新感覚サスペンション装着のTRDチューンGRスープラは異次元の走りを披露!【ワークスチューニング合同試乗会】

AUTHOR
2019/09/19 18:00

メーカー直系チューニング「TRD」のデモカー3台に一気乗り

「ワークスチューニング」という言葉がある。メーカー直系でモータースポーツ活動を担っている組織やチームが、市販車向けに用意するチューニングパーツやコンプリートカーの総称といってもいいだろう。その中でトヨタ系のワークスチューニングといえばTRD(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)だ。

今回、TRDが手掛けたワークスチューニングカー3台を試乗する機会に恵まれた。その3台とは新しいGRスープラ、プリウス、そしてRAV4となっている。それぞれ、メーカー直系だからこそといえるチューニングメニューが施されていた。まずはGRスープラから紹介しよう。

「GRパーツ」と呼ばれるディーラーで購入できるチューニングアイテムとして、まず用意されたのはフロントスポイラー、サイドスカート、リヤサイドスポイラー、サイドドアガーニッシュ、トランクスポイラー、そして19インチの鍛造アルミホイール。タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ4S(前255/35R19 後275/35R19)を履いている。

エアロパーツ類は、いずれもカーボン製。2020年からスーパーGTにスープラが復活するというのも話題だが、そうしたワークス製マシンとのつながりも感じる素材であり、また形状にもどことなく関連性を覚える。もっとも、今回の試乗ではあくまで公道を模したコース設定ということもあり、せいぜい60km/hほどでの走行に抑えたためエアロダイナミクスの効果を実感することはできなかった。

しかしスープラの走りは、間違いなくワークスチューニングといえるものだった。その理由は、開発中のシャシーチューニングにある。まずボディ前後に「パフォーマンスダンパー」を装着することで、ボディ自体の振動を適切に減衰させている。さらにヤマハが新開発したショックアブソーバー『TRAS』を使ったサスペンションキットを試作している。

この新型ショックアブソーバーは、独自のスルーロッド構造を採用することで、マイナスの反力を生んでいる点にある。通常のショックアブソーバーはフリーにしていると伸びようとするが、TRASショックアブソーバーはフリー状態では縮もうとするのだ。そのためタイヤの接地感は通常のサスペンションと真逆になる。ロールさせたときの内輪接地が向上するためタイトコーナーでペースアップしたときにタイヤが空転する“内カキ”が起きない。そもそもロールも抑制され、姿勢から異なっている。バネレートは10%もアップしていないというから、新型ショックアブソーバーの効果といえるだろう。

さらに、太めのハイグリップタイヤを履いているにもかかわらずステアリングが軽く感じるのも、この新型ショックアブソーバーの特徴。軽いといっても浮いているような感覚ではない。荷重移動による入力をしっかり減衰することでストロークしすぎないよう抑えているといったフィーリングだ。そもそも曲がりたがる性格のスープラだからこそ、こうした落ち着いた挙動を感じさせるサスペンションキットとのマッチングはいい。現時点では試作ということだが、このままの方向で市販が実現することを期待したい。

続いて紹介するのは「アグレッシブスタイル」と名付けられたエアロパッケージを装着したプリウス。エアロパーツと18インチアルミホイール(タイヤサイズは215/40R18)の変更を受けただけでサスペンションなどはノーマルというデモカーだ。しかし、この装着アイテムだけでハンドリングは大いに洗練されているというのがTRDの主張。なぜなら、エアロパーツによりボディ両サイドを空気で支え、ロールを抑える効果が期待できるのだという。

そのポイントとなっているのが「アルミテープ」だ。ボディの帯電を低減させるアルミテープによるハンドリングの改善というのはトヨタ自動車がすでに市販車に採用しているテクノロジーだが、TRDではチューニングパーツにそのアイデアを取り込んだ。チップ状にカットしたアルミテープをエアロパーツの裏面に貼ることによりボディ表面の帯電を減らす。そうすることでボディに沿って空気を流すことができるようになる。つまりエアロパーツの形状による効果を大きくすることができるのだ。

エアロパーツというとダウンフォースを思い浮かべがちだが、TRDのプリウス用エアロパーツの場合はボディサイドに沿って空気を流すように整流している。これによって直進安定性やヨーの抑制などの効果を狙っているという。また、サスペンションはノーマルでも評価の高いものだが、18インチのミシュラン・パイロットスポーツ4との相性もよく、ワインディング的なコースでペースアップしてもロールが大きいと感じることもなく、気持ちよく走ることができた。

最後に紹介するのは「フィールド・モンスター」と名付けられたタフでワイルドなスタイルを与えられたRAV4。フロントロアガーニッシュ、フロントバンパーガーニッシュ、バックドアガーニッシュ、オーバーフェンダーなどがボディを彩る。こちらもサスペンションはノーマルで、タイヤをBFグッドリッチのオールテレーンT/A(245/65R17)に変えたというフットワークだ。

その荒々しいルックスに反して、走り出すと最新のクロスオーバーSUVにふさわしいマイルドな乗り味となっているのは、さすがといったところだが、ラフロードでの走破性を期待させるリフトアップキットの開発も検討中という。RAV4の世界観を広げるカスタマイズアイテムもワークスチューニングの守備範囲というわけだ。

問い合わせ先=トヨタカスタマイジング&ディベロップメント http://www.trdparts.jp/

フォト:石原 康(Y.Ishihara)

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!

おすすめ記事一覧