迫力のラグジュアリーSUV!レベル製プラモ「キャデラック・エスカレード」をストック戻ししたらこうなった【モデルカーズ】

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レンジローバーのような生まれついての高級四駆ではなく、高級車あるいは高級スポーツカー・ブランドそのものが四駆のSUVを手掛けるようになって久しいが、その最も早い部類に属するのが、キャデラック・エスカレードである。ただし、アメリカの高級車としてはリンカーンの方が早く、まさに高級SUVの先駆けであるリンカーン・ナビゲーターを後追いする形で送り出されたのが、このエスカレードであった。

ナビゲーターが登場したのはモデルイヤーで言うと1998年、エスカレードはその対抗車種として1999年型からのデビューとなった。この初代モデルはGMCユーコンをベースとした、いかにも急造といった印象のもので、リンカーンの攻勢に虚を突かれたキャデラックの焦燥が垣間見えるが、そうした事情を反映してか、セールスは思わしいものではなかった。

態勢を立て直し、キャデラックの名にふさわしい高級SUVとして独自の地位を確立したのが、この2代目モデルである。初代からわずか3年後のデビューとなったこのエスカレードは、やはりGMCユーコン(および兄弟車のシボレー・タホ)をベースとしているが、そちらからは2年遅れ、2002年型でのデビューとなった。重厚なフロントマスク、高級感溢れる内装など、その内容はキャデラックの名に恥じないもので、インテリアにはブルガリの時計をセットするなど、興味深い試みも行われている。

この2代目からはロングボディのESVが設定されており、ホイールベースは標準モデルの116インチ(2946mm)に対し130インチ(3302mm)。リアオーバーハングも長く採られ、まさに黄金期のキャデラックを彷彿とさせるプロポーションとなっている。また、このESVがベースのピックアップ、EXTも登場した。エンジンは6LのV8が搭載されるが、2WDモデル用は5.3Lとなる。2004年型の資料によれば、最高出力は6L版で345hp、5.3L版で295hpであった。

前述の通りこの2代目エスカレードは新時代のキャデラックとして成功をおさめ、以後基本コンセプトは変わらないままモデルチェンジを重ねて、現行モデルは5世代目となる。ただしEXTは3代目の途中で消滅した。
さて、ここでご覧頂いているのは、この2代目エスカレードを再現したレベル製1/25スケールのプラモデルである。ただし、若干手を加えた作品なので、これについては以下で述べていこう。

足周りの移植でストック仕様に
制作に使用したのは2020年に発売されたキット(85-4482)であるが、パッケージを見て「?」となった方もいるだろう。ロング・ホイールベースのESVが描かれているが、パッケージ横の完成写真は(ショート・ホイールベースの)ベーシックモデルである。

ここから分かる通り、2004年にリリースされたもの(85-2189、85-2881)とボディやパーツ構成は同じ、つまり再販だ。僅かな違いとして、エキゾーストパイプのエンドチップが金属製であったのが、この版ではプラパーツ(メッキ)になったことと、スモークウィンドウ裏側の枠の部分が黒く塗装済みになったことが挙げられる。デカールもオプションのフレアがストライプに変わった。このストライプ、実車カタログには確認できない。どうやらサードパーティ製ドレスアップデカール(ステッカー)を再現したようだ。この実物は、他車にも対応できるようストライプとロゴのセットで販売されているというものである。

さて、このキットのタイヤ/ホイールはカスタム仕様になっていて、インチアップホイールのみである。せっかくストック風のパッケージなので、ストックに戻してみたくなった。同じキャディラックSUVではAMT製のキャディラックEXT(38435他)があり、これにはノーマルのホイールとタイヤが付くので、これを流用することにした。両者ではホイールの取り付け方が異なっているので若干手直しが必要だ。

AMTのホイールは内側にピンが立っていて、ブレーキ側に穴が開いている。これに対しレベルは金属のシャフトをホイール側の穴に差し込むタイプだ。そこで、レベルのシャフト受け部分に3mmのプラパイプを埋め込み、ここにAMTのホイールを受けるようにした。ディスクブレーキはサス側に取り付けるのでどちらでも良いが、作例ではAMTのパーツを使用。そしてローダウンされたサス全体をストック位置まで上げるように調整。さらに、シャシーに一体成型された、前輪側デフにつながるプロペラシャフトを一度削り取って、再接続した。これでストック仕様シャシーの完成である。

前述のエキパイのエンドチップは2004年キットの金属パーツを使用した。ボディカラーは2005年の純正色Rip Tide Blue(コード26U)をイメージ、アクセルカラーのブルーをベースに、光輝シルバーと少量のブラックで調合。実際のカラーチップよりシルバーを多めに加えて、明るくアレンジしてみた。インテリアはキットのままだが、リアのカップホルダーのみ開口し、濃淡2色のベージュで塗り分け。木目部分はデカールと塗装の併用である。黒いスイッチパネルには白で細かく色注しするとリアルな感じが出せる。

作例制作=畔蒜幸雄/フォト=服部佳洋 modelcars vol.279より再構成のうえ転載

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