部分の地面とのクリアランスを確保するためボデイに対しやや大きめのホイール(実車と関連性の無いデザインで、同社ポルシェ911Sと共通)&タイヤの装着がやや腰高になった部分が、唯一プロポーション上の欠点と思えるかも知れません。

しかし、上述のトヨタ2000GTの装備と作りは、正しくテクノ製ブランドの集大成と言えるほどの名作だと思います(ラスト品番のポルシェ911Sよりも)。尚、ボディカラーのバリエーションは今回ご紹介するシルバーメタリックの他、黄土色のカラーが存在します。最後にバリエーションかどうかは不明ですが、キャプトンタイプのマフラーエンドが最後の絞られた細いエンド部分が削られてカットされた仕様も所有しており、オリジナルなのか後年加工されたものなのかを調査中です……。

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