
拡大するプレミアムSUV市場に寄り添って生まれた「アレンザ」
SUVが人気になり始めたのはオンロードを得意とするクロスオーバーの登場が相次いだ2000年代からで、年を追うごとに右肩上がりで販売台数およびシェアを伸ばし続け、いまでは日本の登録車の約30%。2022年にはついにミニバンを超えるに至り、乗用車のメインストリームと言える存在になった。背が高く、車両重量も嵩むSUVは、セダンやハッチバックなど低全高なモデルに比べると然るべき操縦安定性と快適な乗り心地を両立させるのは難易度が高いことは自明だが、最近では技術が進化し、とくにプレミアムSUVは、背の高さや重さをほとんど意識させないぐらいにレベルが高まった。
ブリヂストン“ALENZA(アレンザ)”は、そういったプレミアムSUVに相応しい専用タイヤのブランドとして2017年から展開を開始。いまでは「Tasting ALENZA Premium Tire for SUV(滑らかさと、心地よさと。これからのプレミアムを味わってください。)」をコミュニケーションワードに掲げ、運動性能重視の“ALENZA 001”と静粛性と快適性を重視した”ALENZA LX100”の2種類をラインアップしている。カーズミートWEBでは2022年2月に、両方のタイヤを試乗してインプレッションをお届けしたが、今回は“ALENZA(アレンザ)”の生まれてきた背景や技術的な特徴などを紐解くべく、ブリヂストンの開発担当、商品企画担当の方にインタビューさせて頂いた。
多様化するSUVに合わせ、新しいブランド『ALENZA』を立ち上げた
商品企画・塚本氏(以下、塚本)「“ALENZA(アレンザ)”が誕生したのは、SUVマーケットの拡大、そして多様化に対応する必要があると判断したからです。過去のSUVは4×4(フォーバイフォー)やRV(レジャーヴィークル)などオフロードのイメージが強いモデルが多かったのですが、昨今はオンロードで使われることがほとんどで、オンロード向きの特性のモデルも増えました。そういった時代の変化に合わせた商品展開を考えたときに、新しいブランドを立ち上げ、プレミアムSUV専用タイヤとしてしっかりと取り組んでいることをお客さまにアピールしていきたいという思いがありました」
――新ブランド立ち上げは時代に合わせた必然だったとも言える。SUVユーザーにとって、タイヤをチョイスするなら“ALENZA(アレンザ)”で間違いないというわかりやすさもありがたいことだろう。開発はどのように進められたのだろうか?
開発担当・永井氏(以下、永井)「商品企画でマーケットの声を調査しているので、それを元に議論して目標性能を設定しました。オンロード性能が重視されていることを踏まえ、グリップ力や静粛性、乗り心地などを高いレベルでまとめるべく開発してきました」
――“ALENZA(アレンザ)”はSUV向けのプレミアムタイヤと謳っているが、その理由は?
塚本「弊社の商品ラインアップの中でもREGNOやPOTENZAと言ったプレミアム商品は、その高い性能が評価されお客様の満足度が比較的高い商品です。
ALENZAをオンロードSUV領域でREGNOやPOTENZAのようにお客様にご支持頂けるブランドにしたいと考え、プレミアム商品として開発しました」
――第一弾商品の“ALENZA 001”は2017年、第二弾商品の“ALENZA LX100”は2021年に発売されましたが、最初から二本立てというのは考えていたのだろうか?
塚本「当初から予定しておりました。前身の“DUELER(デューラー)”ブランドでも、スポーティなモデルとコンフォートなモデルをラインアップしていました。それを踏まえてマーケットの変化などを見据えて“ALENZA(アレンザ)”を世に出していくときに、モデルサイクルなども考慮しながらまずは“ALENZA 001”を、そして然るべきタイミングで“ALENZA LX100”を発売いたしました」
――“ALENZA 001”と“ALENZA LX100”のキャラクターの違いは?
