トヨタが人間を理解するAI開発に取り組む

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TRIが米国に新組織を設立。幅広いビジネスに活用できるソリューションを開発

さまざまな事象に関して人口知能(AI)をツールに最先端の研究を手がけるトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI=トヨタ総合研究所)が新たな研究をスタートさせる。北米に拠点を置くTRIは、トヨタにおいて「次のステップは何か」を探る役割を任されているが、その一環として「人間の行動を理解し、予測する研究」を開始。なんとも抽象的で分かりにくいが、人間が意思決定するに当たって、どんな行動をするか理解しつつ予測していこうといういうもので、そのためのAIツール開発に向けて「マシン・アシスト・コグニション(MAC)」という新組織を設立。ウーバー社で予測プラットフォームなどを手がけたフランツィスカ・ベル氏をシニアディレクターとして起用して動き始めている。

ウーバー社で予測プラットフォームなどを手がけたフランツィスカ・ベル氏をシニアディレクターとして起用。

MACでは人間と機械(クルマなど)が協力して、よりよりよい予測や意思決定を迅速に行なうシステムを構築していく考えで、クルマの販売、製品計画、エンジニアリングと開発などあらゆる場面においてトヨタユーザーのニーズをサポートする機能を探索していくという。幅広いビジネスに活用できるソリューション構築を目的とした研究だけに、つかみどころがない感じもするが、「人間の行動を理解する」というのは最先端ビジネスにおいては欠かせない要素ではある。トヨタがこうした研究をモビリティサービスの展開などにどう生かしてくるのか、興味深いところだ。

ルボラン2020年6月号より転載

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