史上最大のドア大作戦!! Case2 木製パネルへの想い「日本ドアコーポレーション」【ガレージライフ】

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美しい仕上がりを持たせ、そして強いガレージドアを創る。すべては職人の手作業で仕上げられる

取材時は、これから納品するガレージドアの仕上げ工程の作業を行っていた。職人の手作業によって仕上げられていく。日本ドアコーポレーションのモノづくりに対する真摯な取り組みが伝わってくる感じがした。

ガレージまたは家の顔となるガレージドアの場合、やはりパネルスタイルで選ぶと言うオーナーは多い。さらにオーバードアの場合、巻き取りシャッタータイプに比べると、パネルの選択幅が広いのもポイントとなってくるだろう。

その中でも木製ドアは重厚な雰囲気かつ高い質感を持っており、ガレージにワンランク上の印象をもたらしてくれる。そんな木製ドアパネルにこだわりを持ったブランドが、北海道にある「日本ドアコーポレーション」、通称ニドコだ。

ニドコの木製ガレージドア造りでまず注目したいポイントは、防火設備認定を得たものがあるというところだ。今から20年以上前のこと、当時20分間炎で燃やし続ける試験を木製パネルでクリアするのは無理だといわれていたが、そういった意見をよそに、木製防火ドアの開発を開始した現会長。やはりパネルとパネルのつなぎ目や、高熱によってドアパネルが反り返ってできた隙間などから燃えてしまうなど、トライアンドエラーを繰り返したという。

「木材であってもパネルの厚みを引き上げていくことで燃えにくくなるのですが、その分普段の使用には必要以上にゴツイものになる。その分パネルにからむハードウェアを強化しなくてはいけない。スペースや下地補強などのコストも上がるし取付条件も厳しくなる。それではユーザーも喜んでもらえませんし、我々としては周囲から無理だと言われたとしても、ガレージドアのプロフェッショナルとして美しく納得のいくものを作りたかったのです」と、ニドコ代表取締役を務める髙柳さんは、木製防火ドアの開発を振り返って話す。

湾曲集成材を作り出す機械。なんと様々な機械の廃材で組み立てた手作りのものだそう。これ以外にも、ニドコでは自社で開発した様々な機械が使われている。経年によってどのように変化していくのかを見ているペイントの耐久テスト。冬季は厳しい寒さに見舞われて雪に覆われる、北海道という土地で作られているからこそ、耐久性のことは入念に考えている。

ドアパネルを作る際に出た端材を利用して作ったガレージ。ログ組みで建てられており、キット化すればDIYで施工することもできるだろう。オーバードアが設置されているのも魅力的。厳しい試験をクリアし、建築基準法に適合した防火設備となった「ウッディ」の防火パネルは、もちろん設計段階から熱の伝わり方などを計算することは大切なのだが、大きなポイントとなるのは、熱によって生じるパネルの反りを抑え込む要所要所の金属パーツ。そして、万が一隙間が発生してしまった際に、熱膨張することで隙間を塞ぐ熱膨張シール材だ。

ニドコは今でこそ千歳市に大きな工場を構えているが、もともとは札幌の小さい工場だった。木に関しては林産試験場の協力を得ながら知識を広げていったという。むしろ大工職人や建具メーカーなどに言い伝えられるような、木に対しての先入観的なものを持たなかったことが、様々な試行錯誤を繰り返しながらも、木製防火ドアを生み出すことができた最大のポイントといえるだろう。

鉄を加工し、要所に取り付けることで熱によって木材が反り返るのを抑え、さらに熱によって膨張するシールを用いることで、もしも隙間ができても炎が貫通しないようにしている。こうして開発された木製防火ドアは、遮炎性能を持つ防火設備EBと、準遮炎性能の防火設備ECの認定を得ることができた。木製ガレージドアにおいて乙種防火認定となったのは国内初のことであり、まさしく偉業を成し遂げたというべきことだ。

「やはり木製ガレージドアの質感は、スチールパネルのものとは違います。経年による風合いを楽しんでいただくのもいいですし、清掃や塗装などのメンテナンスを行っていただくことで、末永く付き合っていくことができます。木製ドアも防火タイプだけではありません。例えばレイズドタイプのパネルを作る際に、一般的なドアだとダボ加工によって接合していることが多いのですが、ニドコの場合はその部分をホゾ加工としていることで、その結果耐久性が向上しています。

そのほかにも木製パネルの中に断熱材を充填し、高い断熱性能を持たせたものなどがあります。スチールパネルのドアも取り扱っているのですが、木製ドアは色々な可能性を見つけてその部分を伸ばすというような付き合い方をしています」と髙柳さん。

現在のように金属と木材を上手く融合させた商品が生み出されたほか、ドアの価格にしてもできるだけ効率的に作り上げることでコスト以上の品質を心掛けていると話す。ニドコの工場内を見て回ったところ、湾曲集成材を作る機械やレーザーカッターなど、まだまだ木材への探求心は果てていないことが伝わってきた。木へこだわりを注ぎながら高いコストパフォーマンスを発揮する、ニドコではそんな温かみのあるガレージドアを作り続けている。

工場内にストックされているドアパネルの在庫。木製のパネルだけでなく、スチール製パネルも数多く取り揃えている。これをガレージの間口に合わせて加工をすることで、実際に取り付けるガレージドアとなってゆく。

現在はドイツのマランテック社のガレージドアオープナーをメインで採用しているニドコ。取材を行った前日は、ドイツ本社のスタッフが新製品の研修をしに訪れていた。ドアオープナーは他ブランドも取り入れてきたことがあるそうだが、作動性と品質、そして信頼性を考えた結果、マランテックを選んでいる。

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