この進化っぷりは現オーナーも満足すること間違いなし!
実に14年ぶりと、まさに待望のフルモデルチェンジとなった「ルノー カングー」。「LUDOSPACE(ルドスパス)=遊びの空間」として親しまれたカングーならではの世界観が「もっと遊べる空間」へと大きく進化を遂げて登場してきた。
そのスリーサイズは、全長4490mm×全幅1860mm×全高1810mmと、 先代より全長は210mm長く、全幅は30mm拡大され、ひと回り大きくなった印象だ。ちなみにホイールベースは2715mmで同じく15mm延長されている。
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外観では、ルノーモデルに共通するフロントグリルやCシェイプのデイタイムランプといったデザインに加え、フロントガラスを寝かせて流線形なフォルムへと刷新。ボンネットに刻まれたリブや抑揚のあるボディラインにより力強さが増している。またリアでは、カングーらしさが溢れるダブルバックドアとともに、コンビネーションランプにもCシェイプシグネチャーが採用されたのもトピックだ。
一方内装は、ダッシュボードが水平基調のデザインとなり、トリムにはクロムパーツを配するなど質感がアップ。フロントシートはサイズを拡大しつつサポート性も向上している。3座独立タイプで6:4の分割式となるリアシートも、足元のスペースはかなり広く、大人3人がしっかりと乗車することが可能だ。
また、ダッシュボードセンターの8インチディスプレイは、スマートフォンミラーリング機能を装備しており、Apple CarPlayやAndroid Autoを介して、グーグルマップや音楽といった各種アプリが利用できるとともに、後退時にはバックカメラの映像が表示されるなど利便性も向上している。
カングーといえば、収納スペースが豊富なのも特徴のひとつであるが、これは新型でも踏襲されており、ドアポケットやカップホルダーはもちろん、オーバーヘッドコンソールにインパネ上部、ダッシュボードにもトレイが備わっており、使い勝手の良さは健在。
さらに元々スクエアな形状で積載性に優れていたラゲッジスペースは、全長が伸ばされたことで床面長も通常時1020mmと+100mm、後席を折りたたむと1880mmと+80mm拡大されており、容量も通常時が775L(+115L)、後席を折りたたむと2800L(+132L)と積載量もかなり増えたのもトピックと言えるだろう。ちなみに床面の地上高は594mmと低いため、重い荷物をさほど持ち上げることなく積載することが可能だ。
パワートレインは、1.3L直4ガソリンターボと1.5L直4ディーゼルターボの2種を用意。前者は最高出力131ps、最大トルク240Nmと必要十分なスペックで、後者は116ps&270Nmとトルクフルでレスポンスの良さが特徴となっている。組み合わされるトランスミッションは、両エンジンとも湿式デュアルクラッチタイプの7速AT(7EDC)だ。
まずはガソリンモデルで走り出してみると、その乗り味の進化に驚いた。カングーはそもそもLCV(ライト コマーシャル ヴィークル)、つまり商用車使用を想定しているだけあって、以前のモデルではややコツコツした乗り心地や、遮音材をあまり使用していないことによるノイズが”味”のひとつでもあったのだが、新型では非常に滑らかで静粛性も高い。
これはサスペンションのストローク量を変更せずロールを抑えるセッティングにしたことをはじめ、遮音材の追加や全ての窓ガラスの厚みを増したことが効いているのだろう。つまり乗用車的な乗り味に進化していたのだ。
ハンドリングも、ステアリングレシオが17:1から15:1へとよりクイックとされたことで、コーナーへのトレースもスムーズ。前述の通りロールを抑えたサスペンションの味付けにより、全高からくる腰高感も気にならず安定して走ることができた。
ディーゼルモデルでは、アクセルを踏み込んだ際のエンジン音こそやや大きめに感じるものの、巡行時ではほとんど気にないレベル。ガソリンモデルよりも車重があることもあって、乗り心地は一層落ち着いた印象で、静粛性と軽快さを望むならガソリン、乗り心地重視ならディーゼルを選ぶのがいいと思う。
そして、新型カング―では先進運転支援技術が搭載されたのもトピックと言えるだろう。特に高速道路等で前方車との距離を確保しつつステアリングをアシストしてくれる機能のアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、週末荷物を満載してキャンプやアウトドアに出かける機会の多いオーナーにとっては非常にありがたい装備。帰路の渋滞時にも疲労を低減してくれること間違いなしだ。
その他にも、前方の車両や障害物、歩行者や自転車に衝突する可能性を感知し、アラーム音や表示灯により ドライバーに警告を行い、衝突の危険が高まると、ドライバーのブレーキ操作をサポートし、衝突時の被害や衝撃の軽減するアクティブエマージェンシーブレーキは万が一の時に有効であるし、暗い道でハイビームで走行中に、対向車のヘッドライトを感知したり、先行車に近づくと自動的にロービームに切り替わるオートハイ/ロービーム機能などは便利。こうした、ドライバーをサポートしてくれたり操作のわずらわしさを解消してくれるシステムはありがたいだろう。
惜しむらくは、日本市場からリクエストしていたというオートスライドドアが採用されなかったのが唯一残念なところともいえるが、改良もしくはマイナーチェンジで搭載されることを期待したいと思う。
ルノーは、この新型カングーを導入するにあたり、日本市場で要望の多かった樹脂バンパーやスチールホイール仕様も特別に用意してくれたとのこと。カングージャンボリーをはじめ、フランス本国では日本でこれだけカングーが愛されているのは驚きだったようで、今後日本からのリクエストが実現される可能性も高いことから、オーナーの方はディーラーの営業マンに要望を伝えるのをお勧めしたい。
それにしてもこの新型カングー、14年ぶりのフルモデルチェンジという優位性を加味しても全方位の進化は著しい。現カングーオーナーにとっても、触れてみれば満足すること間違いないはずだ。
【Specification】ルノー・カングー・インテンス(ガソリン)[クレアティフ( ディーゼル)]
■全長×全幅×全高=4490×1860×1810mm
■ホイールベース=2715mm
■トレッド(F:R)=1580/1590mm
■車両重量=1560kg[1650kg]
■エンジン種類=直4DOHC16V+ターボ[直4SOHC8V+ターボ]
■排気量=1333cc[1460cc]
■最高出力=131ps(96kW)/5000rpm[116ps(85kW)/3750rpm
■最大トルク=240Nm(24.5kg-m)/2500rpm[270Nm(27.5kg-m)/2000rpm]
■燃料タンク容量=54L(プレミアム)[54L(軽油)]
■トランスミッション=7速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:トーションビーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F&R)=205/60R16(6.0J)
■車両本体価格(税込)=3,950,000円[4,190,000円]
■問い合わせ先=問い合わせ先=ルノー・ジャポン ☎0120-676-365
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