永井「“ALENZA 001”はグリップ力や操縦性を重視したモデルになります。一方の“ALENZA LX100”はコンフォート志向で乗り心地と静粛性を高めた商品と言えます」
スポーツ志向の001、コンフォート志向のLX100、それぞれの持ち味
――昨年の試乗では“ALENZA 001”はアウディe-tronに履かせたのだが、大型BEV(電気自動車)ゆえに車両重量は2.5tを超える重量級。それでもタイヤの剛性感がしっかりと感じられ、アウディらしいスポーツ性を引き出していた。技術的にはどこがポイントなのだろうか?
永井「乗用車用のタイヤと比べると、SUV専用設計タイヤは骨格部分のベルトの補強材が1枚ではなく2枚になっているところが違います。これで剛性を高めているので、しっかり感があるという印象に繋がる要素の1つになっています。タイヤの剛性というと、サイドウォールのバネ剛性とベルトのリング剛性の2つがあげられますが、“ALENZA 001”はおもにベルトの剛性で運動性能を高めています」
――“ALENZA 001”は運動性能重視ということで、とくに静粛性などは謳っていないが、ロードノイズやパターンノイズが耳に付きやすいBEVでも気になるようなことはなかった。
永井「“ALENZA 001”もSUV向けですから、運動性能が高いからといって静粛性を犠牲にしていいわけではありません。弊社従来のスポーツタイヤなどに比べれば格段に静かです。また、ある特定の周波数にピークを持っていると不快に感じやすいのですが、そうならないように分散させる工夫をしています」
――滑らかな路面からザラザラとした路面にパッと切り替わったときでも、音の変化幅が少ないように感じられたのは周波数を分散させている効果だろう。“ALENZA 001”の開発時にはBEVはまださほど多くなかったが、先を見越していたということだろうか?
塚本「開発のタイミングでは5年先、10年先のことを考えています。SUVのなかでもより重く、静粛性に厳しいBEVが増えていくだろうことは予想していましたので、BEVの特性を見据えた開発を実施しています」
――一方で“ALENZA LX001”はボルボXC90にて昨年の試乗を行ったのだが、ロードノイズが徹底的に抑え込まれ静粛性が際立っていた。こちらの技術的ポイントはどこなのだろうか?
永井「“ALENZA LX100”はコンフォート志向ですので静粛性にはこだわって開発しました。見た目にもわかりやすいのはトレッドパターンの3Dノイズ抑制グルーブというもので、ダブルブランチ型消音器となっていて静粛性に効いています。もう一つ、見た目にはわからないシークレットグルーブというものも採用していまして、こちらは摩耗が進んでも静粛性が落ちないように工夫した技術です。また、タイヤのフォルムを見ていただくと“ALENZA 001”はショルダー部がやや角張っていて踏ん張りが効くようなカタチであるのに対して、“ALENZA LX100”は少しなだらかになっていて、静粛性や快適性を高めています」
――ところで“ALENZA 001”は16インチから21インチ、“ALENZA LX100”は15インチから22インチまでとじつに豊富なサイズラインアップを揃えているが、たいへんな苦労ではないのだろうか?
永井「SUVと一口にいっても軽自動車から大型SUVまであって、タイヤサイズも幅広いのですが、接地圧を均等にするのが非常に重要なポイントとなりまして、すべてのサイズで接地形状を確認して、それぞれに最適化するというところには苦労しました」
――SUV向けのプレミアムタイヤということで、運動性能重視、コンフォート重視というだけではなく、耐摩耗性や転がり抵抗低減などといった基本的な性能は全方位で高める必要があると思われるが、そこにも苦労はあるのだろうか?
永井「そのためには、新しい構造や新しい素材などの研究・開発も日々取り組んでいます。“ALENZA 001”では専用のコンパウンドを投入しました。“ALENZA LX100”ではトレッドパターンなどにブリヂストンの新技術を採用しています」
――“ALENZA 001”は発売からすでに6年、“ALENZA LX100”は2年が経っているが、ユーザーからはどんな声が聞かれているのだろう?
