【海外試乗】「ポルシェ・マカンGTS」ブラックアクセントと新型エンジンでマカンの本命へ

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2020/05/13 11:00

マカンにGTSが追加設定された。そのハイライトはグリルをはじめブラックアウトされたエクステリアと新しい2.9LのV6ツインターボエンジンだ。あらゆることがハイレベルでバランスをするこのGTSは、マカンの本命ともいえる存在感を放っている。

見せ場は新型エンジンの軽快な回転フィール

ポルシェのビジネスにおいて、マカンはカイエン以上に欠くことの出来ないピースとなっている。2014年の発売開始以降は順調に販売を伸ばし続け、2019年の販売実績では実に全数の1/3以上がそれで占められたほどだ。

通常よりも車高が15mm低く、ダイナミクス性能が向上。アダプティブエアサスペンションを装着すれば、さらに10mm低めることも可能。

そのマカンに設定される第四のグレードがGTS。1963年に登場したロードゴーイングレーサー、904GTSが源流となるこのグレード名は、928以降は封印されていたが2007年にカイエンで復活。以降、パナメーラや911など全てのモデルに設定されている。

ポルシェのクルマづくりにおいての最重要ファクターであるGT的な多用途性をしっかり保持しながら、いかにS、すなわちスポーツ的な要素を盛り込んでいくかという点がGTSを取りまとめる上での腕のみせようだ。そして新しいマカンGTSの最大の見どころはエンジンにある。

ティンテッド処理されたポルシェダイナミックライトシステム(PDLS)は、オプションでブラック仕上げのPDLSプラスに変更可能。

前期型ではマカンSが搭載していたEA837系の3L V6直噴ツインターボをチューニング変更して搭載していたところを、この後期型では最新世代のEA839系V6直噴ツインターボにスイッチ。ただしマカンSは排気量は変わらず3Lなのに対して、マカンGTSはターボと同じ2.9Lだ。

ラゲッジルーム容量は488~1503Lを備える。

排気量を小さくした狙いは高回転・高出力化にあって、ショートストローク化に加えてブロックやムービングパーツの強化など、骨格も余力を備えている。タービンは吸排気経路に近いVバンク間に配されており、過給レスポンスを向上。パワーは380ps、トルクは520Nmを発生する。これは前型に対して20ps、20Nmのプラスだ。

センターコンソールのアームレストやドアパネルにはアルカンターラを採用。日本仕様はアタプティブクルーズコントロール、レーンチェンジアシストなどが標準装備される。

ドライブトレインは従来同様、後輪駆動を主体としたオンデマンド型の4WDで、前輪側には通常走行時で約20%の駆動力を配分、凍結などの低ミュー環境では最大で100%に近い駆動配分も瞬間的に可能とする仕組みだ。トランスミッションも7速PDKを継承する。動力性能的には最高速が261km/hと前型に対して5km/hのプラス、0→100km/h加速が4.9秒(スポーツクロノパッケージ装着では4.7秒)と、0.3秒短縮されている。

グリルやエンブレム、エキゾーストフィニッシャーなど随所をブラックアウトして引き締めたエクステリアの仕立ては、他のGTSにも共通するものだ。サテンブラックのRSスパイダーデザインホイールはこのモデル専用の装備となる。また、黒の多用は内装の設えにも及び、シートやアームレストなどにはアルカンタラを配してスポーティな印象を高めている。

マカンSよりもダイレクトな路面接地感を持ちながら、マカン・ターボよりは身のこなしが軽快というマカンGTSのテイストは、新型になってもまったくかげりはない。むしろスムーズな回転フィールを持つ新しいエンジンのおかげで、その軽やかさは一段と高まっている。フットワークはあえて硬質ではなく、適度なロールでしっかりと粘りながらニュートラルに旋回する印象で、もちろん乗り心地の側も低速域から渋さなどは感じさせない。有り余るとは言わずとも充分以上の余力を携えた動力性能とはピタリとテイストを整えている。街中からワインディング、ロングドライブまで、あらゆるシーンで不満を抱かせない絶品のバランス感こそがマカンGTSのチャームポイントだろう。

フォト=ポルシェジャパン/PORSCHE JAPAN ルボラン2020年5月号より転載

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