FRの孤塁を守った小型ハッチ
様々なヒストリックカーを精力的にキット化しているハセガワから、またも嬉しい新製品アナウンスがなされたのでお伝えしよう。1/24スケール・プラモデルとして今年11月下旬に発売予定の「トヨタ スターレット KP61 S(3ドア)中期型(1980)」である。
【画像11枚】完成見本や3D CAD画像を見てハセガワ製スターレットの全貌を把握!
1978年2月に登場した二代目スターレット(KP61型)は、それまでの大衆車パブリカとその上級版パブリカ・スターレットを統合して生まれた小型大衆車である。世界的な潮流に乗って2ボックスのハッチバック・スタイルを採る一方、機構的にはFFではなくFRを採用。1.3Lの4K-Uエンジン、前ストラット/後ろ4リンクのサスペンション、ラック&ピニオンのステアリング、前輪ディスクブレーキ(全車標準)などによる優れた操作性が好評だった。
二代目スターレットは1984年のフルモデルチェンジに至るまで、6年半以上の長きにわたり生産されており、外観の特徴から大別すると3つに分かれる――丸型ライトの前期型、角型ライトに変更された中期型、ヘッドライトの横に車幅灯を配した後期型である。一方その走行性能から、安価な中古車となっても手軽なFR車、ボーイズレーサーとして人気が高く、ラリーやレースで活躍した(新車当時から宣伝広告でそうした側面をアピールしてもいた)のであった。
待望のキット化、念願成就の想いを抱く人は多いだろう
今回ハセガワがキット化するのは、このKP61スターレットの中期型、スポーティグレードのSである。二代目スターレットのプラモデル化としては、海外メーカーからの製品化が予告されたこともあったが(未発売に終わった)、今回が初めてということになる。ハセガワからは3D CAD画像にとどまらず、テストショットのパーツどころか、もうすでに完成見本の写真が公開されているのだが、ご覧の通り素晴らしい内容であることが窺える。
いつも通り徹底した実車取材を基に作り出されたその内容は、実車そのままのプロポーションとディテールからなるエクステリア、詳細に再現されたシャシー、ダッシュボードなどのモールドが緻密なインテリアと、全くもって隙がない。実車スターレットの宣伝キャッチとして「較べたし。」というのが有名だが(前期型)、ハセガワでは、FFとなった三代目スターレット(EP71型)もすでにキット化している。二、三代目スターレットの作り較べと洒落込むのも楽しいだろう。
キットの構成としては、ボディはレッド成型、メッキパーツはヘッドライトのリフレクターやフェンダーミラー鏡面、ホイールリムなど。シート中央の柄もデカールで用意されるようで、ありがたい配慮である。価格は3,520円(税込)、発売時期は今年11月下旬の予定。
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