ボクらのヤングタイマー列伝:第40回『7代目日産スカイライン』スカイライン生みの親である櫻井眞一郎氏が最後に手がけたR31型スカイライン!!

なんと僕は、あまりに装備がないゆえ『スカスカG』と名付けたこの1985年型スカイラインを手に入れてしまったのです!

ということで、このコーナー初の延長戦に突入! 引き続き7thスカイラインの1800シリーズを”体を張って” 掘り下げます。と言いますのも、なんと僕はこの1985年型スカイラインを手に入れてしまったのです! しかも最廉価版の『1800G』という激レア個体。これが本当に低廉なグレードで、M/T版ではパワステすら付いていない! 室内もベーシック感満載。シートは教習車やタクシーといったいわゆる営業車の如く質素なタイプで、ダッシュボードまわりはほとんどダミースイッチ(笑)。直4SOHCエンジンの、”ウワァアン”と回る頼りないエンジン音やトランクの内張がビニールだったりするのも、営業車っぽさを感じさせる部分です。

面白いのは、スカイラインは日産の上位車種だったのに、こんな”何もないグレード”があったことですよね。最上級版の価格が300万円前後の中、セダン1800G(M/T)は何と123万円。サニーの上級版やブルーバードの中堅モデルが買える価格でした。”装備は落ちるが、夢のスカイラインに手が届く。それならスカイラインにしよう!”と、オトーサンたちを夢想させたのです。なお、1800シリーズでは上からパサージュ、エクセル、Gとグレードがあり、パサージュはリアサスがリジッドになるなどGTと差別化が行われながらも装備が満載のお買い得グレードで、エクセルはその中間。ほどよく豪華で、ほどよくお買い得な経済的モデルでした。

と、細かいところからスタートしましたが、この個体の説明に入りましょう。最初の登録は1985年10月となるワンオーナーカーで、以前は鳥取県にいました。そこからこのクルマを入手したのはタクシーの引き上げや劇中車などを手がける会社に勤める友人で、本来の目的は、1985年頃を再現するドラマ用のパトカーに仕上げようと思ったとのことです。しかし手に入れてみたら程度があまりにもよく、これは乗り続けたほうがいいと判断。スカイライン好きをあちこちで公言していた僕が乗ることになったのでした。

【写真10枚】最廉価版の『1800G』という激レア個体! 7代目スカイラインの詳細を写真で見る

屋根下保管だったと思わせるほど外装は程度が良く、手元に来た時の走行距離は16万km超という過走行ながら、定期的にメンテナンスが行われていたようで調子も抜群。積まれているCA18S型エンジンは、驚きのツインプラグで電子制御キャブレターを備えますが、こちらもとても調子が良く、キャブ車を感じさせることがありません。エアコンもとても効きますし、ステアリングが据え切り時に重いこと以外(しかしこれが実につらい)は、日常で問題なく使えます。1980年代ヤングタイマーカーの良さでもありますね。

あまりに装備がないゆえ『スカスカG』と名付けたこのクルマ。ショックが抜け切っていて乗り心地が悪いのと、エンブレム類がないこと、ヘッドライトが暗いことなど気になる点が多いのも事実ですが、そこは手を入れつつ楽しんでいこうと思います。

写真:平井大介 カー・マガジン495号より転載

この記事を書いた人

遠藤イヅル

1971年生まれ。東京都在住。小さい頃からカーデザイナーに憧れ、文系大学を卒業するもカーデザイン専門学校に再入学。自動車メーカー系レース部門の会社でカーデザイナー/モデラーとして勤務。その後数社でデザイナー/ディレクターとして働き、独立してイラストレーター/ライターとなった。現在自動車雑誌、男性誌などで多数連載を持つ。イラストは基本的にアナログで、デザイナー時代に愛用したコピックマーカーを用いる。自動車全般に膨大な知識を持つが、中でも大衆車、実用車、商用車を好み、フランス車には特に詳しい。

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