「MINIクーパーS E」をベースにJCWからインスピレーションを得た「MINIエレクトリック・ペースセッター」
3月30日、BMWグループはMINIのピュアEV仕様がFIAフォーミュラEのセーフティカーに採用されたことを発表した。
「MINIエレクトリック・ペースセッター」と名付けられたこの電動セーフティカーは、市販モデルの「MINIクーパーS E」をベースに、JCW(ジョン・クーパー・ワークス)からインスピレーシンを得てデザインされた。
エクステリアはサーキットトラックでの任務を遂行するために特別に設計され、ダイナミックな解釈が表現されている。MINI Designの責任者、オリバー・ヘイルマー氏は次のように説明している。
「このデザインは技術的な精度と感情の刺激的な共生を表しています。機能が形を決定し、多くのデザイン要素は技術的な要件によって形作られています。例えば、ホイールアーチや前後のエプロンはBMW Motorsportのスタッフと緊密に協力し、軽量化対策を含めて開発しました。この視覚的に印象的で技術的にも正確なデザイン言語は、このクルマにエモーショナルでエキサイティングな感覚をもたらします」
最適化されたホイールアーチや、フロントスプリッターを備えたフロントエプロンなどは、JCWの特徴的要素からインスピレーションを得たもの。フロントフードに組み込まれたホワイトの点滅ライトや、ルーフエンドスポイラーに装着したライトバー、そしてオレンジやレッドのグラフィックは、セーフティカーであることを主張する。
後席を取り去り、2シーター化されたキャビン内は、ロールケージを装着。レーシングトラックとオンロードの両方での使用が承認された6点式シートベルトを備えたシートを採用したほか、カーボンファイバー・インパクトアブソーバー付きステアリングホイールやデジタルインストルメントクラスターを装備。中央のインフォメーションディスプレイはカーボンファイバーのカバーで覆われ、軽量化を図っている。
内外装にわたる軽量化により、車両重量はベース車のクーパーS Eより130kg軽い1230kgを実現。ドライブシステムはクーパーS Eに搭載されているものに基づいており、モーターは135kW(約184ps)/280Nmを発揮。0-100km/hを6.7秒(ベースのクーパーS Eは7.3秒)でこなす。
足まわりでは、トレッド幅の10mm拡幅に加えて、高さやキャンバー角などを3方向に調整可能なレーシングコイルオーバーサスペンションを搭載。タイヤは245/40R18サイズのミシュラン・パイロットスポーツだ。ブレーキはJCW用の4ピストンキャリパーを装着している。
この「MINIエレクトリック・ペースセッター」は、4月10日にローマで開催されるFIAフォーミュラE第3戦より実戦投入される。