オールシーズンタイヤでも安定感のある雪道性能を披露
F1へのワンメイク供給やスーパースポーツモデルへのOEタイヤなど、スポーツ系のイメージが強いピレリだが、雪道に対応したタイヤのラインアップも充実している。そんなスタッドレス、ウインター、オールシーズンタイヤを試乗するメディアイベントが北海道で開催。様々なモデルで試すことができた。
今回試乗した中で、最も注目したいのが今季発表された「チントゥラート・オールシーズンSF3」だ。都市部在住の中型車・小型車のドライバー向けに開発され、設計にはバーチャル開発システムを駆使、さまざまな気象条件下でブレーキング時の高レベルのコントロール性能を実現したという。
また、乾燥した路面において、冬タイヤよりも夏タイヤに近い安定性、静粛性、転がり抵抗を確保、その多用途性はドイツの独立認証機関DEKRA(デクラ)のテストによって確認され、複合ブレーキ (ドライ、ウェット、雪の各条件を考慮)においても高評価を獲得。そして、TÜV SÜD(テュフズード)認証機関からも、さまざまな走行状況における強みを評価され、認定マークを授与されたとのことだ。
一般に、幅広の溝を採用するとサマー性能に関しては最適なパフォーマンスが損なわれるが、オールシーズンSF3に使用されているコンパウンドは、高温下でもタイヤの剛性、安定性、応答性のバランスを保つことができるとのこと。これは、ドライブレーキングで高評価を得たDekraテストによっても裏付けられているという。
今回は気温が高かったこともあり、アイスバーンとシャーベット路面が入り混じるコンディションでの試乗だったが、印象的だったのが安定感の高さだ。コーナリング時には雪面を捉えるグリップ性能が優れており、加えてブレーキング時も排雪性が良いためイメージ通りの減速が可能。やや凍ったアイス路面から湿った圧雪路、そしてザクザクのシャーベット路面まで安心して走ることができる。このあたりはトレッドパターンやコンパウンドが効いているのであろう。ドライやウェット路面でもぜひ試してみたいと思った。
一方、日本国内の冬季向けにアイスグリップを最重視したスタッドレスのアイスゼロ・アシンメトリコは、SUVのボルボXC40をはじめ、ミニバンのトヨタ・アルファード、コンパクトカーのホンダ・フィットやトヨタ・カローラスポーツといった様々なボディ形状の車種で試すことができたが、いずれのモデルでもスタッドレスならではの高いグリップ性能とブレーキング性能を発揮。パターン剛性も高いゆえ、重量級のモデルを含めた幅広い車種にマッチするスタッドレスとしてお勧めしたいタイヤといえる。
また、今回は2つのウインタータイヤも試すことができた。スポーツモデルに多くOE装着されているPゼロの名を冠した「Pゼロ・ウインター」は、プレミアムサルーンやスポーツカー向けの冬用タイヤで大径サイズがラインアップされているのも特徴のひとつ。自動車メーカーとの共同開発により、冬道でもハイパフォーマンスなドライビング体験を実現しているという。
BMW5シリーズ、アルピナD3S、ポルシェ911カレラ4に装着して試乗したが、コントロール性の良さが際立っていたのが好印象だった。特徴的な非対称デザインとコンパウンドの相乗効果もあるのだろう。滑り出しのタイミングがわかりやすくコントローラブル。シャーベット路でもしっかりとしたグリップ性能が確保されている。
最後に乗ったスコーピオン・ウインターも数多くの自動車メーカーとの共同開発されてきたハイパフォーマンスSUV向けのウインタータイヤだ。トラクションと横滑り抑制に効果のあるモジュラーブロックデザインを採用するとともに、ウェット路面でのすぐれたハンドリングやブレーキング性能のため、周方向にはサイズにより2本もしくは4本溝グルーブが刻まれている。
BMW X5とアウディQ5、そしてポルシェ・マカンで試したが、ブレーキング時の安定性の高さやコーナリングでの高いグリップ性能が印象的であった。
このように豊富な冬用タイヤのラインアップを誇るピレリ。自身の愛車の特性や用途に合わせたモデルを是非とも選んで欲しい。
取材協力=ピレリジャパン https://www.pirelli.com/tyres/ja-jp/car/homepage
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