車重が重く車高が高いSUVでも性能をしっかり発揮
あのブリザックVRX3に今シーズン、新たにSUV対応サイズが拡充された。 北海道・旭川市周辺の公道で様々なSUVにVRX3を履いて走り比べてみた。ブリザックといえば、降雪地域である北海道と北東北主要都市で一般ユーザー装着率50.7%を誇る、日本を代表するスタッドレスタイヤである。
その中で、VRX3は2021年に登場したブリザックの最新モデル。特長は『ブリザック史上でダントツの氷上性能』、『摩耗ライフ向上とロングライフで経済性』、そして『効きが長持ちする安心感』という3点だ。
【画像47枚】ブリヂストンの最新スタッドレス「ブリザックVRX3」の雪上走行をチェック!
なかでも、ブリヂストンが一般ユーザー向けに行ったアンケート調査で、スタッドレスタイヤに対して最も重要視する性能とした氷上性能については、新しい手法を取り入れ性能が飛躍的にアップした。
具体的には、タイヤ表面の発砲ゴムで吸水力を進化させた。氷上ではタイヤと路面の間で”水の膜”が生まれ、この上でタイヤがすべるが、この水を発砲ゴムで吸い上げる。VRX2では発砲ゴムの断面の気泡に水を入れているが、VRX3では気泡までを楕円とする水路を作り毛細管現象で吸い上げている。
さらに、発砲ゴムの”効き持ち”を良くするため、発砲ゴムに混ぜていたゴム分子の間にあるオイルを、新素材のポリマーとしたことで、発砲ゴムの柔らかさが持続するようになった。
また、タイヤのパターンでも進化した。VRX2までは氷路面を”ひっかく”または”とらえる”という発想だったが、VRX3では”水を導いて”排水する設計を採用している。
こうしたVRX3の大きな進化は、乗用車向けで好評を博しており、今回はタイヤサイズを17インチから19インチまで拡げてSUVユーザー向けに発売することになったわけだ。
試乗車はアウディ「Q5」、メルセデスベンツ「GLC」、トヨタ「ハリアー」、そしてトヨタ「ヤリスクロス」の4台だ。気温は市街地でマイナス2~3度、また山岳地でマイナス7~8度で時折雪が降った。
結論から言えば、「それぞれのクルマが持つ、基本的な運動特性がはっきり分かった」と思う。アイス路面、圧雪路、雪が降った直後の路面など、どのようなシチュエーションでも、発進時のトラクション、ブレーキング、ステアリングの切り始めから旋回時、旋回中、旋回後半での加速時のそれぞれで、4台のクルマの持ち味が明確にわかるのだ。
つまり、乗用車より車重が重く、また車高が高いSUVでもVRX3の性能はしっかり発揮されていると言える。
また、より雪が深い路面やオフロード走行を重視する人向けとして、ブリヂストンはDM-V3を推奨している。
商品ページ https://tire.bridgestone.co.jp/blizzak/vrx3/