塚本「我々が性能を味わって頂きたいポイントに対して好評価を頂けております。“ALENZA 001”では『グリップが高い』ですとか『ハンドリングが楽しい』というお声を多く頂いていますし、“ALENZA LX100”は『静かなのでオーディオの音量を下げてもよく聞こえる』『ドライブ中に会話がしやすくなった』とおっしゃって頂いています」
――最後に、“ALENZA 001”と“ALENZA LX100”のチョイスで迷わないよう、お二人に買い方のアドバイスを頂くことにしよう。
塚本「家族との会話や音楽を楽しみながらゆったり運転したい、あるいは長距離移動が多い方には“ALENZA LX100”をおススメします。一方“ALENZA 001”は、運転を楽しみたい、あるいは雨の日の安全を重視される方にオススメです」
永井「性能的にはいまの塚本の話であっていますが、見た目の違いもありますよね。“ALENZA 001”はパターンやショルダーなどがスポーティです。そういったルックスで選ぶというのもありですよね」
どちらもSUV向けプレミアムタイヤではあるが、走らせてみればキャラクターの違いははっきりとしている。運動性能重視かコンフォート重視か、好みでチョイスして間違いはないはずだ。また、クルマのキャラクターに合わせるというテもある。たとえばメルセデス・ベンツやボルボなどは“ALENZA LX100”、BMWやアウディ、ポルシェなどは“ALENZA 001”がそれぞれマッチングとしてはいいだろう。逆に、ボルボに乗っているけれど、もう少しハンドリングの俊敏性を上げたいと思うのなら“ALENZA 001”をあえてチョイスするというのもあり。いずれにせよ、狙った通りの性能を発揮してくれるのは間違いない。アレンザの掲げる「Tasting ALENZA Premium Tire for SUV」の通り、“ALENZA”を履けばSUVとのカーライフが、より豊かで濃密なものになるはずだ。
ALENZA “五感で味わう、プレミアムギフト” プレゼントキャンペーン実施中!
ブリヂストンでは、アレンザを4本購入いただいた方に抽選で洗練さ・上質さを味わって頂けるプレミアムギフトをプレゼントする『ALENZA “五感で味わう、プレミアムギフト” プレゼントキャンペーン』を実施中だ。
応募締切:2023年6月11日(日)まで
詳しくは下記バナーより専用サイトをご覧ください。
- 左がアレンザLX100、右が001。プレミアムSUV専用に開発されたふたつのタイヤ、今回その開発秘話に迫りたいと思う。
- アレンザ(ALENZA) 商品企画担当の塚本氏。
- 今回インタビューと記事執筆を担当したモータージャーナリストの石井昌道氏。
- アレンザ(ALENZA)開発担当の永井氏。
- 進化するプレミアムSUVに合わせて、進化した専用タイヤ「アレンザ」で、プレミアムSUVとのカーライフがより豊かになるだろう。
- ALENZA 001ではブロックの端の角を丸める”チャンファリング”という技術によって制動時のタイヤの変形を抑制。重量のあるSUVでも思いのままの操縦性を実現。
- コンフォート志向のALENZA LX100はトレッドパターンに3Dノイズ抑制グルーブを採用。“ダブルブランチ型消音器”によって静粛性の向上に寄与している。
- 昨年のロードインプレッションではALENZA 001をアウディe-tronに装着し試乗を行った。重量の大きいEVでも高い剛性感を生かし、しっかりとクルマの挙動をコントロールできたのが印象的だった。
- LX100はボルボXC90で試乗。気になるような音質は徹底的に抑制されており、街乗りでは乗り心地の良さも際立っていた。
■関連記事
- 高い静粛性と運動性能が特徴の2つのSUV専用タイヤ、ブリヂストン「ALENZA(アレンザ)」【サマータイヤカタログ2023】
- 【国内試乗】ボルボの最新MHEV/PHEV/BEVモデルを九州で一気乗り!
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