電動化時代に欠かせない圧倒的な静粛性を実現したオンロードSUV専用タイヤ「ALENZA(アレンザ)」実走行レビュー

萩原秀輝
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ブリヂストンの「ALENZA(アレンザ)」は、オンロードSUV専用ブランドで快適性を高めたアレンザLX100とプレミアムSUVの運動性能を高次元で引き出すアレンザ001をラインナップする。

快適性重視のLX100、走りが楽しめる001

BMWのフラッグシップBEVとなるiXには、ブリヂストンのアレンザLX100が装着されていた。その選択は納得してあまりある。LX100は、SUVのオンロード系ラグジャリータイヤの最新モデルだからだ。

クルマの電動化が進み、今後もモーターで走る機会が増える。そのため、エンジン音によるロードノイズのマスキングができないのでタイヤの静粛性は重要な価値になる。まさに、LX100はその価値を際立たせているのだ。

もちろん、エンジン車でも優れた静粛性が確かめられる。アウディQ5では、ザラついた路面を通過する際に聞こえがちなゴーッという低周波のロードノイズが最小限に抑制される。タイヤ溝内に消音器の役割を果たす3Dノイズ抑制グルーブを採用するので、ヒャーッという高周波のパターンノイズも気にならない。

LX100はタイヤのトレッドにパターンノイズを抑える3Dノイズ抑制グルーブや摩耗後のノイズを低減するシークレットグルーブなどを採用。静粛性を向上するための技術は乗用車用タイヤのレグノから受け継がれている。

さらに、LX100はしなやかな接地感を得ていることも特徴となる。路面の荒れを包み込むように吸収するので、快適な乗り心地が提供される。それでいて、車重がかさむSUV用のタイヤなので構造的な剛性を最適化。コーナリング中にステアリングを切り増すといった操作に対しても期待通りの反応を示し、グリップ性能の奥行きの深さも実感できる。

また、走りの性能を重視したSUV用のオンロード系スポーティタイヤとしてアレンザ001も用意されている。LX100から履き替えると、ステアリング操作に対する応答性がより正確になりコーナリング中の接地感もしっかりしている。それだけに、コーナーが連続する場面でも気持ちのいい走りが楽しめるはずだ。

001はトレッドのブロック部の形状を最適化。角に丸みを持たせることで倒れこみを抑え制動時も安定した接地性を確保。縦長のリブ部も角を丸め中央の接地面圧を高くすることでウェット路面でのグリップも向上している。

高周波のパターンノイズが聞こえる場面もあるが、静粛性を損なうほどではない。低周波のロードノイズも抑制されているので、乗り心地も含め快適性でも満足度が高いタイヤといえる。

〇問い合わせ先=ブリヂストン=https://tire.bridgestone.co.jp/alenza/

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