ゴルフVIIIに続き間もなく登場
アウディは3月のジュネーブ・ショーで新型A3スポーツバックを世界初公開する。これに先立ち、筆者はそのA3をベースにしたスポーティ版、S3のプロトタイプをアゾレス諸島のサンミゲル島で試すことができた。現時点でお伝えできる情報は限られるが、まずは第一印象をお伝えしよう。
エンジンは300psと400Nmを発揮するハイチューン版2LのTFSI。最新のクワトロシステムは最大で100%後輪にトルクを配分する。
アウディのプレミアムCセグメントカーは初代が1996年にデビュー。その後、2代目は2003年、現行の3代目は2012年から市場に送り込まれ、これまでに世界累計で400万台が販売されてきた。ちなみに、S3は3年遅れの1999年に登場し、3世代目の現行モデルは2013年から市場導入されている。
サンミゲル島は欧州ラリー選手権が行われることで有名だが、ここにブラック&ホワイトの見慣れぬカムフラージュをまとったプロトタイプが現れた。通常、テスト車両といえばすべてのロゴは外されているが、この車両のルーフには大きくアウディのフォーリングスが描かれ、プロトタイプというよりコマーシャルカーのようだ。
デザインの基本はキープコンセプトながら、さらにエッジの効いたシャープな印象。スリーサイズは全長4.35×全幅1.82×全高1.44m。
新型のエクステリアデザインはキープコンセプトながら、全体的によりエッジが効いたシャープな印象を受ける。ベースのA3と同様にすべて5ドアに統一されたボディは、全長が4.35m、全幅が1.82m、全高が1.44mと、現行モデルに対してやや幅広く背が高くなっている。一方、インテリアは完全にカムフラージュされており、ここで詳細はお伝えできないが、従来以上に高品質かつ機能的なデザインが与えられているという。
プラットフォームはゴルフVIIIと同様に従来からのMQBモジュールの改良版がベース。
今回はプロトタイプかつ悪天候のため試乗時間は限られたが、それでも300psと400Nmを発生するパワフルでスムーズな4気筒エンジンがもたらすダイナミック性能がきわめて高いレベルにあることは容易に想像できた。また、ファインチューニングが施されたクワトロシステムは、生憎の天候にもかかわらず素早いトルクトランスファーによって確かなトラクション性能を発揮、終始安定した走りを提供してくれた。
S3には3段階のアダプティブダンパーが標準装備。
プラットフォームはVWゴルフVIIIと同様に従来型MQBモジュールのリファイン版で、サスペンションもフロントがストラット、リアがマルチリンクの組み合わせながら各部が見直されており、乗り心地はフラットで快適。プロトタイプの段階で、ほぼ完成の域に達していることを窺わせた。
A3は、ジュネーブ・ショーの直後からドイツをはじめとする欧州で受注を開始。日本での発売に関するアナウンスはまだない。