ここでは、横浜ゴムが氷上性能を大幅に向上させつつ、ウェット性能をさらに高めた「アイスガード6」と、オールシーズンタイヤの中では雪上性能重視のキャラクターに仕上げたという「ブルーアース4S」を紹介しよう。
雪上の路面で確実につかんでくれる安心感
2020年1月、横浜ゴムはオールシーズンタイヤのブルーアース4Sを日本市場へ本格導入を開始した。オールシーズンタイヤは、近年では欧州市場で需要が拡大している。日本市場にもその勢いが波及しそうだ。
ブルーアース4Sはスノー路面ならステアリング操作に対する素直な応答性と優れた安定性が実感できる。ステアリングを大きく切り込む場面は少しばかり苦手だがスタッドレスに対してグリップが若干劣る程度だ。
特徴は、ドライ路面とウェット路面での性能がスタッドレスタイヤよりも圧倒的に優れていること。まさにオールシーズンで履き通すのだから、非積雪路面を走る機会が多いだけに安心感につながる。それでいて、圧雪状態のスノー路面ではスタッドレスタイヤと同等の性能を発揮。実際に、プリウスに装着しテストコースでスラロームを試したところ、応答性や安定性では比較のために用意されたスタッドレスタイヤのアイスガード6とは、ステアリングを大きく切り込む場面を除いて顕著な差はなかった。
BluEarth-4S AW21/ブルーアースのサマータイヤと比べ路面を引っ掻くためのエッジ量が4Sは67%多い。逆にアイスガード6よりも30%少ないのでドライ路面やウェット路面の性能が高い。
凍結したアイス路面では、さすがに性能差が明らかになる。フルブレーキングでの制動距離が、ブルーアース4Sはアイスガード6よりも20%ほど伸びてしまう。とはいうものの、ABSの作動を前提にしたブレーキングではなく通常のペダル操作ならロック寸前の状態が維持しやすい。つまり、ABSに頼り切りになりその先の保険はかかっていないという事態が避けやすいわけだ。ただ、やはりオールシーズンタイヤでアイス路面を走ることはおすすめできない。
BluEarth-4S AW21
一方、アイスガード6も横浜ゴムの新世代スタッドレスタイヤとなる。スノー路面やアイス路面でも、ステアリングを大きく切り込む場面で旋回力がしっかり稼げることが特徴だ。それだけに、大径低偏平なサイズまで充実していることもあり、高性能モデルとも優れたマッチングを実現。718ケイマンに履かせスノー路面のコーナリングで試したところ、スポーティなハンドリングが楽しめた。
iceGUARD 6/アイスガード6は第6世代のスタッドレスタイヤとしてアイス路面はもちろんウェット路面の性能も向上。オレンジオイルSの配合で経年劣化を抑え約4年後も柔軟性を保つ。
また、アイスガード6は経年劣化が少ないことも特徴だ。一般論として、スタッドレスタイヤには寿命があり3年後からは性能が低下するとされていた。だが、ゴムの柔らかさを保つオレンジ由来の素材を加えた結果、4年経過時に相当する処理を施しても凍結路面でのフルブレーキングでは制動距離がほとんど伸びないことに驚かされた。
iceGUARD 6ヨコハマ
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