二代目CR-Xを小さなスーパーカーへと昇華
ホンダのライトウエイトスポーツの代表格として1983年に登場、美しく軽いボディにハイパフォーマンスなエンジンを搭載し、街中で、峠で、その魅力を遺憾なく発揮していた初代CR-Xは、1987年9月にモデルチェンジを行い、二代目へと進化した。「サイバー・スポーツ」をキャッチフレーズとしたことから、「サイバーCR-X」の通称で知られている。
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ほぼ同時にモデルチェンジされたシビックが先代同様にそのベースで、サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンとなり、運動性能も大幅にアップ。少しばかり大きくなったボディには、よりグラマラスな造形が与えられ、潔いほどに切り落とされたリアエンドと相まって、どこかイタリアのカロッツェリアの作品ではないかと思わせるほどの魅力を漂わせていた。後方視界を確保するためリアエンド上部をガラスとしたエクストラウィンドウが採用されたほか、ルーフをガラスとしたグラストップ仕様も用意されていたのが特徴である。
ホンダのワークス的チューナーである無限も、この二代目CR-Xを恰好の素材とした。下半身を全て作り直すことにより、このライトウエイトスポーツカーを、よりグラマラスな、いわば小さなスーパーカーへと昇華させたのである。そのエアロデザインはバラード・スポーツ時代のムーンクラフトではないようだが、こうして無限CR-X PRO.2は、30年近く経った今でもサイバー乗りの憧れの的となっているのである。
ボディ加工もさることながらホイールが重要!
さて、1/24スケールのプラモデルの話であるが、サイバーCR-Xのキットはフジミ製が唯一であり、作例もフジミ製CR-X Siをベースとした。フジミではこのモデルに関して、最近では「四輪独立アライメント調整機能」を盛り込んだバージョンをリリースしているが、過去には「インチアップ」や「峠」など、様々なシリーズで展開してきた。その中の「スーパーインチアップ」というシリーズ(ブレンボと17インチ・ホイールが付いてくる仕様)に、この無限エアロが付属するキットが存在していたのである。
しかしながら、前後バンパーはボディと一体成型のノーマルバンパーの上に無理やり被せるものであり、寸法、デザイン的にも本物のそれとは大きく異なる。さらにサイドステップは潔く省略されているといった具合であった。当時このキットを購入して、箱を開けたらガッカリしてしまったという方もいるのではないだろうか。今回の作例はこのキットを素材として、限りなく実物のPRO.2へ近づけてみた。
一体成型のノーマルバンパーは前後とも切り離し、キットの無限バンパーを縮小加工し取り付け。サイドステップはボディのドア下半分を切り離し、プラ板とパテで新規に作り直している。ホイールはアオシマの「Sパッケージ」プレリュードに付属していた無限MR-5。このホイールがなければこの制作は困難であった。タイヤはタミヤ無限CR-XのRE91を流用したが、時代背景からするとRE71を履かせたかったところ。車高はキットよりも落としたが、ホイール自体が所詮6J-OFF+38である。ツライチ・引っ張りとは程遠いサイズなので、時代感も考慮し大人しめに組んだ。その他、詳細は工程画像のキャプションを参考にして頂きたい。