F1マシーンが公道を走ったっていいじゃないか!タミヤ製「フェラーリF50」をきっちりフィニッシュ・前編【モデルカーズ】

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快適性も重視?した創立50周年記念モデル

フェラーリF50は1995年に発表された。車名でも直截に示されている通り、フェラーリ社創立50周年を記念するモデルである。そのコンセプトは「公道を走るF1マシーン」というもので、文字通りF1マシーン用のV12エンジン(の排気量をアップしたもの)をモノコック後ろ側にボルト留めしたスーパースポーツカーであった。

【画像50枚】麗しい仕上がりとなったF50と、その制作工程を見る!

このF50の1/24スケール・プラモデルはタミヤからキット化されており(現在は絶版)、ここでお目にかけているのもこのキットを美しく仕上げた作品だ。これは自動車模型専門誌「モデルカーズ」213号(2014年)のフェラーリ特集にて掲載されたものだが、その作例制作、今回は特にボディ周りのフィッティングや塗装についてを中心に、作者・Ken-1氏のコメントをお読みいただこう。

「さて今回のF50、キットとしてはすでに発売から10年以上経ってる(注:誌面掲載時の2014年時点で)辺り、時代の流れを感じてしまう訳ですが、使い古された言葉なんですけど、やはりさすがのタミヤ・クオリティはすでに確立されており、最新のキットと比べても何の遜色もありません。なにより驚くべき事は、恐ろしく簡略化されたパーツ数でありながら極めて精密にディテールが再現されている事。パーツ数は少なくても、出来上がるとそれを感じさせない、細かなディテールを持った完成品を、誰の手でも仕上げられるように……。

タミヤの設計ポリシーが感じられるキットで、まさに制作者のスキルを問わないという意味で好キットかと思います。しかし、組みやすいキットというのが、よりキレイに精密に仕上げやすいキットかといえば、それはイコールじゃない訳で……。今回のF50はまさにその典型的なキットではないかと思います。普通に組む分には問題ないのですが、研ぎ出し、ディテールアップ、それらをふまえて考えると、途端に工程から上手く考えないといけなくなるんですね。

まず気にかかる点は、ボディのフィッティング。ガバッと開口するリアカウルと、選択式の二種のトッブ、これらの”合い”が非常にシビアです。さすがのタミヤもここは難しかったようで、残念ながらぴったりフィットという訳にはいきません。しかも工程上、先に接着してしまう訳にもいかず、仮組みの状態で入念に各パーツの擦り合わせをしなければなりません。特に選択式の両トップはけっこうなズレが生じてしまっていますので、しっかりと合わせましょう。

また、ハードトップの方はフロントウィンドウとのフィッティングが絡んできますのでそこも注意しましょう。……僕は気がつかず、完成後に修正するはめになりました。またリアカウル内側のパーティングラインですが、これは構造的に生じてしまうのは仕方無いのですが、なかなか目立ってしまうのでしっかり処理を。

しかし大きなリアウィング内側にがっしり入っているので磨きにくく往生するのですが、こういうところをしっかり処理すると、全体の印象がグッと上がるので侮れません。こういう箇所は、無理に一体パーツにするより、素直にウィング部分だけ別パーツにして仕上げやすくしても良かったのではないか、とも思うのですが……。

透明感のあるカラーを使用して瑞々しいボディカラーに
ボディカラーはソリッドレッドという事ですが、ただストレートに塗っても面白くないと思い、ひと工夫してみました。イメージとしては、どピーカンの下で見るあざやかなフェラーリレッド。F50はコンバーチブルでスパイダーな訳ですから太陽の下が似合いますからね(笑)。まず、ホワイトに少し蛍光オレンジを混ぜた物を下塗りに、そしてタミヤスプレーのブライトオレンジを移し替え、エアブラシで塗装。さらにその上から、ガイア・プレミアムレッドを上塗り。

プレミアムレッドは隠蔽力が無いカラーですので、下地との組み合わせで様々の表情を作り出す事が出来、仕上がりは一見ソリッドカラーなんですが、深みのある、なおかつクリアで瑞々しい色味となります。さらに下地の影響を残す事で、オレンジ味も感じさせる。自分がイメージした仕上がりとなりました」

こうした細やかな作業については、工作途中を写した画像のキャプションで詳細に説明しているので、そちらをお読みいただきたい。また、目玉であるエンジンやシャシー、そして全体の組み立てについては、追って公開する後編の記事でご紹介するので、そちらをお楽しみに。

作例制作=Ken-1/フォト=羽田 洋 modelcars vol.213より再構成のうえ転載

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