【国内試乗】日本専用のブラックバンパー&スチールホイール仕様も用意されているのは嬉しい限り!「ルノー・カングー」

日本で独自のカルチャーを育み、フレンチミニバンという新しいジャンルを単独で築き上げてしまったルノー・カングー。お待たせしました、待望の新型がいよいよ日本の公道に姿を現します! カングーのベテラン&フレッシャーなファンの皆さん、新生カングーの第一報をお楽しみください!

なんと開発段階で乗用車の3倍もテスト!

「20年以上、ずっと売れ続けているクルマは?」と聞かれたら、絶対に名前が挙がるクルマのひとつが、ルノー・カングー。昨年開催されたカングー・ジャンボリーで、フルモデルチェンジを果たした新型がお披露目された途端、ディーラーさんに駆け込んだ方もいるらしく……。いやはや、すさまじい大人気モデルであります!

ルノーブランドのアイデンティティともいえるCシェイプデイタイムライトを装備。先代まではLEDヘッドライトはオプションであったが、新型からは標準装備となる。

そもそも初代がやってきた頃、日本はミニバンブーム真っ盛りで、最初の頃は「ミニバンは使いやすいけど、人と同じはイヤなんだよね」という個性派ユーザーが飛びついた記憶もありますが、そのうち「カングーしかやってないこと、できないこと、たくさんあるじゃん!」ということが知れ渡り、人気に火が付きました。それは新型となる3代目も同じ。ルックスがカワイイだけじゃありません。
まず、もはや言うまでもありませんが、カングーは商用車ベースのクルマです。「フランスの郵便車が、なぜこんなに人気なの?」なんて揶揄された時代もありましたが、実は商用ベースだけにハードな試験が施されており、開発段階でなんと乗用車の3倍も走行テストが行なわれています。つまり耐久性がメチャクチャ高いんですよ。カングーニーズの高そうな子育て世代や、アウトドアが趣味でクルマを使う方々には、頑丈である! ということは、何よりのアドバンテージになりますよね。

全長は210mに拡大したものの、最小回転半径は0.2mの拡大に留められた5.6m。なお、競合のシトロエン・ベルランゴも5.6mの同値となるが、全長は新型カングーが85mm短く、取り回し性はわずかだがカングーに軍配。

しかし、商用ベースだからこそ「そこは働くクルマだから、まぁいいでしょ」的な感じで、省略されていた部分があったのも事実。例えば、静粛性なんかがそうです。新型は遮音材の適所配置はもちろんのこと、ガラスの板厚もアップしておりまして、まぁ静か! 段違いで会話が楽しめるレベルになりました。なんたって、室内にいるとガソリンかディーゼルか、わからないくらい静かですからね。もはや完全に好みや経済性で選べばOKです。

ボディと同色のカラードバンパーを装着した1.3Lガソリンターボ。低回転域ではスムーズなレスポンスを披露する一方、アクセルを踏み込めば瞬時に力強いトルクを発揮してくれ、走りに鈍重さは皆無。

ちなみに乗り味的には、90kgの車重の差が大きいのだと思うのですが、ガソリンモデルは軽やか。ディーゼルはドッシリ安定という感じ。エンジンフィール的には、低速域からトルクフルながら、どちらも伸びやかさがある設定で、これまで日本のミニバンを乗っていた方でも、違和感ないハズです。
今回はどちらも湿式7速EDCモデルとなりますが、多段化によりシフトショックはないものの、ダイレクト感はあるという感じで、ストレスフリー。ドライブモードもエコ、ノーマル、ペルフォ(パフォーマンスモード)の3種類からチョイスできて、積載量やシーンに合わせて運転が楽しめます。

ブラックバンパーに16インチのスチールホイールを装着した1.5Lディーゼルターボ。乗用車仕様のブラックバンパーは日本独自の設定。もちろん、ガソリン車でブラックバンパー仕様を選ぶことも可能。

