遠藤イヅルが自身のイラストともに1980年代以降の趣味車、いわゆる”ヤングタイマー”なクルマを振り返るという、かつて小社WEBサイトでひっそり!? 連載していた伝説の連載、その進化版がこの『ボクらのヤングタイマー列伝』です。今回は2017年9月30日(土)に開催された『カー・マガジン・ウィークエンド・ミーティング2017秋 in 大磯』の会場で『ベストヤングタイマー』賞を受賞したフェラーリGTBターボをイラスト化! という特別編ですヨ!!
ボクらのヤングタイマー列伝第18回『日産エクサ』の記事はコチラから
よ〜く見てみないと気がつかないというこのコーナーにぴったりなクルマをセレクトしました!
今回のヤングタイマー列伝は少々趣向を変えまして、ちょっともやもやする”リアルな”ヤングタイマーを探すべく、2017年9月30日(土)に開催された『カー・マガジン・ウィークエンド・ミーティング2017秋 in 大磯』にボクもお邪魔致しまして、”これはっ!”というヤングタイマーカーを1台セレクト。この連載でイラスト化することになりました! 広〜い大磯ロングビーチの駐車場を埋め尽くした参加車の中から選ばせて頂いたのは、一見すると見慣れたクルマかと思いきや、よ〜く見てみないと気がつかないというこのコーナーにぴったりなクルマ。それが『フェラーリGTBターボ』です! 絵を見る限り「328GTBじゃないの?」と思われるかもしれません。「328にターボってあったの?」とも。でも正真正銘、かつてフェラーリにラインナップされていて、フェラーリの公式HPにも掲載されているモデルなのです。
フェラーリの車名は、排気量を2ケタにしたものや排気量を気筒数で割ったものなどいろいろとありますが、ことGTBターボに関しては数字が一切なく排気量がわかりません。ところがこのフェラーリは何と2リッターV8エンジンなのです。2リッターと聞いて、”あ、そうか!”とピンと来た方もいるかもしれません。そう、いわゆる”イタリア専用”モデルなのでした。かつてイタリアは2リッター以上のクルマに禁止税ともいえる高額の付加価値税が与えられていました。そこでいくつかのフェラーリが2リッターV8を搭載して登場したのです。具体的には208GT4、208GTB/GTS、ターボ版208GTB/GTSターボ、そしてこのGTB/GTSターボでした。ちなみにディーノ206GTが2リッター(V6)なのは別の理由からです。
GTBターボ、そしてそのタルガボディとなるGTSターボは、308ベースの208GTB/GTSターボの後継モデルとして1986年に登場しました。基本的には発売当時のV8フェラーリに2リッターV8ターボを積むという成り立ちは208GTB/GTSターボと変わりません。そのためGTB/GTSターボはベースが328になっています。ところがその見分け方はほんのわずか。イラストに詳細を記したのでそちらを見て頂きたいのですが、百戦錬磨のクルマ好きが集まる本誌のイベントでも、このクルマが生産台数308台というレアなフェラーリだと気がついている方があまりいない様子でした。
オーナーのMさんは以前328に乗っていて、ショップからこの個体が出て来て購入して以来5年ほど大きなトラブルもない、とのことで、取材時にブーストメーターの有無など、細かな差異も教えてくださいました。ありがとうございました!
この記事を書いた人
1971年生まれ。東京都在住。小さい頃からカーデザイナーに憧れ、文系大学を卒業するもカーデザイン専門学校に再入学。自動車メーカー系レース部門の会社でカーデザイナー/モデラーとして勤務。その後数社でデザイナー/ディレクターとして働き、独立してイラストレーター/ライターとなった。現在自動車雑誌、男性誌などで多数連載を持つ。イラストは基本的にアナログで、デザイナー時代に愛用したコピックマーカーを用いる。自動車全般に膨大な知識を持つが、中でも大衆車、実用車、商用車を好み、フランス車には特に詳しい。
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