【雪上試乗】「ボルボV90リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT8 AWD」あらゆる雪道で安定した走りを披露してくれる

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早くから電動化モデルをラインナップしているボルボだが、その中でもプラグイン・ハイブリッドモデルだけを集めた試乗会が行なれた。向かうは本州最北端の地である青森。そう、今回はボルボ電動モデルでのスノードライブだ。

レジャーに活躍しつつ環境性能も高いのが魅力

日本国内では昨今、2030年前半にピュアガソリン車の販売を禁止するというニュースが話題となっているが、ボルボでは2017年の時点で2019年から全モデルを電動化するとアナウンス、2020年11月には48Vマイルドハイブリッドとプラグイン・ハイブリッドを全モデルで導入したことで、国内で販売するモデル全車の電動化がいち早く完了している。また、2040年までにクライメートニュートラルを実現するとともに、2025年までにライフサイクルにおけるCO2排出量を40%削減させるなど、環境に配慮した施策を次々と打ち出しているのも同社の特徴のひとつだ。

さすが北欧生まれのボルボゆえ、雪上でも安定した走行性を披露。今回は圧雪、深雪、凍結路を走ったが、不安感は皆無だった。

そんなボルボの電動化モデルのうち、プラグイン・ハイブリッド車だけを集めた雪上試乗会が行われた。ちなみにボルボのプラグイン・ハイブリッド車にはすべて「Recharge(リチャージ)」のネーミングが付くが、これは2021年に導入予定のピュアEVであるXC40も同様だ。今回の試乗ではV90リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT8 AWDインスクリプションを選択。こちらはフロントは2L直4ターボ+スーパーチャージャー、リアをモーターで駆動するモデルだ。

V90 T8に搭載されるエンジンは、318ps/400Nmを発生する2L直4+ターボ&スーパーチャージャー。前後には34kW/160Nmと65kW/240Nmのモーターが備わる。

今回の試乗は、青森市内を出発して酸ヶ湯を経由、八戸までのルート。特に酸ヶ湯は世界有数の豪雪地帯だけに、スノードライブにはある意味絶好ともいえる場所だ。前日こそ積雪は少なかったようだが、翌日は朝から青森市内にも降雪があり、これなら山方面はコンディションもきっといいはず、と期待を持ちつつ酸ヶ湯へ向かった。

今回装着されていたのはヨコハマのスタッドレス、アイスガード6。日本のあらゆる冬道でテストしただけあって安心感は抜群だ。

市内を出発しばらく走ると、路面にはちらほらと雪がつき始め、やがて完全な圧雪路へと変化していく。ここではドライブモードをハイブリッドからAWDに切り替え走行したが、V90T8は終始安定した走りを披露。装着されていたスタッドレスタイヤのヨコハマ・アイスガード6との相性も良く、途中圧雪が行き届いていない深雪や凍結路にも遭遇したが、路面とのインフォメーションもしっかり伝わってきて、安心して雪道を走り切ることができた。ちなみにV90T8には5つのドライブモードが備わっており、ハイブリッドモードではフロントが滑ってからリアが駆動することで若干のタイムラグがあるため、前後輪を常時エンジンとモーターで駆動するAWDモードのほうが雪道走行には最適だ。

標準状態でも560Lのラゲッジスペース容量を誇るV90。スキーやスノーボードなどのウインタースポーツにも大活躍しそうだ。

また、リアをモーターで駆動することで充電がなくなったらFFでしか走れない、と心配する向きもあるが、駆動力分は常に確保されているので心配はないとのことだ。
これまで何度かボルボで雪上を試乗しているが、いつも感心させられるのは、路面変化をドライバーにきちんと伝えてくれることによる安心感だ。ウインタースポーツに出かける機会が多い方には間違いない選択肢と言っていいだろう。しかもPHEVなら環境性能も高いゆえ、これからの時代にもマッチしているのだから。

モダンで居心地の良いコクピット。シートはホールド性も良好だ。ドライブモードは5つ用意されるが、今回のような雪道で最も安定して走れるのはもちろん「Constant AWD」モードだ。ハイブリッドモードでは右のメーターがパワーフローに変更される。ステアリングヒーターは冬の時期は極めて便利な装備だ。

フォト=柏田芳敬/Y.Kashiwada ルボラン2021年2月号より転載

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