それには、フロントメンバーやリアトーションビームを新規開発したり、サスペンションメンバーをルノーの上級車種であるエスパスから流用したりと、足まわりのテコ入れが利いておりまして、ストロークは変えずにロールを抑え、乗り心地の良さはそのままに安定性が向上。そのおかげで、ステアリングレシオを17:1から15:1とクイックにすることもでき、ハンドリングのリニアリティや取り回しもグッとよくなりました。
さらに、ADAS機能が装備されたんですよ! これこそ隔世の感ですよね。ルノー車に装着されている最新のステアリング制御も当然備わっているので、ロングドライブがラクになること請け合いです。楽しく快適でラクに操り移動できるようになるなんて、クルマとして最高の進化ですよね。

やっぱり真髄はユーティリティにあり

でもカングーの場合、それより何より注目されるのがユーティリティ性能だったりしますが、ご心配なく。足まわりは進化しましたが、ラゲッジスペースへの出っ張りは一切ありません。さらに荷室開口部+141mm、荷室長+110mmと広くなりました。なんと、後部座席を倒して2名乗車にすると荷室長は1880mmになります。

狭い場所でも開閉可能なダブルバックドアを擁するラゲッジスペースは、通常時で先代から115L拡張された775Lを確保。リアシートをフラットにすれば、先代から132L拡張された2800Lものスペースが広がる。スライドドアの開閉も驚くほどスムーズに。

ちなみにリアのオーバーヘッドボックスはなくなりましたが、実はココ「ここに入れた荷物を出すのはクルマを売る時」と言われるくらい、本国でも活用されていなかったそうで、空間の広さに割り当てられた次第。おかげで2800Lという、とんでもない容量を積み込める空間が出現することになりました。
もちろん! 初代から続くダブルバックドアも健在。180度完全に開きますし、地上から荷室開口部までの高さも594mmと低いので、荷物の積みやすさは今まで通り、目を見張るほどです。

7インチTFTメータークラスター、運転席側ボンネットの小物入れなど、目新しいインテリアも増えた一方、走行モードセレクトも行なえるようになりエコ、ノーマル、ペルフォから選択可能。

ちなみに前席上部のオーバーヘッドコンソールはあります! インパネアッパーボックス内にもアクセサリーソケットとUSBポートが2つも付いたりして、後席用も入れると車内にはUSBポートが5つ。アクセサリーソケットが4つと、電源が必要なものが増えたイマドキの暮らしに対応できるようになりました。
そんな具合で、細かいことを挙げるとキリがなく、クルマに近づくと自動的にドアが開閉し、カギを挿さなくてもエンジン始動できるハンズフリーカードキーや、電動パーキングブレーキ化など「エッ!? これがカングーなのっ!?」と、大声出したくなるほど新しいポイントはまだまだあります。
さて、ラストはデザイン。ボディ同色バンパー仕様とブラックバンパーのどちらにするか、実はこれが最大の悩みどころかもしれませんが、乗用モデルのブラックバンパー仕様は、日本のみの設定だそう。
う〜む、どうします? あとは実物を見てぜひ悩んでください。これからも人とは違うルドスパス(遊びの空間)として、人気が続くのは間違いなさそうですから。

【Specification】ルノー・カングー・インテンス(ガソリン)[クレアティフ( ディーゼル)]
■全長×全幅×全高=4490×1860×1810mm
■ホイールベース=2715mm
■トレッド(F:R)=1580/1590mm
■車両重量=1560kg[1650kg]
■エンジン種類=直4DOHC16V+ターボ[直4SOHC8V+ターボ]
■排気量=1333cc[1460cc]
■最高出力=131ps(96kW)/5000rpm[116ps(85kW)/3750rpm
■最大トルク=240Nm(24.5kg-m)/2500rpm[270Nm(27.5kg-m)/2000rpm]
■燃料タンク容量=54L(プレミアム)[54L(軽油)]
■トランスミッション=7速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:トーションビーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F&R)=205/60R16(6.0J)
■車両本体価格(税込)=3,950,000円[4,190,000円]
■問い合わせ先=問い合わせ先=ルノー・ジャポン ☎0120-676-365

ルノー・カングー公式サイト

フォト=岡村昌宏 M.Okamura(CROSSOVER) ル・ボラン2023年4月号より転載

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竹岡 圭
AUTHOR
2023/03/15 19:30

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