アウトランダーPHEVをベースに電源供給、衛星通信などが可能な車両を製作

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三菱自動車とゲヒルンが災害対策車を製作

防災情報配信を手がけるベンチャー企業であるゲヒルンと三菱自動車、スカパーJSATの3社が共同で、独自の災害対策車を製作。アニメ「エヴァンゲリオン」に由来する「特務機関NERV(ネルフ)制式電源供給・衛星通信車両5LA-GG3W(改)」の名を与えられて稼働を開始する。この災害対策車は三菱アウトランダーPHEVをベースに、米カイメタ社の平面アンテナ端末をルーフに備え、スカパーJSATの衛星を使ったインターネット接続サービスや、日本版GPSともいえる「みちびき」からの衛星通信を受信できる機器「Q-ANPI」も搭載。災害による広域停電で電源供給が途切れた地域に派遣することで、電力供給や情報発信といった支援を行っていく考えだ。


2019年秋の台風や豪雨による災害では、千葉県の長期にわたる広域停電、長野県の広域災害など、情報が届かないことによる被害の拡大が新たな課題として浮き彫りになった。そうした状況に対応すべく3社が手がけたのがこの災害対策車で、大容量バッテリーによる電源供給が可能なアウトランダーPHEVのメリットを生かして製作。大量の電源を保持できる大容量バッテリーを搭載し、AC100Vコンセントを2口備え、合計1500Wの電力を供給することが可能。電源のない地域でも電力、電話サービス、Wi-Fiインターネットサービスの利用が可能となり、いち早い復旧に貢献することになる。防災訓練の場などにも派遣される予定で、機動性の高い災害対策システムとして注目されるのはもちろん、自治体や企業などに災害対策のあり方を啓蒙する役目も果たすことになりそうだ。

 

ルボラン2020年3月号より転載

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