ミシガン州の5工場にも新型クロスオーバーなどの生産に向け追加出資
ゼネラルモーターズ(GM)は、テネシー州スプリングヒル組立工場を電気自動車(EV)の生産拠点へ転換すると発表。これはミシガン州デトロイト・ハムトラミックの“ファクトリー・ゼロ(Factory ZERO)”、オリオンタウンシップにあるオリオン組立工場に続く、GMにとって3番目のEV工場となる。また、GMは将来のクロスオーバーモデルやフルサイズピックアップトラックの生産に向け、ランシングのデルタ・タウンシップ組立工場やフリント組立工場など、ミシガン州内の5つの工場への投資を正式に表明している。
スプリングヒルで製造される最初のEVは新型「キャデラック・リリック」で、続いて「キャデラックXT6」および「キャデラックXT5」が生産される予定。この工場では、従来のキャデラックの内燃機関車と電気自動車の両方を生産できる体制が整えられるわけだ。
これら米国内の6施設への総投資額は合計20億ドル以上で、2009年以降にGMが米国の生産拠点に投資、あるいは投資を表明した総額は290億ドル以上となった。
このことについて、GMのメアリー・バーラ会長兼CEOは以下のように述べている。
「GMは、米国内における従業員や地域社会への投資に全力を注いでいます。これらの投資は、今日のGM車の成功と、全車電動化の未来へのビジョンを裏付けるものです」
GMはこの19カ月間、EVの生産設備を導入するために米国内の3工場に45億ドル以上を投じている。
今年1月、GMはデトロイト・ハムトラミックの組立工場に22億ドルを投資すると発表。この“ファクトリー・ゼロ”工場で生産されるさまざまな全電動ピックアップトラックやSUVの中で、最初にピックアップトラック「GMCハマーEV」の生産が2021年後半に開始。その後すぐに自動運転EV専用モデルの「クルーズ・オリジン」が生産される予定という。
“ファクトリー・ゼロ”が完全稼働すれば、今回の投資により2200人以上の雇用が創出。また、GMは新型EVピックアップトラックの発売に関連するサプライヤー設備や、その他のプロジェクトにも8億ドルの追加投資を行なう。2019年3月には、GMはオリオン工場へ3億ドルを投資してシボレーブランドの新型EVを生産。同工場で400人の新規雇用を生み出すと発表している。この新型シボレーEVは、既存の「シボレー・ボルトEV」のラインアップに加わるとともに、数々の賞を受賞した現在のボルトEVのアーキテクチャーの最新版をベースにデザイン、設計されている。
さらにGMとLG化学は、合弁会社Ultium Cells LLCを設立。23億ドル以上を投じてオハイオ州ローズタウンに最先端のバッテリーセル工場を新設、1100人以上の新規雇用を創出する見込みとなっている。現在、この工場建設は順調に進んでおり、この新たなバッテリーセル工場が、全車電動化の未来に向けたGMの取り組みにおいて重要な役割を果たすことになる。