【サーキット試乗】「トヨタ・ヤリスクロス」コンパクトSUV市場の台風の目となること必至!?

TOYOTA YARIS CROSS
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2020/09/18 11:00

昨今SUVに力を入れているトヨタが、ライズとC-HRの中間に位置する新型コンパクトSUV「ヤリスクロス」を9月に発売する。都市型コンパクトSUVを再定義することを目指して開発されたというが、その実力は果たして――。

ヤリスクロスは完全にオリジナルデザイン

RAV4にライズ、ハリアーとSUVラインナップが好調なトヨタから、また新たなモデルが登場した。ヤリスクロスという車名から想像される通り、ヤリスベースのBセグメント・クロスオーバーだが、ハッチバックの地上高を上げただけの派生モデルではなく、デザインは完全にオリジナル。また、ヤリスで初出となったGABプラットフォームは車両重量が約100kg重く、重心が60mmほど高くなるヤリスクロスを考慮して開発されたという。

TOYOTA YARIS CROSSラインナップは1.5L直3NA+CVTのガソリン車と1.5L直3NA+モーターのハイブリッド。それぞれに4WDも用意されている。今回はまだナンバープレートのつかないプロトタイプのため試乗はサーキットとなった。

TOYOTA YARIS CROSS

ヤリスクロスに搭載されるパワートレインは、ヤリスと同じ1.5L直列3気筒ガソリンエンジン+CVTと、同じ1.5L直3に「THS II」を組み合わせたハイブリッドの2本立て。

ヤリスから採用されている新世代のハイブリッドシステムは、アクアなどの従来ユニットに比べるとドライバビリティが劇的に良くなっている。アクセルを踏み込んだ瞬間にスッと背中を押される感覚があり、エンジン回転が先行しすぎることなくスムーズに加速していく。ダイナミックフォースと呼ばれるエンジンのレスポンスの良さに加え、ニッケル水素からリチウムイオンに換装されたバッテリーによって電気系もパワフルになり、相乗効果で進化を果たしたのだ。ハイブリッドは燃費が抜群だけれど、運転が楽しくないからと敬遠していた人も、一度乗ってみるといい。エンジン車よりもトルクが太く、レスポンスもいいのでずっと乗りやすいはずだ。

TOYOTA YARIS CROSS

エクステリアデザインは、シンプルながらも、SUVならではのロバスト(頑強さ)を表現しているという。

ただし、ハッチバックのヤリスに比べると約100kg重く、4WDではさらに約100kgが上乗せされるので、登り区間を全開でかけ上がってみたときには、思っていたほど速度がのっていかなかった。ガソリン車はハイブリッドのシステム最高出力を上回る120psで車両重量も軽いので登りで元気。高回転域が意外なほど得意で全開走行が楽しい。常用域のトルクも十分以上だから特に不満は出ないはずだ。

TOYOTA YARIS CROSS

ボディカラーはモノトーン8種、ツートン7種を用意。ツートンカラーはGかZグレードでメーカーオプションとして選択可能だ。

シャシー性能は期待以上の仕上がりだった。コーナーではSUVの背の高さを意識させず安定しているが、突っ張った感覚はなくてしなやか。また、フロント周りの剛性感が高くてステアリング操作に対して正確に反応し、深い舵角での追従性もいい。タイトなコーナーでクルリと回り込ませることも可能で、サーキット走行を楽しめてしまうほどだ。

TOYOTA YARIS CROSS

インテリアデザインはセンターコンソールの電動パーキングブレーキ部分が異なるほかはベースのヤリスと共通となる。ガソリン4WDには「マルチテレインセレクト」を用意。ダイヤルでMUD&SAND/ROCK&DIRTを切り替えることができる。

操縦安定性は抜群だが、サスペンションの動きの質が高いので、一般道での乗り心地も良さそうだ。普段使いでは上質で快適ながら、ワインディングなどでは適度にスポーティというバランスのいい特性に仕上がっている。GA-Bプラットフォームのポテンシャルの高さがうかがい知れた。

TOYOTA YARIS CROSSスタイリッシュでありながら癖が強すぎないエクステリアや利便性の高さも含めてかなりの人気者になりそうなヤリスクロス。ライバルとともにコンパクト市場を盛り上げることになりそうだ。

TOYOTA YARIS CROSS

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ラゲッジルーム容量はデッキボードを下げた状態で390Lを確保。後席は40:20:40分割可倒式で中央部を倒すと長尺モノも積載可能だ。

TOYOTA YARIS CROSS

TOYOTA YARIS CROSS

写真は18インチアルミホイールを装着する最上級グレード「Z」、ほかのグレードはベースの「X」、16インチアルミを採用する「G」となる。

フォト=小林俊樹/T.Kobayashi ルボラン2020年10月号より転載
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