メーカーの歴史上に存在しないはずの『クーパー・ミニ・トラベラー1275″S”』、実は由緒正しき稀有なヒストリーを持つ1台だった!!

著名人が名を連ねた顧客リスト

鼻先のモーリス・エンブレムの上に追加されたSのエンブレム。これを見た瞬間、ミニ好きは「オッ」となるわけだ。

添付された数枚の資料が証明する歴史は以下の通りだ。この個体はOPL366Eというレジストレーションを付けた1967年製のモーリス・ミニ・トラベラーで、オリジナルのエンジンはもちろん848ccあることをブリティッシュ・モーター・ヘリテージ・トラストが証明している。ボディカラーも一時期、濃いグリーンに塗られていた時期もあったようだが、元々は現在と同じくオールド・イングリッシュ・ホワイトと言うことになる。

トラベラー・クーパーSの着想はどうやらクーパー・カー・カンパニー自体の発案だったようで、同社が作った1枚のリーフレットには『クーパー・ミニ・トラベラー1275″S”』という名のカスタム・プランが記されている。リーフレットの日付は1967年1月。

それによると新車のモーリス・ミニ・トラベラーの価格が465ポンドで、そこに1275ユニットへのコンバートやギアボックス、ディスクブレーキ、サスペンション・モディファイ、ダンロップSP41タイヤとホイール、スピードメーター、排気系の交換という一連のサービス料500ポンドが追加される。

これらの入念な”トラベラーのクーパーS化”を行ったファクトリーが(工場自体は別だろうが)、ツーリングカー・レースで無数の勝ち星を挙げ、まだF1活動も継続していた時代のクーパーカーズ自身だと言ったら、実に魅力的なストーリーに思える。

普通のモーリス・ミニ・トラベラーの倍額以上。この価格がマーク1ミニ全盛の1960年代にあって高かったのか安かったのか? その答えはクーパーが実際に制作したトラベラーSが僅か6台だった記録が物語っている。

とはいえこのクルマを注文した人物の短いリストに、クリント・イーストウッドとスティーブ・マックィーン(彼は2台注文したと言われる)が名を連ねていたと言えば、クーパー・ミニ・トラベラー1275″ S “というクルマのポジショニングも理解できそうだ。ちなみに我が国にやってきた1台のファーストオーナーを特定することはできていないのだが、それなりの人物だったに違いない。

PHOTO:田中秀宣 

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2022/12/04 11:45

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