完成への道は遠いようで…遠い!旧グンゼ製ハイテックモデル「ジャガーEタイプ」を地道に作ってみる・第2回

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メタルパーツの開孔位置マークは信じるな!?

30年越しでグンゼ(現GSIクレオス)のハイテックモデル、ジャガーXK-E(Eタイプ)を完成させてみようという若干無謀なこの企画、今回で2回目となる。今回は、第1回では少々ウソをついていたことを告白せねばなるまい。

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……と言っても大した話ではない。30年間このキットをストックしておいたのが、「今の自分では完成させるのはムリだ」と思ったからというのは、これはもちろんその通りなのだが、それだけが理由でもない……ということである。

前回「ほんのすこしパーツを弄ってみた」と書いた通り、メタルパーツにワイヤーブラシをかけてみたり、あるいはコンパウンドで磨いたり、といった、制作に大きな影響を与えない作業は、購入直後にもちょっとだけしていた。そこでパーツの孔開け作業を1ヶ所だけやってみたのが、これが一目でわかる大失敗! その修正法も思い浮かばず、その記憶を自ら抹消するしかなかった……。キットを死蔵し続けていたのは、それが理由のひとつでもあるのだ。

具体的には、サブフレームのパーツにある左側ロアアーム前側の取り付け孔である。パーツには印が元々ついている(少し凹モールドになっている)ので、その通りなら問題なかろうとドリルで孔を開けてみたのだが、その後で左右を比べてみると、全く位置が上下にズレているのだ。パーツに付けられていた印が元々ズレていたのだろう。

材質が何であれ、一旦開けた孔を埋めてそこから微妙に位置をずらして孔を開けるのは、非常に難しい作業である。ドリルの刃が途中で元の孔にずれ込んでしまうか、それを避けようとすると位置が遠くなりすぎるか、ふたつにひとつだ。

解決策はふたつある!
今になって考えると、例えば開けた孔をすこし大きめに広げておき、そこへ希望の位置に金属のパイプ(開けるべき孔の径と内径が合うもの)を通して、余計な隙間を埋めて整形する、というようなやり方も考えられる。こうしたアイデアが出てくるのも、経験を積んだからであろうか。場合によってはそうしたやり方で修正することも念頭に置きつつ、とりあえずはフロントサスペンションの仮組みを行ってみたのである。

一部をテープで留めているが、フロントサスペンションはこのように組み上がる。金属というだけで、普段のプラモよりもメカニカル度が増して感じられるようだ。

仮組みをしてみるとやはり左右でズレが生じてしまうようだ。失敗した取り付け孔は下にズレているので、逆にサスアームがショックアブソーバーで上に引っ張られる形となって、ナックルの位置が高くなってしまうのである。これはリカバーする以外ないが、前述のような困難が予想されるので、どのように作業するかしばし思案。

ズレは0.5mm程度のようだったので、元の孔は虫ピンを通して埋めてしまい、上にずらした位置に新しく孔を開けることにした。ギリギリのところに孔を開ければ、ドリル刃は埋めたピンに弾かれて、丁度虫ピン1本分上にずらした位置に孔が開くだろう(虫ピンは太さが0.5mm程だ)。

……といった具合に考えて開孔し直し、仮組みしてみると、これで解決できたようである。30年越しの心配のうち、小さなひとつをやっと解消できた。ちょっと晴れ晴れした気持ちである。

作例制作・写真・文章:秦 正史

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