自ら設計したアメリカンスタイルのガレージ。シャッターを開けると広がる別世界。【ガレージライフ】

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自宅横の土地購入から始まった、ガレージ計画。自ら設計&自社施工で、優良コストバランスなアメリカンガレージが完成!

映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』。1985年にアメリカで7月に公開されたマイケル・J・フォックス主演で、名車「デロリアン」が出てくる有名な映画である。日本でも’85年12月に公開。多くの人がそのストーリーに魅了された。今回のガレージの主は’88年生まれ。小学生のときにTVショーで映画を見て、衝撃を受けたというのは映画に出てきた’50年代の時代背景の景色とクルマ、音楽だったという。

学校を卒業後、二級建築士の免許を取得。仕事をしながら一級建築士の免許を取得したSさんは結婚後、6年ほど前にガレージ付きの新居を建てた。ガレージに入れるマッスルカーが欲しいと夢見ていたが、購入のチャンスがなく中古車の2012年式「ダッジ・チャレンジャー」をしばらくドライブして過ごしていた。その後、自宅前の地続きの土地約70坪の土地の取得に成功。

コロナ禍もあって仕事がストップしてしまい、時間ができたこともあり、建築士・Sさんはそこに鉄骨造のガレージを設計することに。もちろん、アメリカが好きな夫妻にとっては最大限の広さをキープしつつ、コストとのバランスを考えてのことだった。

【写真14枚】映画で観た’50年代の景色とクルマ、音楽に夢中に! 

外装はガルバ二ウム鋼板を採用。内装は杉板を自分で貼って、塗装を施す。
鉄骨造にしたのは、奥様の実家が鉄工所ということもあり、材料の入手が簡単であったこと。そしてご主人の建築士という仕事を活かしていかにコストを調整して、最大限の大きさのガレージが建築できるかがテーマとなった。

ガレージのイメージは映画『フォードvsフェラーリ』のなかで登場した2シーン。マット・デイモン氏が部屋からガレージを眺めるシーンが脳裏を離れず、アンティークのドアを探すことからスタートし、ドアの雰囲気に合わせてアメリカン・ヴィンテージスタイルで仕上げることが決まったという。

しかし、映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』の中で出てきたクルマ、しかも主役ではなく脇役となったクルマが忘れられず、流線形ボディの「ビュイック」を探すことになる。すると地元のクルマ屋さん「トミザワモータース」に眠っている個体があるとの情報を入手。

すぐに見に行って状態を確認すると、フロントグリルこそ傷んでいたが、純正パーツがほぼ残った状態で屋根下に保管されていた個体を入手できることに。ボディカラーは当時の純正色テイラーブルーの艶消しペイント。1年かけてレストアをしてガレージに迎え入れた。

ガレージに使えるものを調達。コストを考えて、適材適所でアイテムを購入。
ガレージはドアのクラシカルなイメージから、アメリカン・ヴィンテージスタイルと決めたことで内装材には杉材を採用して、オイル系のグレーでDIYで塗装。アメリカン・フェンスを使って扉を作成したり、ヴィンテージサインを入手してディスプレイするなど約2年かけてガレージをコツコツと造り上げた。

水回りなどはないが、母屋が隣なので問題はなく現在の姿に仕上げている。現在は、ガレージに保管された「’53ビュイック・スペシャル」を眺めながら、好きなブルースのレコードをかけながら過ごす時間が好きだというSさん。将来は奥様が子育てが落ち着いたらアメリカン雑貨ショップができるようにと準備もしているそうだ。

建築家として自分のガレージを設計、2年の歳月をかけてコツコツと仕上げてきたガレージは、アメリカン雑貨に囲まれた大きなスペースが出来上がった。クルマを詰めてしまえば、乗用車が6台入るというスペースはご主人の’53ビュイック・スペシャルとハーレーなどのマシンが格納される。

「雑誌を参考にしながら、いろいろとガレージの造作をしましたがいい経験を得ることができました」とSさん。自営の兄との会社で設計をしながら、群馬県の友人たちにガレージの魅力を伝えていきたいと考えている。

◆PLANNING DATA
 施 主:Sさん
 場 所:群馬県
 敷地面積:約198平米
 ガレージ面積:108平米
 外装/内装仕上げ:ガルバ二ウム鋼板/杉板張り
 愛 車:‘53年式 ビュイック・スペシャル
     ‘80年式 ハーレー・ローライダー
     ベスパ  ほか

◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
 土地に合わせて最大限の広さで建築できたガレージは、現状クルマを入れてもスペースに余裕があるところはいいですね。
・ちょっと失敗したところは?
 特にありません
・次の夢はなんですか?
 地元のクルマが好きな仲間たちにInstagramを通じてガレージの魅力を伝えていきたいですね。
・読者へのアドバイスを!
 クルマやオートバイに対して適切な広さで建築したほうがいいですね。贅沢ですがちょっと広すぎたかもしれません。

Photo/Hiroyuki-KONDO(近藤浩之)  Text/Jun-ISHIHARA(石原 淳)

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