カルデラ内に湧き上がる大雲海と出会える外輪山稜線の道をゆく(熊本県 ミルクロード)【雲海ドライブ&スポット Route 79】

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やまなみハイウェイの上を行く雲海展望ルート

阿蘇を代表するドライブルートといえば、誰もがまず思い浮かべるのはやまなみハイウェイだろう。由布院温泉近くの水分峠を起点に九重連山を越え、阿蘇カルデラの中心部へといたる全長約60kmの道は、日本を代表する絶景ルートのひとつである。
ただし、こと雲海の眺めになれば、やまなみハイウェイのさらに上を行く道が阿蘇にはある。それがミルクロードだ。

眺めのいい外輪山稜線上を抜けていくミルクロード。その愛称は、周辺の牧場から牛乳を運ぶために道路が計画されたことに由来。

ミルクロードの起点は阿蘇外輪山西麓の大津町で、ここから外輪山へと駆け上ると、3本の県道を走りつないで外輪山北側の稜線を抜け、やまなみハイウェイまで延びている(このうち大津町〜二重ノ峠間は、現在、阿蘇大橋の崩落で通行止めとなっている国道57号の迂回路)。二重ノ峠から先の約27km、全体の7割以上は外輪山稜線を行く道で、そこに点在する数多くの展望スポットからは、カルデラ内の阿蘇谷を一望にすることができる。

「ラピュタの道」と呼ばれているのは阿蘇市狩尾地区とミルクロード沿いの牧場を結ぶ市道。現在は関係者以外の車両は通行止め。

上の写真の通称「ラピュタの道」もそのひとつ。現在は熊本地震の影響などもあって通行止めとなっているが、ミルクロード側からの眺めだけでも十分に感動する。

アクセスガイド

2016年4月に発生した熊本地震により阿蘇エリアの道路網は大きな被害を受けている。上でも簡単に触れた通り、九州道・熊本ICから阿蘇市の中心部(宮地駅)へは国道57号が寸断されているため、ミルクロードを迂回して約40km/1時間20分ほど。これまで南阿蘇村方面へは益城熊本空港ICから県道28号(俵山トンネル)経由で行くのが一般的だったが、2017年8月に長陽大橋ルートが復旧し、国道57号からも行けるようになった。

Data【Route 79 ミルクロード】
雲海遭遇率 ★★★
雲海の季節 通年

◎所在地/熊本県大津町、阿蘇市
◎ルート/県道339号、12号、45号
◎区間距離/約36km
◎最高地点/標高965m
◎冬季閉鎖/なし

【A】吾亦紅
石臼で挽いたそば粉を職人が打ち上げる

小国そば街道のなかでも評判の名店。熟練職人による手打ち蕎麦は、香りを逃さないように石臼でゆっくり挽いたそば粉を使用。気候によって太さや茹で加減も変えるというこだわりだ。定番のざるそば定食(1,100円)、とろろそば定食(1,200円)などのほか金蘭膳(3,200円)といったセットメニューも人気。

●10:30〜17:30(麺がなくなり次第終了)/年中無休/南小国町赤馬場3220/TEL 0967-42-1820

【B】いまきん食堂
いつも行列が絶えない創業百余年の人気食堂

観光客にも地元の人にも、絶大な人気を誇るのがいまきん食堂のあか牛丼(1,760円)。自慢のあか牛肉は、軽く焼き目をつけただけのレア状態。甘めのタレが絡んで肉のうまみがしっかりと伝わってくる。野菜たっぷりのチャンポン(780円)も知る人ぞ知る人気メニューだ。ただし休日などは2時間待ちも当たり前。

●11:00〜15:00(14:00受付終了)/水曜&第3木曜定休/阿蘇市内牧290/TEL 0967-32-0031

【C】阿蘇プラザホテル
開放感あふれる露天から阿蘇五岳を望む

大観峰の直下にある内牧温泉は、豊富な湯量と阿蘇五岳の眺めが自慢。夏目漱石や与謝野晶子など多くの文豪たちも訪れている。この阿蘇プラザホテルには屋上露天風呂「嶽湯空拝」のほか、1階には日本庭園に囲まれた岩の露天風呂と2つの大浴場、さらにはサウナなどもあり、内牧温泉の魅力を満喫できる。

●1泊2食付き13,110円〜/日帰り入浴プラン3,780円〜(要予約)/阿蘇市内牧1287/TEL 0967-32-0711

観光情報

阿蘇市観光協会 TEL 0967-34-1600
南小国町観光協会 TEL 0967-42-1444
みなみあそ村観光協会 TEL 0967-67-2222

 

文:佐々木 節/撮影:平島 格

『雲海ドライブ&スポット』より転載。掲載データなどは2017年8月末時点のものです。実際におでかけの際は、事前に最新の情報をご確認ください。

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