【海外試乗】キドニーグリルは現状維持! 熟成の時を迎えたミドルクラスの雄、新型BMW3シリーズは全方位に盤石のクオリティアップが施された1台

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いつの時代もスポーティセダンの代名詞的存在として、その動向が我々カスタマーだけでなく、競合ブランドのクルマ作りにも大きな影響を与え続けてきたBMW3シリーズ。そんな同車が2018年のデビュー以来、初のフェイスリフトを実施した。BMWから発信される変更箇所は最小限だが、日々弛まぬ進化を続けるドイツ車だけに、まずは乗ってみなければ!

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全方位に盤石のクオリティアップ

1975年に初代誕生以来、累計で1600万台以上が販売されてきた3シリーズ。この数字は、実にBMW全体の14%、すなわち同社の顧客の7人に1人が同モデルを選んでいることを示す。特徴的なのはツーリングの人気が高いことで、SUVが隆盛のいまでも、ドイツ市場では70%をセダンではなくフレキシブルな荷室を持つステーションワゴンが占めている。

そして今回、2018年の発売開始からトータルで110万台と、順調なセールスを示してきた現行3シリーズ(G20/21)が、約4年を経たタイミングでフェイスリフトを実施した。ドイツで開催された試乗会でテストしたのはトップモデルのM340i xDriveで、まず個人的に喜ばしかったのは、BMWのデザイナーがキドニーグリルには手を加えなかったこと。つまり、4シリーズをはじめとする縦型のビッグキドニーではなく、これまでと変わらぬコンベンショナルなサイズと形状をキープしていることだ。ブランドの顔ともいえるモデルだけに、いまさら声高に独自性を主張、あるいはいたずらに変化する必要はないと思うからだ。ただし、Mパフォーマンスモデルはブラックアウトされたハニカムグリルがアグレッシブで、その下で大きく口を開ける6角形のエアインテーク、左右のエアスリットと合わせてスポーティな表情を見せる。

搭載される3L直6ターボの最高出力は374ps、最大トルクは500Nmと基本的に変更はない。ただし、新たにmHEVシステムを採用、エンジンと標準装備の8速ATの間に11psのISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)を挟み込むことで、低回転域からのブースト効果と、オートスタート&ストップ時のスムーズな再スタートが期待できる。燃費も改善され、カタログ値ではWLTPで100km走行あたり7.8〜8.5L(12.8〜11.8km/L)へと向上している。

新たにM3/M4から譲り受けたドアミラーを横目で見ながら、ゆったりしたスポーツシートに身を任せる。前席回りは最新のBMWモデルと同様にアップデート、すなわちドライバーに向けて弧を描くカーブドディスプレイが標準装備となったのがニュースだ。正面には12.3インチのメーターパネル、中央には14.9インチのコントロールディスプレイが並ぶ。コンソールには21年前の7シリーズで初導入されたiDriveダイヤルが残されてはいるが、OSはもちろん最新のオペレーティング8だ。注目は、その手前に古典的なシフトレバーは存在せず、小さなスイッチでRND/Sをプリセット、あとはステアリングのパドルでシフトする。

早速、ドライブモードをコンフォートにセットしてスタート。立ち上がりは11㎰のモーターによってシームレスに加速、8速ATも息つくことなくトップギアに入り、快適なクルージング体制に入る。その後、カントリーロードでスポーツモードを選択すれば、シャシーは瞬時にビシッと引き締まり、ステアリングのミリ単位の動きに対してノーズはリニアに向きを変えていく。このあたりのスッキリとした身のこなしには、さらなるに磨きがかけられたようだ。

モデルサイクルを折り返し、いよいよ熟成の域を迎えたいまこそ、あらためて3シリーズを検討するべき時といえるだろう。

【Specification】M340i xドライブ セダン
■全長×全幅×全高=4714×1827×1440mm
■ホイールベース=2851mm
■トレッド(F:R)=1583/1567mm
■車両重量=1725kg
■エンジン種類=直6DOHC24V+モーター
■排気量=2998cc
■最高出力=374ps(275kW)/5500-6500rpm
■最大トルク=500Nm(51.0kg-m)/1900-5000rpm
■燃料タンク容量=59L(プレミアム)
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:5リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/45R18

BMW公式サイト

ルボラン2022年12月号より転載

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2022/12/08 11:30

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