会場内を微に入り細に入りチェック!
2021年4月9日(金)~11日(日)の3日間、幕張メッセで開催されたAUTOMOBILE COUNCIL 2021会場で新たに知ったこと、発見したあれこれをご紹介したいと思います。明日誰かに話したくなることがあれば幸いです。
好きな人はきっと欲しいマツダ787Bの精密エンジンモデル
MZ Racingから発売予定の1/6サイズR26Bロータリーエンジンモデル。これは55号車のエンジンとエキマニを降ろしたものをモデルとしているので忠実に再現されているそうです。実車搭載状態では見られない部分ですがそこはやはりこだわり。30基限定で発売されるそうですが価格は未定とのこと。購入者にはストーリーや製作過程の写真が載っているブックレットがプレゼントされるそうです。
実は以前エンジン単体だけのモデルを発売したところ「エキマニもないと」という声に応えてエキマニ部分だけを追加で製作したという経緯も踏まえて今回はセットでとなったとのことです。
隣にはこのモデル製作に携わった会社のモデルの数々が並んでいました。すごくいいので欲しいと思うのですが……。
シトロエンDSを借りて京都を走ろう
これはいい。DS23の色もとてもすてきですが、このクルマをレンタルできるというのがいいですね。京都は伏見のアウトニーズという会社が始めるクラシックカーレンタル。まずはDS23と2CVから始まるそうです。クラシックシトロエンで京都をドライブして、景色のいいところに置いて写真を撮るなんて楽しいしいい思い出になるでしょう。
クラシックカーを所有したいけれど諸般の事情で難しいという人が時々借り出すのもいいでしょうし、買おうとする人がまずレンタルで様子を確認するというのにもいいでしょう。いずれにしてもこれは楽しみです。ちなみに1日のレンタル代金はDS23が3万800円、2CV1万8,480円です。
レーシングカー、ラリーカーのスポンサーステッカーに想う
自分の世代がスポンサーステッカーでまず思い出すのはタバコです。マールボロ、キャメル、ロスマンズ、ジタン、ゴロワーズなど。もう一つはベネトン、レイトンハウス、タカキュー、そしてマツダ787Bのレナウンなどのアパレル関係です。どちらも今はすっかり消えてしまいました。
その時期にやや重なりつつ遡ると、マツダRX-7 254のボディに見えるNIKONに代表されるカメラメーカーも多かった。日本のカメラメーカーはほとんどがどこかのカテゴリーのスポンサーになっていました。ミノルタ、ペンタックス、F-1にも進出した富士フイルム、オリンパス、キャノンも懐かしい。
ランチアとフィアットのラリーカーのスポンサーで最も有名なアリタリアをはじめ航空会社も散見されたこともありました。スポンサーステッカーを見ながら企業の栄枯盛衰や現役当時の社会経済状況に思いを馳せるのもいいかもしれません。
スコッチのテイスティングもできた!
自動車関係のイベントでは世間体や社会の目に忖度してアルコールを提供しなくなって久しいですが、今回はなんとスコッチのテイスティングができる(有料)マルシェがありました。なんてチャレンジングなと思いましたがこれはとても嬉しいことです。
スコッチは、アイラモルト、アイランズモルト、ハイランドモルト、スペイサイドモルト、キャンベルタウンモルト、ローランドモルトと、生産地によって区分されていて、それぞれに個性があります。また、フィニッシュ樽もシェリー、バーボンなど樽の違いによって味も香りも変わります。大人の能書きと言えばワインが代表格ですがスコッチもなかなかのものです。
今回テイスティングできたのはGLENMORANGIE(グレンモレンジィ)というハイランドモルトスコッチです。オリジナル10年、ラサンタ12年シェリーカスクフィニッシュ、キンタ・ルバン14年ポートカスクフィニッシュ、ネクター・ドール・ソーテルヌカスクフィニッシュ、エクストリムリー・レア18年、シグネットの6種。このブランドはスコットランドで最も飲まれているということもあってか、シンガポールや香港の免税店でも見るのも飽きたというくらい前面に出して売っているのでこれまで避けていました。よって今回が初体験でした。
テイスティングしたのはシグネット。ピートを使っていないため日本人にも飲みやすい味と香り(ピーティーな、とかスモーキーな、と表現されるスコッチはなじみが薄いためか苦手な人が多い)、スムースで幾重にも香りいい感じ。アロマはチョコレート、オレンジピール、シナモンやジンジャー、チェリーなどが現われる(うまく表現できないので能書きから引用しました)。若干のスパイス感と苦みが好みの感じ。ストレート、ロック、常温の水1:1割りを試してみましたが、常温の水1:1割りで飲むと、香りの現れ方がゆっくりになるので変化をより感じられるのでおすすめかと思います。
スコッチについては気取って何かを語ろうとして破綻した感は否めませんが、最後にこれを紹介することで言いたいのは、アルコールが飲めたという事の重さというか大切さ。
運転してきたなら飲まない、運転してきているのに飲もうとしている知人がいたらたしなめる、ベロベロになるまで飲まない、など、当たり前のことができれば自動車関係のイベントでもアルコールが楽しめるようになる。
主催者側も“当たり前にできない人“を前提にしてアルコールをシャットアウトするのではなく、来場者は分別ある大人であるという前提に立つという姿勢が大事です。この点で拍手を送りたいと思います。喫煙に対しても制限が多い昨今ですが、分煙スペースでシガーバーがあってもいい。そういうアイテムが制限や忖度なく揃ったときが、“日本にも自動車文化がある”と言えるのではないかと思います。でもなかなか理解されないかな?
(取材・写真・文:大田中秀一)
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