まずはBMWクラッシックから希少モデルでドライブ
8月のある日、LE VOLANT編集部から、BMW Club Japanの細渕会長が「9月にクラブ創立60周年の記念旅行でミュンヘンに行きますので、ご一緒にいかがですか?」とお誘いを頂きました。
BMWの膨大なコレクターの細渕会長の事はドイツでもとても有名で、そのお名前やお人柄はBMW M GmbHのファン・メール社長等から何度も伺ってはいたのですが、私には恐れ多くも今までお目に掛かる機会がなく、ちょっとドキドキ。こんな素晴らしい記念すべきクラブ創立60周年の大旅行に見ず知らずの無名ライターがご一緒させて頂けるなんて、なんと光栄な事でしょう。「是非、ご一緒させてください!」と即答してしまいました。私も末端ながらBMWのオーナーのひとりとあり、BMW Club Japanの会員ではないものの、お仲間に入れて頂いた気分で旅行を精一杯楽しみたいと思います。
【画像38枚】BMW Club Japanの創立60周年記念ツアーの模様はこちら
BMW Club Japanのご一行さまとお会いしたのは、ミュンヘンへご到着の翌日。私が住む近所のBMWクラシックでした。その日は朝からどしゃぶりでしたが、丁度私が家を出る時間には小雨となった事から、思い切っていつものママチャリで向かいました。
初めてお会いする細渕会長とBMW Club Japanのみなさまに、とても温かくお迎え頂き、初対面とは思えないほどに厚かましくもすぐに馴染んでしまいました。この日は早速、BMWクラシックがご用意してくださった稀少な車両に分乗しながら、あいにくの雨の中ですが、ミュンヘン市内を抜けてアウトバーンを走り、シュタンベルグ湖へドライブです。
既にドイツで自ら運転した経験をお持ちの方はもちろん、初めてのアウトバーン走行の方もいらっしゃり、ワクワクドキドキのドライブだったようです。到着時には少し雨脚も弱まり、美しいカフェで湖畔を眺めながらコーヒーを味わい、束の間の楽しい談笑のお時間でした。
次の目的地は、BMW M GmbH!逸る気持ちを抑えながら、Mへ行列をなしてのドライブです。一旦、Mへ車両を駐車してバスへ乗り換えてランチ会場へ向かい、おいしい地元バイエルンのお食事を頂いてからいよいよMの建物へ。
いよいよ待望のBMW M GmbHへ!
このBMW Club Japanの会員の方の多くはMのオーナーさんですので、まさにここは聖地! 敷地内のMスタジオにご案内頂き、フランシスクス・ファン・メール社長からのみなさまへのご挨拶に続き、シルビア・ノイバウワー副社長によるMのプレゼンテーションが行われ、クラブのみなさんまと私も一緒に興味深く拝聴しました。
BMW Club Japanから細渕会長が代表をして、ファン・メール社長へM GmbHの発展へのご貢献に対して感謝と尊敬の意を表して記念の盾が贈られました。その後は、M3 CSやモータースポーツのご担当者さまからそれぞれの車両のレクチャーや質疑応答のお時間も頂き、聖地での時間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。
最後にBMW M GmbHからBMW Club JapanのみなさまにはM社から特別なお土産がおひとりずつにお手渡されました。写真撮影は厳禁ではありましたが、新M2 CSのカモフラージュの車両が特別に展示されており、独特のオーラを放っていました。これを見せて頂けただけでもハッピーでした。
M GmbHのあるガルヒングから、再びBMWクラシックへ戻って、BMWの歴史や貴重な資料の数々をBMWクラシック代表の方からのレクチャーをして頂きました。初日から盛沢山なプログラムで、クラブのみなさんの瞳もキラキラしっぱなしです。
クラシックのコレクションホールに展示されている車両は、BMWが所有している車両の中のごく一部ですが、ずらりと並ぶ稀少車を目の前にするとどこから見始めたらいいのか迷ってしますよね。BMWクラシックの見学を終えて、みなさまはバスでご宿泊先のホテルへ戻られました。私はママチャリで自宅へと雨の中猛スピードで帰宅しました(笑)。
