6月1日、レクサスから5代目となった新型ラグジュアリーSUVの「RX」が世界初公開された。日本での発売は2022年秋ごろを予定しているという。
レクサスブランドの「顔」が全面刷新
1998年の初代登場以来、約95の国と地域で累計約350万台を販売し、名実ともにレクサスの「顔」としてブランドを牽引してきたRX。今回のフルモデルチェンジに当たり、そのレクサスを象徴する「顔」である”スピンドルグリル”にも変更が加えられた。
先日発表されたレクサスRZで採用された「スピンドルボディ」をさらに進化。RZは電気自動車のためフロントグリルは不要、という理由から生まれたスピンドルボディだったが、RXではそこから以前のスピンドルグリルには戻らず、新たな方向を模索。結果としてボディからグリルまでがシームレスにつながり一体感のある造形が生まれたという。
プラットフォームにはGA-K改良プラットフォームを採用。軽量化と低床化により、重心高を従来型から15mm下げたほか、ホイールベースを60mm延長し、トレッドを前15mm、後45mmずつ拡幅することで、ヨー慣性モーメントを低減させるパッケージとなっている。
それによってエクステリア全体も低重心で踏ん張り感のあるスタイルとなったほか、空力面も改善されており、Cd値低減だけでなく、ブレーキの冷却性や高速走行時の安定性も高まっているという。
インテリアはレクサスのクルマづくりに根付いている人間中心の思想をさらに進化させた新たなコックピットデザインの考え方である「Tazuna Concept」に基づきデザインされている。
インパネからセンターコンソールのスイッチ類がまとまって配置され、、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、各種機能の制御が可能な空間を実現しているという。
パワートレインにはレクサス初となる新HEVシステムを採用。高トルクな2.4Lターボエンジンにモーターが組み合わされる。
リアには高出力モーター「eAxle」を搭載。効率的かつレスポンスのいい動力性能をもたらすために、エンジンとモーターの間にクラッチを配置することに加えて、6速ATはトルクコンバーターの代わりにクラッチを採用し、モーターとトランスミッションの間に配置。状況に応じて、エンジンとモーターの使い分け駆動力の応答遅れが少なく、加速の立ち上がりが早い、ダイレクト感ある走りを実現しているという。
さらにRZでも採用された四輪駆動力システム「DIRECT4」を搭載。車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて、前後輪の駆動力配分比を 100:0~20:80 の間で制御し、発進加速性、操縦安定性の向上、低燃費に貢献しているという。
これらのシステムを生かし、新型RXではよりクルマがもたらす楽しさ、歓びを追求した「F SPORT Performance」モデルが新たに設定される。新型RXのパワートレインラインナップは以下の通り
・RX 500h F SPORT Performance(2.4L-T HEV DIRECT4)
・RX 500h(2.4L-T HEV DIRECT4)
・RX 450h+(2.5L PHEV E-Four)
・RX 350h(2.5L HEV E-Four/FF)
・RX 350(2.4L-T AWD/FF)
レクサスが2019年に発表した電動化ビジョン「Lexus Electrified」に基づき、カーボンニュートラル社会実現に向けてPHEVモデルの導入も行われている。
【Specification】新型レクサスRX(日本仕様・プロトタイプ)
■全長×全幅×全高=4890×1920×1695mm
■ホイールベース=2850mm
■タイヤサイズ=19/21インチ
■ボディカラー=ソニックイリジウム
■インテリアカラー=ソリスホワイト
レクサス初のBEVモデル「RZ」も展示
4月に発表されたばかりのレクサス初のBEV専用モデル「RZ」も今回の発表会場内に展示されていた。RXのデザインアイデンティティの基礎となったスピンドルボディデザインや、飛行機の操縦桿ようなハンドルで注目される同車。こちらの展開も気になる所だ。