再評価が静かに盛り上がりつつある華麗なクーペ!タミヤ製プラモ「アルファロメオGTV」をひたすら美しく作る・後編【モデルカーズ】

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アルファロメオと言えば…グリーン!

伝統と前衛の絶妙なバランスとして絶賛された、アルファロメオGTV。そのタミヤ製プラモデルと実車については、前編の記事(下の「関連記事」参照のこと)で解説した通りだ。この作例は、自動車模型専門誌「モデルカーズ」の、美しいクーペを特集した記事(2010年)用に制作されたもの。このタミヤ製GTVを、ひいては自動車のプラモデルを美しく作るコツについて、作者・北澤氏の文章をお読みいただこう。

【画像43枚】隙なく仕上がったGTVとその制作工程を見る!

「スケール問わずこの車種で唯一のインジェクション・キットであるタミヤ製GTVだが、ボディのプロポーション再現は素晴らしく、大きなフロントフードの開閉は圧巻だ。エンジンは特徴的なヘッド周りの形状がよく再現されているが、補機類の一部が省略されており、エンジンベイのギッシリ感が欠けているのは惜しい。シャシーは排気系が独立したパーツになっていて塗装がしやすい。独特な構造の前後サスペンションも精密に再現され、車高やトレッドのバランスも完璧だ。

インテリアはドア内張りが別パーツとなりシート背面やペダルもあり、再現度が高い。パーツは比較的多めだが、タミヤらしく適確な設計と高精度のモールドで非常に作り易く、ビギナーからベテランまで幅広く楽しめる優れたキットである。

余計な小細工を要しないキットなので、作例ではボディ塗装に注力した。前期型GTVのボディカラーには定番のレッドをはじめとして5色が用意されていたが、今回は、当時の路上ではおそらく最もマイナーだった、トロピカルグリーンメタリックを選んでみた。アルファというと条件反射的にレッドに塗ってしまいがちだが、少し青みのあるグリーンもまた、ジュリア・クーペの頃から必ずカタログに載っていた伝統色で、レッドに次いでアルファらしいボディカラーと言えるだろう。

メタリックカラーならではの塗装のコツを公開
ボディおよび別体のフロントフードやバンパー、そしてシャシーは、赤いプラスチックで成型されている。赤のプラは顔料成分の染み上がりが起こりやすいのが難点だ。そのため塗装の前に、シルバーを混ぜたサーフェイサーを吹いて染み上がりをブロック(銀留め)する手法がよく知られているが、作例のようなメタリックカラーでボディを塗装する場合は、塗膜の下の方のメタリック粒子が同じ作用をしてくれるので、その必要は無い。

その塗装の前に吹くサーフェイサーは本来、表面を研いで下地を作るものだが、模型の塗装の場合は発色を良くすることとキズのチェックが主たる目的なので、必ずしも研ぐ必要はない。ホコリを付けないように、またガサつきを出さないように注意して吹けばよいだろう。その上にボディカラーを吹くわけだが、メタリック塗装は下地表面の状態を反映しやすく、銀の粒子がウロコ雲のような模様を描き出してしまうことがある。これを避けるには、クリアーを混ぜて吹くと、塗膜の中で粒子が泳いでいる状態のまま乾くので、粒子が均一に揃った塗り上がりになる。

メタリックカラーはクリアーコートにおいても注意すべき点がある。最初のクリアーを吹いた時に表面の銀の粒子の反射が変わって、色味が若干変化してしまうことがあるのだ。クリアーを吹く方向によって色味が変わってしまったりするので、最初のクリアーまではフードやとバンパーをボディに合わせた状態で吹く方が良い。クリアーを1回吹いてしまえば表面は安定するので、あとはバラして別々に吹き重ねていっても大丈夫だ。表面積が小さい方がホコリの付着リスクも小さくなる。

実をいうと実車の色はもう少し暗く沈んだ感じの色味なのだが、模型としての見栄えや撮影要件を考慮して、少し明るく鮮やかな方向に振ってみた。彫刻的なエッジがチャームポイントのGTVのスタイリングには、メタリックカラーがよく似合うのだ」

作例制作=北澤志朗/フォト=羽田 洋 modelcars vol.196より再構成のうえ転載

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