4ドアだけどオープンボディで解放感満点の高級車!「1965年型リンカーン・コンチネンタル」のAMT製プラモデル【モデルカーズ】

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三菱デボネアにも影響を与えたシンプルなルックス

キャデラックと並ぶ、アメリカの高級車におけるもう一方の旗頭が、フォードが手掛けるリンカーンである。その中でもリンカーン・コンチネンタルは長い伝統と複雑な曲折を持つネーミングで、最初のモデルはパーソナル・クーペとして1940年型で登場、1948年型を最後に一旦消えている。

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コンチネンタルの名は、1956年型コンチネンタル・マークⅡで復活した。これは通常のリンカーンとは全く異なるボディを持つ超高価なプレミアムモデルで、2ドアのクーペのみだった。もはやリンカーンの1モデルですらなく、コンチネンタルというディビジョンを立てた扱いだったのだが、当然ながら収益性は高くなく、2年続いた後このディビジョンは廃止されてしまう。そして1958年型においては、リンカーンの最も豪華なモデルがコンチネンタルと呼ばれた。これはリンカーン・コンチネンタル・マークⅢと名付けられ、翌年型はマークⅣ、その次の年はマークⅤと数字を更新したのである。

リンカーンは1961年型でフルモデルチェンジを実施、このとき通常モデルがコンチネンタル(数字なし)と名乗るようになり、しかも基本的には単一モデルであった。つまり、リンカーンは全モデルがコンチネンタルとなったのである。本来の、超高価な2ドア・パーソナルクーペというポジションは、ずっと後の1969年型で再度復活。1956-57年型コンチネンタル・マークⅡの直接の後継という意味で、コンチネンタル・マークⅢという名が(リンカーン・ブランドの元で)再び使われたのである。これがまたマークⅣ、マークⅤ、マークⅥ……と発展していくのだが、これについて触れるのはまたの機会にしよう。

話を1961年型リンカーンに戻すと、モデルが単一となっただけでなく、ボディ形式も4ドアのみ、セダン(ピラード・ハードトップ)とコンバーチブルの2種という、非常にシンプルなラインナップとなった。「シンプル」という言葉はスタイリングにも当てはまる。彫刻的なサイドパネルやテールフィンが今だトレンドであった当時にあって、ボディサイドにプレーンな面を立てたボディスタイルは異彩を放った。このスタイリングはセンセーションを呼び、数年遅れて他社からも似たようなスタイルの車種が登場。1960年代のアメリカ車のデザインを方向付けたのがこのリンカーンであったと言えるだろう。

1960年型と比べるとホイールベースは8インチ(203mm)縮められ123インチ(3124mm)、エンジンは430-cid(7L)のV8(300hp)一種のみ。年々の変更はごく小さなものであったが、1964年型でホイールベースは3インチ(76mm)伸び126インチ(3200mm)となった。1965年型ではエクステリアの変更が比較的大きく、ボンネット中央に膨らみが設けられ、パーキングライトはバンパーからフェンダー先端へ移動。エンジンは引き続き430-cidだが、1963年型以来出力は320hpとなっている。翌1966年型ではイメージは継承しつつボディ外板を一新、2ドア・ハードトップも新設。ようやくフルモデルチェンジが行われたのは1970年型でのことであった。

ディテールアップよりむしろボディの表面処理がポイント
この1961-69年型リンカーンは新車当時、全年式がAMTから1/25スケール・プラモデル化されている。これはプロモ(営業用の模型、立体カタログとでも言うべきもの)を組み立てキットとしたもので、実車のマイナーチェンジに合わせて細部を改修しているため、1964年型が再販されることはない。1964年型でホイールベース延長のため金型が一新されているので、最初期モデルのキットは1963年型が最終形となるが、再販のないところを見ると金型はもう存在しないのだろう。

さて本題の1965年型キットは、AMTとしては珍しい、ストライプ柄をベースとしたカラフルなパッケージだ。制作に使用したのは、1965年のオリジナルキット(No.6415)を1997年に再販したときのもの(8122)で、内容は1965年当時と変わらず、3種類からひとつ、好みのタイプを選んで作ることが可能である。その3種類というのがすなわち箱に描かれている3つのタイプ。一番上に描かれているステーションワゴンは、もちろん実車は存在しておらず、本キットのためのカスタム仕様だ。他にセダンのキット(6425)も存在するが、現在では非常にレアなものとなっている。

そのような歴史を考えると、再販キットの金型のヤレは仕方のないところであるが、1965年当時のオリジナル品でもすでに、筋彫りの甘さや面の不揃いが見受けられる。作例に使用したのは前述のとおり再販品だが、作例ではそうしたボディ表面の修正に多くの時間を割り当てた。ボディにシャシーとタイヤを仮組みしたのち、車高やトレッドを自然な位置に調整している。

ボディカラーは、比較的明るいレッドやベージュ、アイボリーがよく似合う。今回は実車純正カラーの中から、Powder Blue(カラーコードE)を再現してみた。クレオスのC156スーパーホワイトⅣとC322フタロシアニンブルーで淡いライトブルーを作り、C2ブラックを少しずつ加えて色調を少し濁らせる。この濁らせ方は非常に微妙で、一歩間違えると台無しになってしまうので注意が必要だ。仕上げにスーパークリアーⅡを数回塗って充分乾燥させた後、研ぎ出しをおこなった。インテリアはC8シルバーとC322フタロシアニンブルー、C2ブラックを混合したもので塗装、半光沢のコートを施してある。

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.121より再構成のうえ転載

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2022/11/28 17:40

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