ボクらのヤングタイマー列伝:第41回『ランドローバー・ディスカバリー』”普及版”でもしっかりランドローバー、な初代ディスカバリー!!

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遠藤イヅルが自身のイラストともに1980年代以降の趣味車、いわゆる”ヤングタイマー”なクルマを振り返るという『ボクらのヤングタイマー列伝』です。今回は英国車ということで、まだ取り上げたことのないランドローバーから初代ディスカバリーをピックアップ。もちろんあのOEM車もご登場頂きましたヨ!

ボクらのヤングタイマー列伝第40回『日産スカイライン』の記事はコチラから

そうそう初代ディスカバリーといえば……はい、ホンダ・クロスロードの話をしないわけには参りません!

クルマの中には、登場年式が”そんなに前なの?”という車種があります。今回お送りする『初代ランドローバー・ディスカバリー』も、まさにそう思わせてくれる1台です。ではクイズ! 現行型で5代目を数えるディスカバリー、初代登場は何年でしょうか……。正解は1989年。そう、もう30年以上も前なのです!

初代ディスカバリーは世界に名だたる高級RV(そう、当時はSUVなんて言葉はありませんでした)、レンジローバーと可能な限りパーツを共有、装備も簡略化して価格を下げた”レンジローバーの普及版”として登場。シャシーから駆動系、サスペンション、フロントやサイドの窓に至るまで共用化していたほかテールランプをローバー・マエストロ・バン(!)から流用するなど、ローバー・グループ各車のパーツも積極的に内外装に使用しつつ、レンジローバーでおなじみの車高調整機能は省略していました。これらコストダウンの効果は大きく、1991年頃の日本での販売価格はレンジローバーが800万円超だったのに対し、ディスカバリーはその半額、約400万円に抑えられいたのです。

しかしいかに”廉価版”とはいえ、そこは天下のランドローバー。レンジローバーのラダーフレーム+前後リジッドサス+フルタイム4WDという足まわりを流用したことで、レンジローバーが元来持っていた悪路走破性をしっかり受け継ぎ、内装も高級感たっぷりに仕上がっていました。エンジン、トランスミッションも基本的にはレンジローバーから引き継がれ、ガソリンエンジンはおなじみのローバー製3.5リッターV8OHV(しかも初期はキャブレター)で、2.5リッター直4ディーゼルターボも選ぶことができました。1994年にはマイナーチェンジでフロントマスクなどに変更を受け、V8は3.9リッターに排気量アップしています。

そうそう初代ディスカバリーといえば……はい、お待たせしました。『ホンダ・クロスロード』の話をしないわけには参りません! 1990年代初頭、日本で起こったRVブームに対し持ち駒がなかったホンダは、OEM車で凌ぐことに。そこでまずホンダとローバーが提携関係だったことを利用して、初代ディスカバリーにホンダ・バッヂをつけて販売したのです。当時これだけでも驚きましたが、さらに、いすゞからは『ミュー』を『ジャズ』として、『ビッグホーン』を『ホライゾン』として販売したのです! SUVが販売の主軸という現在からは考えられない大雑把な戦略ですよね(涙)。ご想像のとおりOEM3車種の売れ行きは芳しくありませんでしたが、その後ホンダはライトクロカンの『CR-V』(1995年)、『HRV』(1998年)など自社開発4WDモデルを相次いで発売。それまでのつなぎ役を立派に務めたのでした。

カー・マガジン496号より転載

この記事を書いた人

遠藤イヅル

1971年生まれ。東京都在住。小さい頃からカーデザイナーに憧れ、文系大学を卒業するもカーデザイン専門学校に再入学。自動車メーカー系レース部門の会社でカーデザイナー/モデラーとして勤務。その後数社でデザイナー/ディレクターとして働き、独立してイラストレーター/ライターとなった。現在自動車雑誌、男性誌などで多数連載を持つ。イラストは基本的にアナログで、デザイナー時代に愛用したコピックマーカーを用いる。自動車全般に膨大な知識を持つが、中でも大衆車、実用車、商用車を好み、フランス車には特に詳しい。

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