翌日は早朝からみなさまのご宿泊されているホテルのロビーに集合して、バスでアルピナへ出発! 私は長いドイツでの取材経験の中で、なんとアルピナには一度も伺った事がなかったのです。アンドレアス・ボーヘンシーペン社長らとはいつも現場でお会いしていましたので、わざわざ本社へ行く機会がないまま今に至っており、とてもよい機会を作ってくださった細渕会長やクラブのみなさまに大感謝です。
本社正面には日の丸の旗を揚げてBMW Club Japanのみなさまを大歓迎してくださり、なんとも嬉しい気分になりました。社内は残念ながら撮影は禁止されていたものの、アルピナの歴史からはじまり、最高級素材をお客様おひとりずつのご希望に沿い、手間暇を惜しまず細部まで丁寧に手作業で組み立てられていく工程を惜しみなく見せて頂き、開発についてもレクチャーを頂きました。
アルピナがなぜあれだけのプレミアム価格なのか、なぜ日本人の心を惹きつけるのか―――、短い時間ではありましたが十分に納得できるものでした。今回ご参加なさったクラブのおメンバーの半数の方がアルピナオーナーとあり、ご自身のお車が、この地で丹精を込めて作られ、日本へ渡ったとあり、みなさんはとても感慨深く製作の様子をご覧になっていました。
日本だけではなく、世界中にファンの多いアルピナワインの倉庫や、極秘といっても過言ではないワインセラーにもお招き頂いて、キリリと冷えたプロセッコでBMW Club Japanとアルピナ社との長年の友好と信頼関係に乾杯!
次はアルピナ社からのご招待で、アルピナ社御用達のビアレストランでランチタイムです。途中から超多忙を極めるアンドレアス・ボーヘンシーペン社長も合流してくださり、アルピナオーナーさんたちのコーフン度はマックスです!お忙しい中、おひとりずつとの記念撮影に応じてくださった他、ミュンヘンへ向かうバスのお見送りまでしてくださって感動しました。
世界に名立たるアルピナですが、他の自動車メーカーのような財閥的な規模ではありません。それゆえに、顧客ひとりひとりに寄り添った心のこもったおもてなしにはとても感動をしました。一度アルピナを手に入れたオーナーさんたちが、次もそれをお選びになるお気持ちが良く理解出来ました。私たちのバスへ向かって名残惜しく手を振ってくださるアルピナ社のみなさんとお別れし、ミュンヘンの中心地 マリエンプラッツの市庁舎までやってきました。
今回の度は夢のような欲張りプランで、あれも見たい、これもやりたい! を全て叶える内容のツアーとあり、それぞれの工程が若干タイトなスケジュールながら、クラブのみなさまはとてもタフです。日頃は団体行動をする事もなければ、こんなにあちこち行く事がない私が一番ヘタってかも知れません(笑)。マリエンプラッツでは束の間の自由行動でしたのでお買い物へ行く方、市内中心の観光をされる方に分かれました。我が街ミュンヘンにBMWC lub Japanのみなさまがいらっしゃるなんて、なんて光栄な事でしょう。
この日の盛沢山のプログラムはまだまだ続きます。BMWオーナーさんたちには絶対に外せない、本社敷地の大型ショールームBMW Weltとミュージアムです。それこそ、私が住むアパートの超至近距離です。過去にここを訪れた方々には懐かしくもあり新たな発見を、初めていらっしゃる方にはまさしくBMWのWelt(世界)をご堪能頂きたいと願っています。私は普段この近所に住んでいる事もあり、この辺りを日常的にママチャリで行動していますので、クラブのみなさまのセレブリティ溢れる雰囲気を壊さないようにしなければなりませんね。そんなこんなでこの日はBMW Welt内のレストランでのディナーでこの長い一日は終了しました。
BMW Club Japanのみなさまのステキな旅はまだまだ続きます。
この記事を書いた人
武蔵野音楽大学および、オーストリア国立モーツアルテウム音楽院卒業。フリーランスの演奏家を経て、ドイツ国立ミュンヘン大学へ入学。ミュンヘン大学時代にしていた広告代理店でのアルバイトがきっかけでモータースポーツの世界と出会い、異色の転身へ。DTM、ル・マン/スパ/ニュルブルクリンクの欧州三大24hレースを中心に取材・執筆・撮影を行う。趣味は愛車のオープンカーでヨーロッパのアルプスの峠をひたすら走りまくる事。蚤の市散策。
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