これぞアメリカン・スポーツカーの極み!レベル製プラモのパーツ入れ替えで「1968年型コルベットL-88」を制作【モデルカーズ】

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レース用ユニットを載せた特別なコルベット

第二次大戦後、帰還兵たちがヨーロッパから持ち帰ってきたMGなどに触発されて生まれた、アメリカ唯一の量産スポーツカー、シボレー・コルベット。1953年型でのデビュー当初は外観だけが売りのような印象だったが、エンジンの変更やモデルチェンジを経て、スポーツカーの名に恥じない内容へと進化を遂げたのである。

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1968年型では2度目のモデルチェンジを行いグラマラスなボディを得た。コークボトルラインを基本とし、フェンダーが力強く盛り上がったこのスタイリングは、1965年発表のエクスペリメンタル・モデル、”マーコ・シャークⅡ”のモチーフを最大限活かしたものである。この3代目(C3)コルベットにおいて、アメリカ的なスポーツカー像が明確になったと言ってよいだろう。ボディ形式はTバー・ルーフのクーペ(リアウィンドウも着脱式)とコンバーチブルの2種。

エンジンは300hpの327-cid(5.4L)が標準で、オプションとして350p仕様の327も存在した。この350hp仕様のユニットは、L-79というコードネームで呼ばれる。これらスモールブロックに対してビッグブロックの427-cid(7L)も用意されており、こちらはL-36(390hp)、L-68(400hp)、L-71(435hp)、L-88(430hp)などがあった。このうちL-88は実質的にはレース用ユニットで、430hpという最高出力も実際には過小に公表された数字である。アルミ製のヘッドやハイリフトカム、4バレルキャブを具えた特別なユニットであり、搭載車にはラジオやヒーターは装備されなかった。なお、L-71にアルミ製ヘッドを装着したL-89というエンジンも存在する。

クーペのボディにコンバーチブルのパーツを組み合わせ
「アメリカ唯一のスポーツカー」だけに、コルベットはどの世代も人気が高く、この3代目もプラモ化の数は少なくない。C3初期の当時ものモデルとしては、AMTの1968年型が存在したが、これは「たった3枚のメーカー写真を元に設計された」という逸話もあるキットで、プロポーションはかなり実車とは異なる。AMTではのちに(1990年代)、1970年型クーペと1972年型コンバーチブルをリリースしており、こちらは初期C3のベストキットともいえる出来だ。当時プロモーショナルモデルを手掛けていたMPC製品については、先にお伝えした通り(下の「関連記事」を参照のこと)。

ここでお目にかけている作例は、制作当時入手しやすかったレベル製1/25スケールの1968年型コンバーチブル(キットNo.2544)と1969年型クーペ(2866)を使い、1968年型のクーペとして作ったものだ。クーペのボディをベースに、ボディ以外は1968年型のパーツをそっくり使用する。キットの新旧によってはエンジンフードの形状が異なる場合があるので、固有なタイプにする場合は注意が必要。今回使用した1969年型クーペにはL-88用のフードが入っているので問題はないが、元々このフードは旧1968年型L-88コンバーチブルのパーツで、本来クーペのキットにはバルジの低いタイプのフード(L-88以外の427用)が入っていた。

使用したキットのオリジナルは1988、1989年のMADE IN USA。この頃のモノグラム・タッチのレベル製品は、AMTに対抗して新製品のスケールを1/25に統一し、非常に出来が良かった。ボディの改造は3ヶ所、1968年型のみの特徴となる部分。まず、この年はStingrayの呼称はなかったから、ボディサイドのロゴを取り除く。次に、ドアオープナー主変は凹んだ形状に彫り込み、孔を開けてプッシュボタンを差し込む。そして、左右リアバンパーの下にバックランプを再現する。したがって、テールランプの内側はすべてクリアーレッドのままでよい。

エンジン、足周り、インテリアはとても組み立てやすく、特に問題はないだろう。残念なのはキットに付属するタイヤだ。1/24のものと共通なので、ホイールとともにオーバースケールになっている。できれば1/25にしたいところだ。作例ではAMTの1970年型コルベット(6218)のラリーホイールを流用し、タイヤもAMTの現行キットから70プロファイルの15インチに合うものを探した。オプションリストによると、タイヤのサイドストライプはレッドとホワイトがあるので、レッドをチョイス。サイドの凹みにタミヤのアクリルカラーを流し込んだ。なお、この年式ではホワイトレタータイヤは設定されていないようだ。

ボディカラーはTUXEDO BLACK(カラーコード900)、いわゆるピアノブラック。クレオスのC2ブラックで下塗りをしてから、C157スーパーブラックを重ね塗り、仕上げにスーパークリアーⅡを用いて研ぎだした。インテリアはレッド。下塗りをサーモンピンク(ベースホワイト+モンザレッド)で行った後、モンザレッドにブラックを少し混ぜて深みを出したものを、つや消しにして吹き付けてある。

エンジンに追加したパイピングはプラグコードのみ。L-88の多くは赤いコードを使用しているようだ。ダッシュボードやドアの内張りにも違いがあるから、1968年と1969年のパーツを間違えないようにする。L-88仕様にはラジオのモールドはないから、間違ってもアンテナは立てないように。エンジンフード横には「427 L-88」という文字がモールドされているが、本来は「427」のみ。モールドを全て削り取って「427」のデカールを貼った。車高は問題ないが、リアのトレッドはやや広めに修正している。

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.144より再構成のうえ転載

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